赤ン坊殺しの英雄 6

 女神隊員はレーザーガンを撃ちました。女はヘルメットについてるシールドを自動的に降ろしました。光弾は女に命中。と思われた瞬間、女の身体は横にふっと移動。光弾はヒットせず、通り過ぎました。女神隊員はびっくり。

「え、なんで? 避けられた?・・・」

 女は女神隊員に向かって猛ダッシュ。途中からエアジェットエンジンを使って宙に浮き、雄叫びをあげながら突っ込んできます。

「うおーっ!」

 女神隊員はレーザーガンを乱射。けど、女はジグザグに飛び、レーザーガンの光弾すべて避けます。焦る女神隊員。

「ええ?」

 女は満面の笑み。

「ふふ、このシステム、相手が単眼でもちゃんと使える!」

 女は日本刀のような武器を振り上げました。

「バケモノ、死ねーっ!」

 ここで巨大な光弾が女神隊員の背後から飛んできて、女の首元に命中。女の身体は吹き飛ばされ、後方のブロック塀に後頭部から激突、そのままブロック塀を突き抜けました。崩壊するブロック塀。どうやらこのブロック塀は古く、鉄筋が入ってなかったようです。

 女神隊員の背後から寒川隊員が走ってきました。その手にはサブマシンガンくらいの大きさの光線銃があります。先ほどの光弾はこの銃で放ったようです。

 寒川隊員。

「大丈夫ですか、女神さん」

 女神隊員は笑顔を見せて、

「あは、ありがとう!」

 しかしです。実は女神隊員は斬られる直前にまたテレポーテーションで逃げるつもりだったので、かなり余裕があったようです。

 寒川隊員に続いて上溝隊員も駆けつけました。上溝隊員も寒川隊員と同じ武器を持っていて、今その武器を構えたところです。

「2人とも、まだ終わってないよ!」

 女神隊員と寒川隊員がその銃口の先を見ました。そこには女が突き抜け、崩壊したブロック塀があります。今崩壊したブロックが飛び散りました。女が立ち上がったのです。女のヘルメットはなくなっていて、頭からかなり出血してます。けど、眼光はかなり鋭くなってました。

「ふっ、これくらいなんともないわよ!」

 背中からエアジェットが吹き出し、女の身体が浮上し始めました。寒川隊員はそれを見て、

「ちっ、逃がすか!」

 寒川隊員と上溝隊員は女に光弾を発射。女はその光弾をひらりと交わしました。

「おおっと。

 ふふふ。そんなへなちょこ銃じゃ、絶対当たらないわよ!」

 女は3人とは逆の方向に飛び始めました。その女を追い駆ける寒川隊員。

「待てーっ!」

 それを見送る女神隊員と上溝隊員。と、女神隊員の背後から、

「ほら、また眼が丸見えになってるぞ」

 女神隊員の頭に彼女の白い帽子を載せる手が。女神隊員がはっとして振り返ると、そこには隊長が立ってました。

「ごくろうさん」

「隊長・・・」

「あとはあいつに任せよう!」

 隊長は寒川隊員が走り去った方向を見て、

「今回の案件はテレストリアルガードが扱う案件じゃないと思ってたが、どうやらそうじゃなかったようだな」


 路地沿いに飛んで逃げる女。それを追い駆ける寒川隊員。

「くっそーっ、いったいどこに逃げる気だ、あいつ?」

 寒川隊員が十字路に差し掛かりました。すると右側から橋本隊員と倉見隊員が現れました。寒川隊員は走りながら橋本隊員と倉見隊員を見て、

「あいつが犯人です!」

「ちっ!」

 3人は一緒になって走り始めました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る