君のテレストリアルガード 26
クレイン号を操縦してる橋本隊員。
「あ~ 気分悪いなあ・・・ 隊長、オレたちで逮捕しません?」
「バカ言うな。これは警察の仕事だ。宇宙人が侵略に来て、オレたちテレストリアルガードを差し置いて警察が前面に出てきたら、お前、気分が悪いだろ?」
橋本隊員からの返事はありません。
「ここは警察に任せよう!」
この発言には隊長の計算がありました。海老名隊員の予言によると、テレストリアルガードの隊員の2人が同じ地球人に襲われ、2人とも頭に大きなけがを負って、2人とも数日後に死ぬことになってます。実際倉見隊員の頭に単管パイプが投げられ、現在彼は危篤状態にあります。
予言通りなら、もう1人やられる可能性大。それを防ぐために、あえて犯人と接触するなと釘を刺したのです。
けど、この忠告を聞いてない隊員がいます。当の海老名隊員です。海老名隊員の視線は定まってません。
海老名隊員は犯人を
でも、海老名隊員は犯人を思い浮かべることができません。海老名隊員は悩みに悩みました。
「くっ・・・ なんで、なんで頭の中に犯人が思い浮かんでこないの?・・・」
夜の住宅街。古色蒼然としたアパート。その前に先ほどの単管パイプや型枠支保工を満載したトラックが駐まってます。
ここはそのアパートの一室。室内も汚いの一言。壁のあちらこちらが破れてます。蜘蛛の巣も見えます。その中に横内・田村・高村・山下がいます。
横内は両手で大事そうにレーザーガンを持って、それを眺めてます。田村・高村・山下もレーザーガンをガン見してます。4人は円陣を組んでる状態。横内。
「は~ こいつはすげーよ! こいつがあれば、銀行も現金輸送車も襲撃し放題だぜ!」
田村。
「アニキ、わくわくしますねぇ! さっそく明日・・・」
横内はその田村を見て、
「まぁまぁ、そう焦るなって。最初にどこを襲うのか、これからみんなで話し合おうぜ」
山下。
「なぁ、アニキ~ オレにもそれ、見せてくださいよ~」
「ああ、いいよ」
と言うと、横内は山下にレーザーガンを渡しました。レーザーガンをもらった山下は、やはりそれを両手で大事に持ち、うっとりと眺めます。
「あは~ すごいな、こりゃ・・・」
横内はそれを見て、
「おーい、暴発させるなよ!」
「えへへ、わかってますって」
テレストリアルガード基地サブオペレーションルーム。上溝隊員が作り付けの金庫を開け、振り返りました。
「これから盗まれたレーザーガンを爆破します。万が一他のレーザーガンが爆発するといけないので、みなさんのレーザーガンをこの金庫に一時収納します」
上溝隊員の前には倉見隊員とすみれ隊員以外のテレストリアルガードの隊員が全員揃ってます。上溝隊員はその中の隊長の顔を見て、
「隊長」
「わかった」
隊長はどこからかレーザーガンを取り出し、それを上溝隊員に渡しました。上溝隊員はそのレーザーガンを金庫に収納しました。次に橋本隊員、寒川隊員、女神隊員の順にレーザーガンを受け取り、それを金庫に収納しました。なお、海老名隊員と上溝隊員自身はこの時点ではレーザーガンを所持してませんでした。
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