君のテレストリアルガード 38
女神隊員が質問しました。
「どうすればテレストリアルガード解散を回避できますか?」
寒川隊員が応えます。
「う~ん、難しいなあ・・・」
上溝隊員はテレビの中の城所弁護士を横目で見て、
「一番手っ取り早い方法は、あの人が死ぬ・・・ いや、でも、ふつーに死んだら却って同情を集めちゃうから逆効果かも。死ぬ前に何か重大な事件をやらかさないとダメかな・・・」
女神隊員は考えました。何かいい方法はないか?
と、ここで女神隊員の脳裏に小さな石が現れました。呪い石です。そう、あの石を使えば城所弁護士を人知れず葬ることができるのです。しかも呪い石で呪殺するとなると、死ぬ寸前発狂する可能性大。何か重大な事件を起こす可能性があります。
ただ、呪い石には1つ重大なリスクがあります。それは赤い女の子。女神隊員はあの赤い女の子を一度撃退したことがありますが、あのとき呪い石は隊長が扱ってました。
もし女神隊員自身が呪い石を使って、そのときあの赤い女の子が襲ってきた場合はどうか? 撃退できないかも?
いや、それ以前に、女神隊員は呪い石を使いこなすことができないかもしれません。たぶんそっちの可能性の方が高いと思われます。
それでも女神隊員は決意したようです。
それからしばらくして、テレストリアルガード基地の滑走路にストーク2号が反重力エンジンを使って垂直着陸しました。隊長と橋本隊員の帰還です。
そしてここは地下廊下。隊長と橋本隊員が歩いてます。廊下の十字路で2人が立ち止まりました。隊長が橋本隊員に話しかました。
「悪い。まだ二日酔いが残ってるみたいだ。もうちょっと寝させてくれないか」
橋本隊員は微笑みを見せ、
「ふっ、どうぞ」
隊長と橋本隊員は別々の方向に歩き始めました。
廊下を歩く隊長。と、隊長はあることに気づき、ふっと立ち止まりました。一本引きの自動ドアが1つ開いてるのです。そのドアは海老名隊員の私室のドアでした。
隊長はその部屋に入りました。するとそこに1つの人影が。人影は後ろ向きで何か祈ってるように見えます。
「おい。何やってる、そこで!?」
人影は慌てて振り返りました。それはウィッグで単眼を隠した女神隊員でした。
「女神?・・・
お前、何やってんだ?」
「な、なんでもないですよ」
隊長は後ろ手に廻した女神隊員の右手に注目しました。
「おまえ、今何か隠したろ。何隠した?」
女神隊員は無言です。隊長は言葉を続けます。
「その右手、見せてみろ!」
女神隊員は渋々右手を前に出しました。その手は握られたまま。隊長はその握りこぶしを見て、
「開けてみろ」
女神隊員は握りこぶしを開けました。そこには小さな石が。隊長はそれを見て驚きました。
「呪い石・・・」
「あの男をどうしても消したくって・・・」
「城所か?」
女神隊員はうなずきました。隊長はスマホに話しかけました。
「あ、上溝か? 今テレビ見てるか?」
ここはサブオペレーションルーム。上溝隊員が片手でスマホを握ってます。上溝隊員は横目でテレビを見ました。
「あ、はい。見てます」
海老名隊員の私室にいる隊長、スマホに、
「今テレビに城所、出ているか?」
テレビには城所弁護士が映ってます。上溝隊員はそれを確認して、
「はい、出てますよ」
「生放送か?」
「そうですねぇ・・・ それっぽいです」
「そっか」
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