私の居場所 6
いよいよ陽が隠れ始めたころ、病室のドアがガチャッと開き、南原主幹が顔を現しました。
「お待たせ~!」
日向隊員はため息。そして安心顔。
「ふぁ~・・・」
病院の廊下。南原主幹が両手で抱くように日向隊員の首を持って歩いてます。なお、南原主幹の前には1人助手が歩いてます。まるで露払い。どうやら日向隊員を隠してるようです。
このフロアはテレストリアルガード専用フロア。原則一般人は入って来ません。けど、何かの間違いで一般人が進入してくる可能性もあるから、用心に越したことはないですね。
南原主幹がぽつり。
「すまないねぇ、こんなに時間がかかっちゃって・・・」
前を歩く助手が重たそうなドアの前に立ち止まり、片手でドアを開けました。
部屋の中には数人の研究員とコンピューターと計測器が待ってました。その真ん中にはいかにも医療用て感じのイスがおいてあり、検査着を着た首なしの少女の身体が座ってました。どこからどう見ても日向隊員の身体です。日向隊員はその身体を見て、ニコッとしました。
「あは、やっとできたんだ」
ま、外観は何1つ変わってませんが。
南原主幹は左手で日向隊員の首を小脇に抱え、
「小型空中浮遊ユニットはずすよ。ちょっと我慢してて」
「はい」
カチャッ 小型空中浮遊ユニットがはずれました。南原主幹はそのユニットを側にいた助手に渡すと、両手で挟み込むように日向隊員の首を持ちました。日向隊員はまっすぐ前を見てる状態に。
南原主幹は首のない少女の身体の背後に行き、首の切断部分に日向隊員の首を1時半の方向にセット。左に45度カチッと回します。すると少女の両手が何事もなかったように動きました。日向隊員はその手を見てうれしそう。
「あは、動いた。やっぱ身体があるっていいなあ・・・」
「ふふ、そっか?」
南原主幹はなぜか含み笑い。と、突然持ってたクリップボードを縦にして、日向隊員の脳天に振り下ろしました。びっくりする日向隊員。
「え?」
ものすごい速さで迫って来るクリップボード。頭に当たる寸前、眼にも止まらぬ速さで日向隊員の右手がクリップボードの側面にパンチ。クリップボードは壁まで吹っ飛んで行きました。日向隊員は自分の両手を見て、
「な、何が起きたの、いったい?」
南原主幹は微笑み、
「簡単な脊髄反射のテストだよ」
「テスト?」
「うん。どうやら合格したみたいだな。本当はもっと本格的なテストをしたいんだけど、明日から学校だろ」
「はい」
「じゃ、
「はい」
「それに・・・ これは日向君にも話しておいた方がいいな。
君の身体は元々海老名て人の身体だった」
「ええ、知ってますよ」
「海老名隊員の時代は、普段はメガヒューマノイドと
けど、今回はメガヒューマノイドの体力のままで行くことになった。香川隊長はいつまた宇宙人が攻めて来るのかわからないから、今回はデチューンしないでくれと注文したんだよ」
「デチューンてわざと性能を落とすことですか?」
「ああ。海老名隊員の時代は、普段はデチューンした状態で、変身したらフルの力を発揮するように調整されてたらしい。君もそうした方がいいと思うんだが・・・」
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