侵略者を撃つな! 64
それを聞いて金目ひなたはぽつりと漏らしました。
「
そう、この2人は金目ひなたの大の親友だったはずの片岡愛美と飯島
山際怜子をカツアゲしたことだって、たしかに主導したのは金目ひなたですが、この2人もかなり積極的にカツアゲしてました。今のこの2人の発言は真っ赤なウソ。どうやら片岡愛美と飯島
弟を殺され、自分と両親はとことん追い詰められてるというのに、あいつら、なんの責任も負わない気? 金目ひなたの脳裏に言いしれぬ怒りがこみあげてきました。
さらに広川雫。金目ひなたはいつもひとりぼっちだった広川雫を哀れに思い、仲間に引き入れました。なのにこの仕打ち。なんなの、これ? 私になにか恨みでもあるっていうわけ?
片岡愛美、飯島莉桜、広川雫。こいつら、絶対許せない! この恨み、どう晴らしてやろうか?
けど、今恨みを晴らす
しかし、金目ひなたは今のところ自殺する勇気はありませんでした。ただ悔しくって涙を流すだけでした。
太陽は西に傾き、そして沈み、夜になりました。金目家の豪邸の道路沿いは、いつの間にか警備員がびっしりと隙間なく並んでました。隣地からの侵入に備えてか、庭にも警備員の姿がありました。マスコミやテレビ局のカメラクルーややじ馬たちは、まったく近寄れない状況になってました。
路上を埋め尽くしていたマスコミややじ馬たちの車両もすべて撤去されてました。警察が路上駐車してるという理由で強制的に撤去したようです。ちなみに、近くにコインパーキングはありません。
バイクもすべて撤去。ただしバイクに関しては、ちょっと離れた位置に停車してあるようです。
さらに夜は更けて、3時となりました。もう深夜ではなく、未明と言った方がいい時刻。金目家の駐車場に面した小さなドアがカチャッと開きました。中から3人の人影が。しかし、屋内の照明も駐車場に設置された照明も何1つついてません。ほぼ暗闇。誰だか確認できない状況です。
3つの人影がそれぞれアッパーミドルクラスの高級車のドアを開けました。ドアが開いたせいでクルマの室内灯がつきました。その光でようやく3人の正体がわかりました。運転席に座ったのは父親、助手席に座ったのは母親、後部座席に座ったのは金目ひなたです。
エンジン始動。駐車場の門が開くと同時にライトオン、ハイビーム。警備員に導かれ、クルマが路上に出ました。ざわつくマスコミ関係者ややじ馬たち。テレビ局のリポーターが慌ててマイクを握ります。
「あ、今例の少女の家で動きがありました!」
何人かが慌てて駆けだします。ちょっと離れた位置に駐めておいたバイクを取りに行ったのです。
夜の住宅街を走る金目家のクルマ。あとからついてる車両はありません。いや、遠くの方から眩しいヘッドライトが見えてきました。複数のバイクのヘッドライトです。先頭のライダーがぼやきます。
「くそーっ、逃がすかよ!」
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