私の居場所 158
すでに日向隊員と明石悠を見てひどい頭痛に襲われていたモヒカンの男とリーゼントの男は、頭を両手で抱えました。
「うぐぁーっ!」
「いてーっ!」
3人はのたうち回ります。啓一。
「なんなんだよ~ これ!?」
モヒカンの男。
「以前にも話しましたよねぇ・・・ オレたちは脳の中に何か仕掛けられていて、日向愛か明石悠を見たらひどい頭痛に襲われるって・・・」
啓一。
「くそーっ、誰だよ、こんなことしたヤツは!?・・・ これじゃあ、日向も明石も殺すことできないじゃねーかよーっ!・・・」
と、啓一は視界の端に真土灯里を見ました。テレビに映ってる真土灯里です。啓一は真土灯里を真正面から見て、
「そうだ! こいつを代わりに殺せば、おふくろは許してくれるんじゃないか?」
が、すぐに画面が切り替わり、明石悠と日向隊員が映りました。またもやひどい頭痛が啓一を襲います。
「ぐぉーっ!」
リーゼントの男。
「だめですよ、テレビを見ちゃーっ!」
モヒカンの男。
「くそーっ、なんでこいつら、テレビに出てるんだよーっ!?」
扶桑テレビのスタジオ。真夜中のノックの演奏は、明石悠、日向隊員、真土灯里のコーラスに突入しました。
真夏の太陽の下、スローモーションで進むクルーザー。船上では走行風圧を浴び、とても気分のよさそうな若い男女。2人がかけている淡い色のサングラスに太陽が反射します。
そんな真夏の映像がこのコーラスを聴いてる者の脳裏にどんどん生まれていきます。まるで魔法のコーラス。
これを聴いてる見附さん、Speed Bump、その他出演アーティストたちはびっくり、そして感動してます。
「な、なんて美しい・・・」
テレビの前の一般視聴者たちも、あまりにも美しいコーラスなもので、呆気に取られてます。
「す、すごい・・・」
テレストリアルガード基地の寒川隊員も感心してます。
「ふ、やるな!」
テレビに映るハミング中の真土灯里。寒川隊員はそれを見て、
「この
ネット民たちもびっくりしてます。と言っても、それは一部だけ。大多数のネット民たちはコーラスに一切興味がなく、相変わらず罵声を書き込んでました。
「オレ、バンドやってるからよくわかってんだけど、この2曲(岬クルージングとI'm for it!)、コード進行が100%同じなんだぜ!」
「コード進行からして盗作なのかよ、おい!?」
「そりゃそうだろう、岬クルージングは頭からしっぽまでI'm for it!の盗作なんだからw」
自称バンドやってる男の証言ですが、ロックンロールの世界では数種類の定番コード進行があります。それゆえ似たようなコード進行をよく見かけます。岬クルージングとI'm for it!のコード進行がそっくりなのは、ある意味必然なのです。
ついでに書くと、
さらに書くと、この男、バンドなんかやったことありません。ネット民お得意の虚言癖です。
生徒会長も快調にキーを叩いてます。
「ふふふ、もっと、もっと、もっとあることないこと書いてやるーっ!」
ま、実際はないことばかり書き込んでましたが。
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