君のテレストリアルガード 10
隊長は海老名隊員を見て、
「お前、2週間しか休み取ってないんだろ? どう考えたって学業に支障があるだろ」
「私、どうしても隊長を守りたいんです!」
「おいおい、そこはテレストリアルガードを守るため、だろ?」
海老名隊員は、
「てへ」
と舌を出して照れ笑い。
「わかったよ。君の好きなようにしろ」
隊長のその言葉に、海老名隊員は再び歓喜。
「やったーっ!」
こうして海老名隊員の再メガヒューマノイド改造手術が始まりました。
隊長は再び4ドアセダンに乗ると、警察署へ。そこに待っていた人物は黒部すみれでした。
海老名隊員はかなり小さな身体ですが、黒部すみれの身長は160cmをはるかに越えてました。女神隊員の身体は細いですが、黒部すみれのそれはさらに細いようです。女神隊員の胸はEカップですが、黒部すみれのそれはAカップもなさそう。その点は海老名隊員と同じでした。
隊長は黒部すみれに話しかけました。
「いやあ、久しぶり。いや、初めましてかな?」
とあいさつ。けど、黒部すみれは何も反応しません。隊長は思いました。
「ふ、こりゃ、本当に脳が欠けてるな」
そして声を発しました。
「さあ、行こう!」
隊長は振り返り、歩き始めました。が、数歩歩いたところでふと何かに気づき、再び振り返りました。そこにいた黒部すみれは歩き出す気配がまったくありません。立ったままです。
「おいおい・・・」
隊長は黒部すみれの右手首を掴み、
「なあ、行こうぜ」
隊長は歩き始めました。今度は隊長と黒部すみれの身体はつながってます。黒部すみれも自然に歩き始めました。
駐車場です。隊長は4ドアセダンの運転席のドアに手をかけました。が、再び背後が気になりました。振り向くとそこに黒部すみれが佇んでました。なんでそこに立ってる? クルマに乗る気はないのか? 隊長は呆れた、という顔を見せました。
「あー・・・」
隊長は黒部すみれの手首を握り、助手席側のドアへ。そしてそのドアを開けました。
「君の席はこっちだ」
黒部すみれは隊長に促されるまま助手席に座りました。隊長はドアを閉めるとあっちの方向を見てつぶやきました。
「ふ、こいつは苦労しそうだ・・・」
4ドアセダンが走り出しました。
テレストリアルガード基地サブオペレーションルーム。引き分けの自動ドアが開き、隊長が入ってきました。
「ただいま」
隊長の後ろには黒部すみれがいました。隊長は黒部すみれの身体を自分の前に置き、発言。
「みんな、聞いてくれ。この
部屋の中には海老名隊員以外のテレストリアルガード作戦部門の隊員がすべて揃ってました。みんな黒部すみれに笑顔を見せてます。上溝隊員が代表するように、
「いらっしゃい」
とあいさつ。隊長の発言が続きます。
「みんなも知っての通り、彼女は6年前の戦争で大脳に大きなケガを負ってしまった。そのせいで感情が希薄だ。その点を考慮してやってくれ」
全員が応えます。
「はい!」
それから数分後、隊長はいつものように深夜に録画しておいたアニメ番組を見てました。女神隊員は隊長の斜め横でやはりアニメを見てます。彼女の脳みそも完全にアニメ脳になってしまったようです。なお、特徴的な単眼は、ウィッグで隠してました。
橋本隊員はノートパソコンでテレビを見ています。耳には無線イヤホンが刺さってます。テレビの中は競馬中継でした。
倉見隊員はノートパソコンでインターネットをやってます。寒川隊員は耳に無線イヤホンを刺してます。どうやらノートパソコンで音楽を聴いてるようです。
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