君のテレストリアルガード 5

 それを聞いて夫婦は顔を見合わせ、安心した見せました。隊長は言葉を続けます。

「ただ、もうあなたたちの娘でいることは不可能じゃないかな?」

 それを聞いて夫はちょっと残念な顔を見せました。

「ええ、それは覚悟してます」

 大島さんは隊長に質問。

「あの、どうします?」

「とりあえずテレストリアルガード作戦部門の隊員になってもらうか・・・」

 妻。

「メガヒューマノイドに改造するんですか?」

「ああ。うちに来るからには、それなりの装備が必要になるな。うちは宇宙人相手に戦ってるチームだからな」

「あのの右手はオリジナルのままです。姿勢制御用のエアジェットエンジンの取り付けはできないんです」

 隊長はエアジェットのメインエンジンだけで飛ぶ田村佐恵子を思い出し、

「エアジェットはメインエンジンだけでも飛べるようだし、できる範囲でメガヒューマノイドになってもらうよ」


 隊長がテレストリアルガード基地に帰ってきました。引き分けの自動ドアを開けサブオペレーションルームに入ると、海老名隊員が静かに座ってました。珍しくインターネットをやってません。隊長はそれが気になったようです。

「ただいま。ん、今日はインターネット、やってないのか?」

「はい。隊長とお話がしたいんです」

 隊長は横目でオペレーションルームを見ました。いつも上溝隊員が座ってるイスに上溝隊員はいません。隊長は座りながら、海老名隊員に質問。

「上溝は?」

「ちょっと席をはずしてもらいました」

 何かただならぬ雰囲気です。海老名隊員は言葉を続けました。

「隊長、すみれに会いましたね」

 隊長は思いました。

「ああ、ついにこいつ、すみれと会ったことに気づいたか・・・」

 次に発言。

「半分当たりってところだな。会ったのは今日じゃない」

「でも、今日の用事はすみれと関係のあることですね」

「ああ」

「すみれは1人殺しましたね」

「そこまで分かってんのか?」

「はい。

 すみれには死神がついてます。関係した人はみんな不幸になります」

 あまりにも突飛押しもない発言に、隊長は吹き出しそうになりました。

「おいおい、お前、やっぱすみれのことが嫌いなだけなんだろ」

「ふ、別に・・・ 私は事実を言っただけです。

 隊長はすみれをテレストリアルガードに入れる気ですね」

「嫌か?」

「嫌です。

 もしすみれがここに入ったら、隊長の部下が2人、何者かに殺されます」

 またもや驚愕な発言です。隊長は応答できません。海老名隊員は言葉を続けます。

「2人とも同一人物に襲われ、頭に重大なケガを負って、数日後に死にます。犯人はふつーの地球人です」

「だれとだれが死ぬんだ?」

「さあ、そこまでは・・・」

 隊長は思いました。

「こいつの予言は当たる・・・ けど、本当に本当なのか? 口から出まかせで言ってんじゃないのか?・・・」

 海老名隊員はさらに発言を続けます。

「2人死んだことで、隊長はクビになります」

「責任を取らされるてわけか?」

「いいえ。隊長は犯人を半殺しにします。その責任を取らされるんです。

 次に隊長になった人は来た早々、いきなり女神さんを拘束しようとします。けど、女神さんはそれを読んでいて、巨大化します」

「それで街を壊すのか?」

「はい。東京を・・・ いや、日本中の街を徹底的に破壊します。それでもすみれをテレストリアルガードに入れるつもりですか?」

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