侵略者を撃つな! 40

 広川雫はぽつりと語りました。。

「あの~・・・ これって犯罪だよね」

 片岡愛美は苦笑い。

「あは? 何を言うかと思ったら・・・ 私たちは小学生だよ。たとえあいつを殺したって、捕まるはずがないじゃん」

 金目ひなたはさっき自分がやった行為にずーっと疑問を感じてましたが、この片岡愛美のセリフが銃爪ひきがねになり、ぽつりと口を開きました。

「いや、犯罪は犯罪だよ。バレたら親に迷惑がかかるよ」

 それを聞いて片岡愛美はびっくり。

「ええ?・・・ なんでそんなこと言うの? あいつから金を巻き上げよって言い出したの、あなたじゃん!

 あは、そっか。怖くなったんだ。ひなたのお父さんてお役人だもんな。バレたら公務員失格だよね」

 それを聞いて今度は飯島莉桜りおが強く反応。

片岡まなちゃん、それは言い過ぎだよ!

 私もこれは間違ってると思う。やり過ぎだって」

 片岡愛美はしらけた顔を見せ、

「な、なんだよ、みんな・・・」

 広川雫。

「ねぇ、みんな、山際れいちゃんに謝ろ! お金を返そうよ!」

 金目ひなたは眼の前にちらかってるハンバーガーやポテトを見て、

「あは、あのお金、使っちゃったからなあ・・・」

 飯島莉桜りお

「じゃ、こうしよっか。お金は返さない」

 それを聞いて広川雫は残念そう。

「ええ?・・・」

 飯島莉桜りおは言葉を続けます。

「でも、謝るのも悔しいから、これからは山際あいつをガン無視する」

 金目ひなた。

「うん、賛成!」

 けど、片岡愛美はあまりおもしろい顔してません。広川雫も別の意味で納得してないようです。

 雰囲気が悪くなた・・・ 金目ひなたはそう感じ取ると、解散を発案し、4人はそれぞれ帰路につきました。


「おはよう!」

「おはよう!」

 翌日ここは小学校。教室で山際怜子と真田希望のぞみがあいさつを交わしました。山際怜子の表情はいつもと変わりありませんが、ちょっと何かが違うようです。真田希望のぞみはそれに気づき、質問しました。

「あれ、何かあった?」

 山際怜子は苦笑して、

「ううん、なんでもないよ」

 真田希望のぞみはとりあえずその言葉を信じることとしました。一方教室の片隅には金目ひなたたち4人組が集まってました。4人は山際怜子と真田希望のぞみをチラ見してました。


 授業中、山際怜子の席は窓側最前列。真田希望のぞみの席は通路側前から3番目。それに対し金目ひなたたち4人は後ろの方に座ってます。

 真田希望のぞみから見た山際怜子は、何か変。どうも後方を気にしてるようです。真田希望のぞみはその行動を不審に思いましたが、その原因が金目ひなたたち4人にあるとは気づいてません。

 1時限目が終わると真田希望のぞみは山際怜子の元へ行って、質問してみました。

怜子れいちゃん、どうしたの? ずーっと後ろを気にしてたけど?」

「ううん、なんでもないよ」

 山際怜子は笑いました。が、何かイマイチ。真田希望のぞみは言葉を続けます。

「もし何か気になることがあるんだったら、私に言って」

「あ、ありがと」

 山際怜子は何かのらりくらりしてます。真田希望のぞみは不審に思いましたが、もう2時限目が始まる時刻。真田希望は振り返りながら、

「じゃ」

 と言って、自分の席に向かいました。

 一方金目ひなたたち4人は席の後方にたむろっておしゃべりしてます。4人は表面上山際怜子に興味がないようです。


 その後も授業が進み、お昼休みになり、午後の授業になり、そして下校時刻になりました。

「じゃね!」

 と言うと、山際怜子は慌てて教室を出て行きました。

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 あまりにも速く山際怜子が出て行ってしまったので、真田希望のぞみはびっくり。

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