侵略者を撃つな! 59
ここで玄関の脇の小窓がほんの少し開きました。そこから眼が。金目ひなたの眼です。金目ひなたから見た父親と2人の男。先ほどの会話の続き。
「お前のバカ娘が人を1人殺したんだよ。わかってんのかよ!」
男は横目でテレビ局のカメラクルーややじ馬を見ます。
「ふふ、ちょうどいい。テレビ局のカメラが揃ってらあ! まずはこいつらの前で謝れ! 話はそれからだ!」
こんなやつを相手にしてるひまは今はありません。少しでも時間を縮めないと。父親はちゅうちょする間もなく、1歩前に出て、テレビ局のカメラクルーやゴープロなどのカメラを持ったやじ馬たちに大きく頭を下げました。
「みなさん、このたびは私の娘のせいで大変な迷惑をかけてしまいました。謝罪します!」
が、2人の半グレは納得しません。
「はぁ? そんなもので謝ったことになるかよ! 土下座しろよ! 土下座!」
「くーっ」
さすがに父親の堪忍袋の緒が切れてきました。けど、今は息子の方が大事。父親はその場で土下座しました。
「すみませんでしたーっ!」
それを玄関の小窓から見ていた金目ひなたは唖然。日本の中枢にいて日本を動かしている父親がこんなチンピラの言いなりになって土下座している。それは私のせい・・・ 金目ひなたの眼から涙がこぼれ出てきました。
が、半グレどもはそれでも許しません。半グレの1人が大きく足をあげました。
「もっと頭を下げろや、この木端役人がっ!」
ぐしゃっ! 男の足の裏が思いっきり父親の後頭部にヒット。父親の頭は男の足の裏とコンクリートの叩きに挟まれてしまいました。男はさらに何度も何度も父親の後頭部をガンガンと踏みつけます。
「おらおらおらーっ!」
男はさらに父親の後頭部をなじるようにグリグリと踏みつけます。
「お前のバカ娘はなあ、こうやってクラスメイトをイジメたんだよ。へへ、お前、何も文句言えないだろ? あははは!」
男は嘲笑します。ゴープロを持った男も嘲笑。
「あはっ、いい気味! いい気味!」
この光景をテレビカメラ局のカメラややじ馬のカメラが捉えてます。父親のあまりにも情けない姿が日本全国のテレビやインターネットに流れてる。金目ひなたの身体はわなわなと震えてきました。もう我慢できない・・・
と、外ではカメラクルーとやじ馬をかき分け、数人の警官が現れました。警視総監が手配した警官がやっとやってきたのです。先頭の警官が父親の頭を踏みつける男を見て、
「お前、何やってんだ!?」
「はぁ? 見ればわかるだろ! 取材だよ、取材!」
もう1人の男は警官隊にゴープロを向け、
「引っ込め、クソドサンピン! 報道の自由だ!」
警官の1人が父親を踏みつける男に歩み寄ります。
「暴行罪で現行犯逮捕する!」
男はその警官の胸ぐらを掴みます。
「はぁ、こらぁっ! てめー、何様だよっ!」
次の瞬間、男はその警官を払い腰で投げ捨てます。
「どりゃあーっ!」
コンクリートの叩きに思いっきり叩きつけられる警官。それを見てほかの警官が一斉に突進。
「公務執行妨害で逮捕だ! 確保ーっ!」
2人の男はあっという間にうつ伏せで地面に這わされました。それでも2人は抵抗します。
「くそーっ、覚えてろよ、お前ら!」
「お前らの悪事は全部インターネットで公開したからな! お前ら、全員クビだ! ガハハ、ざまぁみろ!」
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