番外編 ハロウィン【前編】

 今回の話はハロウィンとなります。本編とは季節がかなり違いますが、ぜひ楽しんで読んで下されると嬉しいです。

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 今日は10月31日だ…日本ではハロウィンといってお菓子を貰ったり配ったりするハッピーなお菓子の日だと思ってる。


 貰うだけでは駄目だとハロウィンパッケージの飴を俺は配った。


 そこまではよかった…太陽が回りに嫉妬しなければよかったのに…俺がお菓子を貰ってニコニコしてたら不機嫌になってしまったのだ。


『燐はさぁ…なんでお菓子を貰うの?』


 太陽はとても不機嫌そうな声で俺に聞いてきた。


『なんで??ダメなのか?』


 友達なのに貰ったりしてはいけないのか??ただの友達だし別にいいのではないかと思う…。


『ダメじゃないけど…貰ったりあげたりして欲しくないな!』


『そうなのか??貰った物は返せないけどこれからは断るよ…飴も太陽にあげる!!それでいいかな?』


 太陽がそう言うなら俺は貰わないぞ!!もちろんあげたりもしない!!だって相手が嫌がることはしたくないからな。


『ありがとう!その代わり明日はたくさん楽しい事をしようね?』


 太陽は不機嫌な顔からニコニコ笑顔へとかわり俺の頭をよしよしと撫でてくれた。


『明日??何かあるのか…』


 約束した記憶はないが…何かあるのか??思い出そうにも何も思い出せなかった。


『明日はハロウィン当日だよ!!だから俺の家でハロウィンパーティーをしない?』


『いいよー!!』


 太陽とハロウィンパーティーかぁ楽しそうだ。


『それじゃあ明日の10時に俺の家に来てくれないか?準備はこっちでするからオススメのケーキを買ってきてくれ』


『ケーキだな!了解した~♪』


 明日が楽しみだなぁ~♪太陽とは始めてのハロウィンパーティーだ。


 俺はウキウキの気持ちで1日を過ごしたのだ。


 太陽と一緒に下校して家に帰ってきた…まずは、やっぱり風呂だよなぁ~♪風呂の中に入るとついつい明日の事を考える。


『明日は楽しみだ!!太陽は仮装とかするのかな??俺は準備してないけど…ケーキだけ準備してって言われたからケーキだけ買えばいいよな?まぁなんとかなるよな~』


 明日の事を考えると顔が自然とニマニマとなってしまう…だって楽しみなんだもん。


 明日はケーキを買うためにも早く出ないとな…お風呂からでたらご飯を食べてささっと寝ようと俺は順序を立てて風呂を出た。


 順序通りにご飯を食べて布団に入った…しかし、楽しみすぎて寝れない!!遠足を楽しみにしていて寝れない小学生かよ!!って自分に突っ込みをいれた。


『寝れない!!とりあえずこういう時は羊でも数えるかぁ…羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹…数えていても全然眠くならないよ~!!』


