君のテレストリアルガード 27

 上溝隊員は金庫の扉を閉めました。そしてコンソールの前に行き、コンソールのタッチパネルにカードキーをタッチ。するといつもは閉じている小さなふたが開き、そこからテンキーがせり上がってきました。上溝隊員はマニュアルを見ながらテンキーを叩きます。そして振り返り、

「それでは、みなさん、起爆します」

 上溝隊員の指がエンターキーを叩きました。


 ドバーン! さきほどの古色蒼然のアパート。その2階の一角が突如大爆発。大音響が響き渡りました。

 アパート室内。横内・田村・高村が爆風で吹き飛ばされ、悲鳴をあげます。

「うぎゃーっ!」

 田村が半身起き、

「な、何があっんだ?」

 悔しがる横内。

「レーザーガンが爆発したのか? そんな仕掛けがあったなんて、くっそー! なんてこった・・・」

 高村は腰を抜かしてました。

「あ、ああ・・・」

 横内はそれを見て、

「お、おい、どうした?」

 高村は震える手である方向を指差しました。

「ん?」

 横内はその指先の方向を見ました。次の瞬間、横内も愕然としました。

「ああ・・・」

 なんとそこには、切断された山下の頭部が落ちてたのです。

「な、なんてことを・・・」

 が、次の瞬間、横内の顔はがきりっとなりました。

「おい、みんな、ずらかるぞ!」

 それを聞いて田村と高村がびっくり。

「ええ?」

「ばかやろーっ! これだけの爆発だぞ。すぐに警察が来るぞ! 決まってんだろ!」

 横内は振り返りながら、

「さあ、早く!」

 横内が玄関(というより、勝手口)のドアを開け、部屋を出ました。次に田村。田村は部屋を出る瞬間、振り返りました。

「おい、行くぞ!」

 高村はまだ室内にいました。山下の遺体を無念そうに見てました。高村がこんな感じだと田村も出るに出られません。再び声をかけました。

「そいつはもう死体だ! 死体なんかほっとけよ!」

 高村は後退りしながら、

「わ、わかったよ!」

 高村も部屋の外に出ました。


 繁華街の路地裏を走る横内・田村・高村。あたりはすでに陽が昇ってます。横内はぶつぶつ、ぶつぶつつぶやいてます。

「くそーっ、くそーっ、くそーっ・・・」

 と、そこに突然の声が。

「見ーつけた!」

 3人ははっとして立ち止まりました。3人が振り返ると、そこには中学校の制服姿の海老名隊員が立ってました。横内は思わず大声をあげました。

「なんじゃ、お前は?」

「私はテレストリアルガードの隊員よ」

「はぁ、こいつはお笑いだ! お前、ただの中坊じゃねーかよ!」

 すると高村が横内に話しかけました。

「アニキ、テレストリアルガードにはJCがいるって話を聞いたことがありますよ」

「なに?」

 海老名隊員。

「あんたたちでしょ。うちの倉見さんに単管パイプを投げたのは?」

 横内が応えます。

「ふっ、それがどうした?」

「早く自首しなさいよ。自首しないと私が痛い目に遭わすよ」

「なんだとーっ!」

 横内はいきなり海老名隊員の襟首を左手で掴み上げました。宙に浮く海老名隊員の足首。さすがの海老名隊員も、これは苦しそう。けど、海老名隊員は挑発します。

「あ~あ、また罪が増えちゃうのかな?」

「ふざけんな!」

 横内は右手を振り上げました。

「うぉーっ!」

 横内の右手の拳が海老名隊員の顔面にヒット、その寸前。

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