侵略者を撃つな! 80
「ふはぁ~」
隊長は座ったまま伸びをしました。上溝隊員はコーヒーを満たしたコーヒーカップをお盆に載せ、隊長のところへ。隊長の手元にコーヒーカップを置きました。
「隊長、お疲れさまです」
「小6の勉強がこんなにも難しいなんて、思ってもみなかった・・・」
隊長は上溝隊員を見て、
「上溝、お前が教えてやれよ」
「え~ 嫌ですよ、私」
「おいおい・・・ お前、いつまであいつを嫌ってる気だ」
「別に嫌いってわけじゃないですよ」
「そっか?」
いや、どうみても上溝隊員は日向隊員を嫌ってます。隊長の頭痛はまだ続きそうです。
そして次の日。この日も個人授業。サブオペレーションルームの卵型のテーブルに座って隊長が日向隊員に勉強を教えてます。
けど、日向隊員はすでに気づいてます。隊長の知識はたいしたことがないことを。小6に教えるなんて、とてもとても。
日向隊員は心の中でニヤッと笑うと、隊長にわざとらしく質問を浴びせます。2度、3度、4度・・・
「え、え~と・・・」
隊長は質問がくるたび焦ります。しかし、まあ、日向隊員の性格は、相変わらず問題があるようですね。
頭カリカリの隊長。横目で上溝隊員を見ました。もうあいつに丸投げしちゃおっか・・・
そんなときです。固定電話が鳴りました。上溝隊員が左手で受話器を握ります。
「はい・・・」
上溝隊員は右手で受話器の送話側を押さえ、隊長を見ました。
「隊長、お客さんです!」
隊長は上溝隊員を見て、
「ん?」
「警視庁捜査1課の刑事さんです」
「捜査?」
「のようですね」
隊長は少し考えました。で、ちょっとほくそ笑むと、口を開きました。
「わかった。この部屋に通してくれ。あ~ それに、ちょっと悪いが・・・」
隊長は日向隊員を見て、
「この
「ええ~!・・・」
上溝隊員はかなり露骨な態度を示しました。嫌だという意思表示です。
「これは隊長命令だ!」
隊長の命令です。しかたなさそうに上溝隊員は立ち上がりました。そして日向隊員を見て、
「来て」
日向隊員も立ち上がりました。
「お願いします」
地下廊下を歩く上溝隊員と日向隊員。日向隊員は数冊の教科書を握ってます。先頭を歩く上溝隊員は1つため息。そして、こう思いました。
「まったく、隊長、何考えてんのよ? もう・・・」
そして後ろを振り向くことなく、日向隊員に質問します。
「あなた、なんでクラスメイトをイジメて殺したの?」
日向隊員は即答します。
「私が弱かったから、殺してしまいました」
上溝隊員はどんな回答が帰ってくるのかいろいろと想定してましたが、これは想定外の回答でした。
「この
上溝隊員はそう思うと、薄っすらと笑みを浮かべました。
サブオペレーションルームの引き分けの自動ドアが開き、2人のジャケット姿の男性が入ってきました。2人とも刑事です。中では香川隊長が待ってました。刑事のリーダー格の男性が隊長と握手。
「初めまして、私、警視庁捜査1課園田です」
もう1人の刑事も隊長と握手。
「芹川です」
隊長も自己紹介。
「テレストリアルガード作戦部門隊長、香川です」
隊長は卵型テーブルの端っこのイスを見て、
「まあ、立ってるのもなんですので、こちらにお座りください」
2人の刑事は言われた通り、イスに座りました。隊長も2人と相対してイスに座りました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます