私の居場所 63
生徒会長は下唇を噛みました。
「くっ・・・」
生徒会長は復讐を考えてます。どうすればあの2人に復讐できる? けど、いいアイデアが思い浮かびません。
しかし、浅はかな
話を中学校の校門前に戻しましょう。日向隊員はうかぬ顔でギターを弾いてました。実はすでに明石悠は1曲目のHoleという曲を歌い終えてるのですが、その曲をリクエストした女の子は、ここにいなかったのです。
さらに今明石悠が歌ってる2曲目、旅路。この曲をリクエストした女の子もここに来ませんでした。
まあ、これはしょうがないところがあります。
2曲をリクエストした2人の女の子は、すぐそばまで来てたのです。が、この異様な群衆を見て怖くなってしまい、引き返してしまったのです。2人がここに来なかったのは、仕方がない面がありました。
せっかく曲を憶えたのに、それをリクエストした人が来てない。自分は頭のけがを押して来たというのに・・・ 日向隊員は内心がっくししてます。
けど、3曲目をリクエストした女の子は来てました。メガネをかけた小さな少女です。日向隊員はこの女の子のために一生懸命演奏しようと決意しました。
なお、純粋に2人の曲を聴いてるオーディエンスは、彼女だけのようです。
ちなみに、日向隊員は頭に包帯を巻いたまま。マスコミやネット民には、昨日自転車で転んだとウソの説明をしてあります。
道路と反対側にあるコインパーキングの前の歩道には、前述の通り女神隊員が跨ったままのバイクがあります。
女神隊員から見た明石悠と日向隊員。が、人だかりがひどく、まったく姿が見えません。女神隊員はもっともっと近くに寄り、2人を、特に明石悠を見たい気分になってます。けど、今は隊長の命令でここにいます。つまり、職務。勝手に動くことはできません。
女神隊員は何か深く考えてるようです。
なお、今このコインパーキングは満車になってます。マスコミやネット民がライヴが始まる数時間前からここにきて、我先にとクルマを駐めていたのです。そのせいか隊長の私用のクルマは見当たりません。締め出されたようです。
群衆の中、明石悠はたった今2曲目を歌い終えました。日向隊員のMC。
「じゃ、次は真夜中のノックのundercoverを歌います!」
メガネの少女は眼をきらきらさせました。
「あは!」
日向隊員のギターの演奏開始。この曲らしいハイスピード感。曲に興味のないマスコミやネット民たちも感心して聴いてます。
「うおーっ! すげーっ!」
もちろんメガネの少女も感激してます。
「あは、すごーい!」
メガネの少女は日向隊員の弦を爪弾く指を見て、
「ピックがないのに、よくこここまで弾けるなあ?・・・」
メガネの少女は次に日向隊員のギター全体を見ました。
「ガット弦でもここまで
メガネの少女はただ、ただ感心してました。
曲は1番が終わり、2番が終わりました。オリジナルではここで30秒を超えるギターソロが入るのですが、まだギターに自信のない日向隊員はそれを無視してハーフな3番に突入。その瞬間、メガネの少女ははっとしました。
「え、ええ!?・・・」
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