君のテレストリアルガード 28

「ぎゃーっ!」

 海老名隊員は跳ね起きました。ここはテレストリアルガード基地の海老名隊員の私室。海老名隊員はベッドに寝てましたが、たった今悲鳴とともに起きたところです。

「え、夢?・・・

 もう、なんであんなへなちょこパンチ、私が怖がらなくっちゃいけないの!?

 私はメガヒューマノイドよ。頭蓋骨は丸ごとチタン合金に置換されてるの。あんなパンチ喰らったってなんともないよ!」

 海老名隊員は床に降り、スリッパを履きました。

「ふふ、でも、さすが私。夢で犯人がわかっちゃった。これでやつらを逮捕できる!」


 テレビの中、横内たちが住んでいたアパートが映ってます。その2階の一角は大きく破壊されていました。アナウンサーの声。

「昨夜A区B町のアパートで起きた爆発事故ですが、原因はテレストリアルガードのレーザーガンと判明しました。

 警察の発表によると、昨夜テレストリアルガード専用車両が襲われ、レーザーガンが奪われる事件が発生しました。テレストリアルガードはこのレーザーガンが悪用されることを防ぐために爆破させた模様です。

 しかし、この爆発によってアパートは大きく壊れ、犯人の一味と思われる人物が1人遺体で発見されました・・・」

 このテレビを城所祐樹弁護士が見てました。ここは城所弁護士の弁護士事務所です。城所弁護士はソファに座り、テレビを見てました。城所弁護士はニヤッと笑い、

「ふふ、こいつは使えるぞ!」

 城所弁護士は以前テレストリアルガードに法律でケンカを売りましたが、ものの見事に自爆となりました。それ以来城所弁護士は、テレストリアルガードに復讐することばかり考えてました。どうやらこの事件を利用する気のようです。


 アパート爆発事故(事件)現場。規制線のすぐ外側にテレストリアルガードの隊員服が2つ見えます。隊長と橋本隊員です。そこに寒川隊員が駆けつけました。寒川隊員も隊員服です。

「隊長、話を聞いてきました。どうやら犯人は4人組。内1人は爆死。3人は徒歩で逃走したようです」

 それを聞いて橋本隊員が、

「3人か。ああ、オレたちで捕まえに行きたいなあ・・・」

 隊長は「警察に任せとおけ」と言おうしましたが、橋本隊員はすでに心得てるはずです。それ以上は言わないことにしました。

 と、隊長の左手のバンテージが突然振動し始めました。

「ん?」

 隊長はスマホを取り出し、その液晶画面を見ました。

「基地から?」

 隊長はスマホの電話に出ました。

「あ、もしもし・・・」


 ここはテレストリアルガード基地オペレーションルーム。上溝隊員が固定電話に出てます。

「あ、隊長。今いいですか?」

 規制線の前でスマホの電話に出てる隊長。

「ああ、構わないが・・・ なんだ?」

 オペレーションルームの上溝隊員。

「えびちゃんなんですが、今日から学校に復帰する予定だったんですが・・・ まだ学校に着いてないようなんです」

 隊長は驚きの顔になりました。

「ええ?・・・」

「たった今学校から連絡がありました」

 隊長はスマホを持ったまま考えました。橋本隊員がその隊長に質問。

「隊長、何かあったんですか?」

 隊長はすっとぼけました。

「いや~ なんでもないよ」

 隊長はスマホに、

「あ、またあとでな」

 と言うと、電話を切りました。

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