君のテレストリアルガード 30
路地を歩く横内・田村・高村。田村が横内に話しかけました。
「アニキ、頭がいいっすねぇ」
「ああ。まさか警察もオレたちがまだこの街に潜んでるだなんて、思ってもみないだろって」
3人が交差点に差し掛かりました。交差する通りは今歩いてる道とほぼ同じ幅。やはり呑み屋街です。横内がふと左側を見ました。すると遠くに2人の警官の姿がありました。
「あ、やべっ!」
3人は慌てて数歩下がり、物陰に入り、警官の方を見ました。高村は焦り声で、
「アニキ、やっぱムリがあったんじゃ?」
「バカ言うな。たまたま警官がいただけだろ!」
3人は転進しました。が、ここにも遠くに警官の姿が。ほぞを噛む横内。
「ちっ・・・
こっちだ」
3人はさらに細い路地に入りました。
かなり細い路地。両側は小さな呑み屋ばかり。朝のせいか、すべての店は閉じてます。その中を横内・田村・高村が小走りに進んでます。横内はぶつぶつ、ぶつぶつ文句を言ってます。
「くそーっ、くそーっ、くそーっ・・・」
そこに突然の声が。
「見ーつけた!」
3人ははっとして立ち止まりました。いつの間にか3人の後ろに1つの小さな人影が。中学校の制服姿の海老名隊員です。横内は海老名隊員の姿を見て、思わず大声をあげました。
「なんじゃ、お前は?」
「私はテレストリアルガードの隊員よ」
「はぁ? 何言ってんだ? お前、ただの中坊じゃねーか!」
すると高村が横内に話しかけました。
「アニキ、テレストリアルガードにはJCがいるって話を聞いたことがありますよ」
横内は海老名隊員の左ほほの青あざを見て、
「あはは、何がテレストリアルガードの隊員だ」
横内は自分の左ほほを指さして、
「テレストリアルガードの隊員がこんなところに青タン作ってるかよ。お前、オレたちと同じ人種だろ」
海老名隊員はムッとします。そして発言。
「あんたたちでしょ。うちの倉見隊員に単管パイプを投げつけたのは?」
横内が応えます。
「ふっ、それがどうした?」
「早く自首しなさいよ。自首しないと私が痛い目に遭わすよ」
「あはは、こいつはお笑いだ」
横内はいきなり海老名隊員の襟首を左手で掴み上げました。
「お前みたいなどチビに何ができるっていうんだ? ええ!」
宙に浮く海老名隊員の足首。さすがの海老名隊員も、これは苦しそう。けど、海老名隊員は挑発します。
「あ~あ、また罪が増えちゃうのかな?」
「ふざけんな!」
横内は右手を振り上げました。
「うぉーっ!」
海老名隊員は思いました。
「そんなパンチ、私に効くものか! 痛覚カット!」
横内の右手の拳が海老名隊員の口のあたりにヒット。小さな海老名隊員の身体は地面と水平にふっ飛びます。そしてビルの壁面に後頭部から激突。その瞬間、海老名隊員は今まで味わったことのない衝撃を感じました。
「え?」
海老名隊員の身体は壁に沿って崩れ落ち、そのまま壁にもたれかかるように倒れました。
一方横内は、右拳が痛そう。
「いって・・・ なんだ、こいつ? 頭蓋骨が鋼鉄でできてんのか?」
横内は壁にもたれたままぐったりしてる海老名隊員を見ました。
「おいおい、たった1発でお寝んねかよ?」
横内は海老名隊員の胸元を再び掴みます。
「おい、もっと遊ぼうぜ!」
横内はそのまま海老名隊員の身体を引き上げました。海老名隊員の首はすわってないようです。だら~んと横に垂れました。その口は半開きでよだれが垂れてます。眼は見開いたまま。それを見て横内は驚きました。
「ええ?・・・」
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