 はぁ…どうしたらいいんだ!?こうなったらお助け◯◯先生だよな?スマホを使って調べてみると安眠用の音楽が出てきた。


 音楽の種類はたくさんあって悩んだが、やっぱり小さい頃から聞いていた馴染みのあるジ◯リのオルゴールを選択して聞いた。


 オルゴールの音って眠くなるよなぁ…俺は気づいたら寝ていた。





 ______________________________________________






 ブーブー…うるさいなぁ!!なんでアラームがなっているだ。


 今日は土曜日だろ?学校はないし寝ていても大丈夫……じゃないよ!!だって今日は太陽と2人でハロウィンパーティーで俺がケーキを買いに行くんだ。


 今の時間は8時半…約束の時間は10時だからまだ余裕はあるな!!とりあえず、着替えてケーキを買いに行こう。


 俺は手早く着替えて家を出た!朝ご飯は今日はなしでいいや…急いでケーキを探さないといけなんだ。


 ケーキを買うなら駅のケーキ屋さんかな?自転車に乗ってそのケーキ屋さんへと向かった。


『混んでるなぁ…さすがハロウィンだな』


 駅につくと早い時間だというのにたくさんの人が溢れてた…しかも、それぞれ仮装をしていて賑わっていた。


 今年は鬼のが流行っているんだなぁ…主人公のコスプレをしている人や主人公の妹だっけ?口に竹を加えている妹の仮装?コスプレをしている人もいた。


 仮装は毎年流行ったものをする人が最近は多いと思う…定番のヴァンパイアやカボチャの仮装をしている人もいた。


 ハロウィンになると町の飾り付けもカボチャをモチーフにした物やゴースト、クモだったりとカラフルになる。


『そんなことより、早くケーキ買わないと!!』


 俺は駅にあるケーキ屋さんへと急いだ。


『いらっしゃいませ~』


 仮装をした店員が元気よく挨拶してきた…カボチャのお面みたいなのはをして顔は見えないが若い人に見えた。


 今日も美味しそうなケーキだなぁ…俺はいつもここで誕生日とかクリスマスなどイベントがあるたびにここでケーキを買っているのだ。


 今日のオススメはなにかなぁ?えっーとオバケのショートケーキ、黒猫のチョコケーキ、パンプキンモンブランかぁ…悩むなぁ!!どれも可愛いし美味しそうだ。


 オバケのケーキは和菓子などに使う求肥ぎゅうひでショートケーキを包んであり顔がとても可愛いし美味しそうだ。


 黒猫のチョコケーキは猫型のチョコケーキで肉球がとても可愛いし…俺はチョコケーキが好きだから食べたい。


 でも、パンプキンモンブランもいいよなぁ~♪季節限定って感じだし…どうしようかな?全て450円だから3つ買ったら1350円なら3つ買って太陽とシェアするばいいよな。


『すいません~!オバケのショートケーキ、黒猫のチョコケーキ、パンプキンモンブランを1つずつ下さい』


『ありがとうございます!自宅まではどれくらいかかりますか?』


『すぐなので保冷剤いらないです』


『わかりました~!お会計金額は1458円になります』


『1500円でお願いします』


『42円のお釣りと期間限定でハロウィンのクッキーをお配りしていますがどれがいいですか?』


『そうなんですか?じゃあこの猫ちゃんクッキーがいいです』


 期間限定かぁ~♪俺はアイシングされた猫のココアクッキーを選んだ!!とても手が込んでいて1つ1つ手作りなのかな?カゴの中に入っているクッキーはそれぞれ顔が違く、ニッコリしている物もあれば眠たそうにしているクッキーもあった。


『猫ちゃんクッキーですね!そのままだと割れてしまうのでケーキと一緒に入れておきますね』


『はい!』


 今日の店員さんも優しかったなぁ~♪ケーキを自転車のカゴに入れて振動で崩れないように慎重に運転して家に帰った。


『ふぅ…家についた』


 ケーキを冷蔵庫にしまって、喉が乾いたから冷蔵庫から500mlのミネラルウォーターを取り出して飲んだ。


『今の時間は9時40分だから…少し休憩したら太陽の家に行こう♪』


 さてと、後少しの時間だから何をしようかな?あと15分ぐらいだしテレビかスマホだよなぁ…テレビをつけるとニュースでもハロウィンを特集していた。


『あっ!美味しそうだなぁ』


 ちょうどハロウィンの特集で家でも簡単ハロウィンメニューが放送されていた。


 ウインナーを指に見立てたトマトスープや定番のカボチャを使ったメニューなど…朝ご飯を食べていない俺にとっては空腹を促す内容だった。


 まだ…少し早い時間だけど太陽の家に行こう~♪服はこのままでいいよなぁ?黒のモコモコパーカーに焦げ茶のチノパンとシンプルな服装だ。


『別にシンプルな服装でいいよなぁ?』


 俺はケーキを冷蔵庫から取り出して、太陽の家に向かうのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る