君のテレストリアルガード 4
大島さんはリモコンのスイッチを押しました。
「続きを流しますよ」
テレビの中、さきほどの女子生徒は語気を荒げました。
「おい、なんだよ? 黙ってちゃわからないんだよ! ええっ!」
いきなり視点が右に大きくそれました。どうやらほおを殴られ、黒部すみれは転んでしまったようです。彼女の視点は、さきほどの女子生徒を見上げる形になってます。女子生徒はさらに黒部すみれの首根っこを思いっきり踏みつけました。
「おらおらーっ! 金を出せよ! 金を! テレストリアルガードから金を持って来いよ!」
その足首を掴む両手。黒部すみれの手です。次の瞬間、女子生徒の身体は宙を舞いました。
「うわーっ!」
視点が高くなりました。黒部すみれが立ち上がったようです。即座に倒れてる女子生徒に向かって猛ダッシュ。さきほど自分がやられたように女子生徒の首の付け根を思いっきり踏みつけました。
「ぐふっ!」
女子生徒は口から血を噴きました。
会議室。大島さんの発言。
「これでこいつ、絶命ですよ」
隊長は驚きました。
「ええ、これで?」
「実は彼女の両脚は機械化されてまして・・・」
「あは、それは知ってますよ」
「彼女の機械化された部分は、ふつーの女子の1.2倍程度の力を発揮するように調整されてましたが、何かあった場合はリミッターがはずれる仕組みになってました。このときリミッターがはずれてしまったようなんです」
「火事場のクソ力てやつか・・・」
黙って座ってた夫婦のうち、夫の方が発言しました。
「私たちがいけないのです」
隊長は横目でその夫を見て、大島さんに質問。
「さっきから気になってんだが、この2人は?」
大島さんは応えました。
「小鍋島、2人ともテレストリアルガードの技術者です」
「テレストリアルガードの技術者? 夫婦なのか?」
「ええ、その通り」
再び夫の発言。
「あの
「それであなたたちが面倒を看るようになった?」
「はい。私たちはテレストリアルガードで知り合って夫婦になりました。けど、結婚したとき、2人とも40代でした。そのせいか、子どもができませんでした。
子どもを諦めかけたころ、あの
今度は妻の発言。
「あの
「う~ん・・・ しかし、なんであのくそガキの口からテレストリアルガードて言葉が出てきたんだ?」
妻。
「私たちはテレストリアルガードという名前は一切口にしてません。すみれが言ってしまったのかも・・・」
「う~ん・・・ しかし、この映像を見る限り、正当防衛が成立するんじゃないか?・・・」
隊長は大島さんの顔を見て質問。
「今すみれはどこにいるんだ? 少年課か?」
「公安7課が預かってますよ」
「おお、公安7課か・・・
ふふ、公安7課はテレストリアルガード警察支部と言われてるところ。うまく処理してくれるはずだ、きっと」
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