第11話 太陽へのご褒美

『燐?こっちむいて💕』


『嫌だーーーー!』


 俺は逃げようと走り出すが太陽にすぐ捕まってしまった…しかも、抱き締められてもう逃げ出すのは無理だ。


『逃げたら駄目だよ?次逃げたらネクタイで縛るからね』


 ネクタイで縛るなんて卑怯だぞーー!逃げようにも捕まってるし…逃げ口は全て塞がれてしまった。


『うー』


『唸っても駄目だよ』


 太陽は頭をナデナデしながらおでこにチュチュしてきた!!なんでこんな状況になったんだ。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 さかのぼると今日はたくさんの事があった。


 朝から太陽をさけて…2限が体育だから体操服に1人で着替えたら太陽に捕まって一か八かで告白したら両思いになった。


 ここまでは普通によかった!思いが通じて晴れて友達から恋人へと昇格したのだ~♪パチパチと手を叩いて自分を称賛した。


 ただ、告白した時間が悪かった!!その後に授業がまだあったんだ。


 太陽がお姫様だっこで体育館まで走ってくれたから、2限には間に合ったがまさかご褒美をねだられるとは思わなかった。


『後でご褒美ちょうだいね?』


『ご褒美?』


『キスでいいよ!唇ね』


 しかも。ハードルが高い!!しかも唇?ファーストキスだってイチゴクッキーでの事故チューみたいなものなのに唇にするの??俺には絶対に無理だ。


 お昼は2人でいつも通り食べたが放課後になったら俺は逃走した…逃げるだろ!!だって俺には無理なんだーーー!まぁ、すぐに捕まって太陽の部屋へと移動した。


 恋人になってから太陽は変わった!頭ナデナデの後におでこと髪へとチュチュが足された。


 甘い!これでもかぁって感じに甘いのだ!!砂糖から蜂蜜?並みに溺愛してきた。


『何考えているの??』


『別に…何でもない』


『燐💕キスはまだかな~』


 太陽は俺の唇を人差し指でトントンってしてきた!しかも、顔はめっちゃ色気たっぷりの笑顔でエロい…俺の心臓はドキドキしてはち切れそうだ。


『わかったよーーーー!』


 もう、しょうがない…男は勇気とチャレンジだぁ!!自分でも何を言ってるのかわからないが俺は太陽にキスをした。


 チュッと優しく触れただけのキスだ。


『どうだ~!キスしたぞ?』


 唇にキスって事はこれでも平気だろ?俺はどや顔で太陽の顔を見た。


『可愛い💕一瞬だからわからなかったよだからもう1回だけしよう?』


 あれ?なんか期待してた反応と違うぞ!!てっきりこれだけって顔をするかと思いきやめっちゃ嬉しそうな顔でもう1回とお願いされた。


 俺は夢の見すぎかな??太陽はもっと強引かと思っていたが俺の心の方が汚れてたみたいだ。


 触れるだけのキスならもう1回ぐらいいいよな?俺はもう1回キスをしようと顔を近づけた。


『ふふ…引っ掛かったね!!』


 太陽に首を手で押さえられて顔が固定されてしまった。


『卑怯だぞ!!』


『俺が欲しかったのはこっちのキスだよ?』


 俺は抵抗なんて出来なかった!だって顔が固定されて逃げられないし…ディープキスなんてしたことないだもん。


『ちょ…やめ』


 抵抗するが太陽の舌が俺の口の中に入ってきた!!どうしたらいいんだ??頭の中はパニックで息をするのも忘れてしまった。


『呼吸は鼻でしてね!』


 舌をからめられると俺は腰砕けになってしまった。


『ひゃん…やぁ……』


 口の中を舐められるのは気持ちよかった。


『初めてのディープキス気持ちよかった?』


『………ぅ…ん』


 頭がぼっーとして何も考えられなくなって…思考が停止した。


『可愛い💕もう離さないからね』


 太陽に膝だったされて抱き締められるのであった。

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