赤ン坊殺しの英雄 5
女神隊員は宇宙人で単眼てところまでバレてます。けど、その単眼を写真に収めた報道カメラマンは誰もいません。だからどのマスコミも女神隊員の単眼を狙ってるのです。隊長はいつもそのことを気にしてました。でも、当の女神隊員はあまりにもカメラマンがうざったいので、そろそろ素顔を晒そうかと思ってたところ。今女神隊員は、
「もう、どこから襲ってくるのかわからないのに、なんで眼を隠さなくっちゃいけないの?・・・」
と、歯がゆく思ってました。
1号車車中。モニターを見ている海老名隊員がふと何かを感じました。
「来る!」
隊長はそれを聞いてはっとします。隊長はスマホを握り、
「全員気をつけろ! 通り魔が近くにいるぞ!」
はっとする女神隊員。2号車の2人も3号車の2人も緊張しました。
「了解!」
3機のドローンの上をさっと影が通り過ぎました。
1号車車中。ヘッドホンをしてる海老名隊員が隊長の顔を見て、
「何か音がした?・・・」
隊長もヘッドホンをしてます。
「うん。これは空を斬る音だな」
隊長はモニターを見てます。モニターにはドローンが映し出した女神隊員の姿が。けど、特に異変はありません。
「異変なし・・・」
隊長は視線を上げ、
「今の音は上からか?・・・」
隊長は目の前のパソコンのキーボードの+のキーを押しぱなしにしました。するとドローンの1機が急浮上。それに合わせ、1号車のモニターの中の女神隊員の姿がロングになりました。
と、
海老名隊員はそれを見て、驚きました。
「メ、メガヒューマノイド?・・・」
そう。影はかつて海老名隊員が1度だけまとった電子の鎧をまとってるのです。ただ、海老名隊員のそれは全身真っ赤でしたが、この影は全身真っ黒です。
女神隊員の右側は大きな更地。影は大きく右に旋回しながら高度を落とします。そして女神隊員の背後に。
隊長はスマホに、
「女神! 後ろだ! 後ろから飛んで来るぞ!」
影は日本刀のような武器を手にし、振り上げました。
「死ねーっ!」
武器を振り下ろす影。女神隊員、危ない! が、その瞬間、女神隊員の姿はふっと消えました。通り過ぎる影。そして振り向き、驚きました。
「ええっ?」
その顔は中年の女。昨日男性を襲撃した女です。その女の耳になんとも言えない不気味な音が。
「む?」
アスファルトより2mくらい上、女の眼の前に不気味な雲が出現して、その中から女神隊員が現れました。女神隊員の得意技、テレポーテーションです。女は悲鳴を上げました。
「う、うわーっ!」
女神隊員は両手で拳を作り、大きく振り上げました。
「てやーっ!」
女神隊員は体を交わしながら、女の後頭部に拳を叩き込みました。
「うぎゃーっ!」
女の身体はアスファルトに叩きつけられました。その眼の前に女神隊員がスタッと着地。殴ったときの衝撃か、帽子もウィッグも飛んでました。
3号車、橋本隊員と倉見隊員が飛び出しました。
「行くぞっ!」
「はい!」
2号車からも寒川隊員と上溝隊員が飛び出します。
「う、うう・・・」
アスファルトに叩きつけられた女が顔をあげました。
「こ、このーっ!」
次の瞬間、女の顔がひきつりました。女神隊員の不気味に光る単眼を直視してしまったのです。
「うぎゃーっ! バケモノーっ!」
女神隊員はレーザーガンを構え、
「もう、どっちがバケモノよ!」
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