君のテレストリアルガード 39
隊長はスマホを握ってる左手を下げ、女神隊員を見ました。
「残念だが、城所は今テレビに出てるそうだ。まったく効果なかったようだな、呪い石は」
女神隊員は残念そう。
「そうですか・・・」
「なんでこんなことを?」
「怖いんです。もしテレストリアルガードが解散したら、私はどんなひどい目に遭うのか・・・」
「それで
女神隊員はうなずきました。隊長はちょっと考え、そして発言。
「ふっ、そっか。約束するよ。お前の命はオレが保証する」
隊長は女神隊員の掌の上の呪い石を見て、
「だからその石をよこせ」
女神隊員はちょっと考え、そして発言。
「隊長、この石を使う気ですか?」
「バカ言うな。オレはもう許容範囲を超えちまってるんだ。次また呪い石を使ったら、オレはあの赤い女の子に間違いなく殺されちまうよ。お前の命も大事だが、オレの命も大事だ。その石はもう使わないよ」
「そうですか・・・」
隊長は女神隊員の掌の上の呪い石を右手で掴みました。そして女神隊員を見て、
「これ、どこにあった?」
女神隊員は振り向き、ベッドの脇の腰くらいの高さのチェストに載ってる小さな引き出しを見ました。隊長はそれを確認して、
「わかった」
隊長は引き出しに向かって数歩歩き、その引き出しの前に立ち、左回転で女神隊員に振り返りました。
「この引き出しか?」
「はい」
隊長は引き出しを開け、呪い石を入れました。そして女神隊員に再び振り返りました。このとき隊長は、合図をしたつもりか、自分の右掌を女神隊員に見せました。当然呪い石はそこにありません。
「さあ、行こう」
「はい」
2人は部屋を出ました。
廊下に出ると隊長は女神隊員を見ました。
「このドアは封鎖しよう」
隊長はカードキーをタッチするパネルに付属しているテンキーに触れました。全部で4回タッチ。そして女神隊員を見て、
「これでこのドアはマスターキーでタッチしない限り、開かないはずだ」
2人は廊下を歩き始めました。
ここはサブオペレーションルーム。引き分けの自動ドアが開き、隊長と女神隊員が入ってきました。部屋の中では上溝隊員と寒川隊員がテレビを見てました。テレビの中は城所弁護士です。
ここはテレビスタジオ。女性司会者が城所弁護士に話しかけてます。
「城所さんはこれからA党B派の領袖、岡崎議員にお会いになるんですよね」
「はい。私の意見と岡崎さんの意見はかなり共通点がありましてね、これから会うのが楽しみなんですよ」
城所弁護士は席を立ちました。
「それでは」
歩き去る城所弁護士。それを追うテレビカメラ。
サブオペレーションルーム。テレビを見ている寒川隊員。
「ああ、やっぱテレストリアルガードは解散かな?」
隊長は立ったまま、自分と海老名隊員の会話を思い出してます。海老名隊員の発言から。
「2人死んだことで、隊長はクビになります」
「責任を取らされるてわけか?」
「いいえ。隊長は犯人を半殺しにします。その責任を取らされるんです。
次に隊長になった人は来た早々、いきなり女神さんを拘束しようとします。けど、女神さんはそれを読んでいて、巨大化します」
「それで街を壊すのか?」
「はい。東京を・・・ いや、日本中の街を徹底的に破壊します」
現在の隊長が思いました。
「えびちゃんの予言は大局的には当たるが、細かな部分ではハズレが多いな」
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