君のテレストリアルガード 42
トラックが城所弁護士の愛車の側面に激突。トラックはそのまま城所弁護士の愛車を押します。が、トラックは急ブレーキを踏んでいて、激突したときそれほどの勢いはなく、交差点中央で停止しました。
運転席の城所弁護士は顔面蒼白。歯が噛みあってません。
「あ・・・ あわわ・・・」
助手席の赤い女の子はぽつりと言いました。
「本当は殺すつもりだったけど、命だけは助けてあげる。あとは生き地獄を味わってください」
赤い女の子は消滅しました。城所弁護士はただ唖然とするだけ。遠くから救急車とパトカーのサイレン音が聞こえてきました。
テレストリアルガード基地。あたりはすでに暗くなってます。
サブオペレーションルーム。上溝隊員と寒川隊員と女神隊員がテーブルに座ってテレビを見ています。橋本隊員はノートパソコンでインターネットをやりながら同じテレビを見てました。
テレビの中は女子リポーターが映ってます。背後にたくさんのパトロールランプが見えます。夜のせいか、パトロールランプはまばゆく光ってます。女子リポーターの声。
「今回の事件の死者は19人となりました」
それを聞いて橋本隊員はつぶやきました。
「19人? インターネットでは18人となってるが・・・ たった今病院で1人死んだのか?
しかし、あいつ、なんで暴走したんだ?・・・
けど、これでテレストリアルガード解散はなくなったな。テレストリアルガード解散の旗振り役がこんな大事件を起こしちまったんだ。そんなやつに同調したら、そいつも同罪。もう誰も城所を相手にしないだろって」
女神隊員はそのセリフを聞いて安心した顔を見せました。と言っても、ウィッグで顔の半分は隠れてるのですが。
今度は寒川隊員がつぶやきました。
「でも、隊長は・・・」
橋本隊員は応えました。
「ああ、テレストリアルガード作戦部門隊長の職は解任だろうな。この部屋から消える可能性大・・・」
それを聞いて女神隊員は、再び暗く沈んでしまいました。はたして次の隊長は、宇宙人の女神隊員をどう扱うのでしょうか?
ここはビルの中の廊下。両側とも部屋があるようで、太陽光は入ってません。ところどころドアが見えます。今この廊下を2人が歩いてます。1人は総理大臣補佐官の土屋議員。もう1人は彼の秘書です。土屋議員はまだ40代前半て感じ。秘書は柔道でもやってたのか、かなりの大柄。2m近くはありそうです。秘書が歩きながら土屋議員に話しかけました。
「昨日の事件の死者ですが、20人となりました」
「ん? さっき見たニュースでは19人となってたが?」
「たった今病院で1人亡くなったそうです」
「ふっ、そっか。死者20人。大惨事となったな。これで城所とつるんでいた岡崎議員は静かになるな。ふふ、いい薬だ。
テレストリアルガードは作戦部門や技術開発部門や保守点検部門だけじゃないんだ。宇宙を股にかけていろいろとロビー活動をしてる部門もあるんだ。6年間ユミル星人が襲って来ないのは彼らのおかげだ。そんなのも知らないで解散だ!解散だ!と吼えるとは、無知とは怖いものだ」
2人はドアを開け、その中に入りました。
室内。土屋議員と彼の秘書が入ってきました。ここは中規模な会議室のようです。テーブルにはすでにかなりの数の人が着席してます。
土屋議員と彼の秘書がお誕生日席に着席。2人の横には大島さんが座ってました。どうやら大島さんは司会進行役のようです。
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