魔法少女にはまだ早い 28
が、ここで、
「やめろーっ!」
の声が。なんとゲオルギウスは
「ジェニーはぼくたちの大事な友達だ。お前の好きなようにはさせないぞ!」
「こ、こいつら・・・
ふふふ、魔女を助けようとしたものは全員魔女だ。成敗してやる!」
ゲオルギウスは十字架を振り上げました。そして、
「
と気合を入れ、十字架を振り下ろしました。けど、何も起きません。再び焦るゲオルギウス。
「バ、バカな! 何が起きてるんだ?・・・」
と、ゲオルギウスの顔を影が横切りました。
「む?」
ゲオルギウスが空を見上げると、そこには鳳凰が飛んでました。その鳳凰がゲオルギウスを見て発言。
「ふっ、残念。オレが飛んでる限り、
今度はゲオルギウスのところだけ吹雪が。
「うう・・・ な、なんなんだ、これは?」
ゲオルギウスが前方を見ると、そこにに雪女ならぬ、雪少女が立ってました。雪少女だけではありません。九尾の狐、幼い狼男。ギャルぽい吸血鬼・・・ それらはジェニーに救済された妖獣や魔人でした。ジェニーの絶体絶命の危機に、モンスターまでもがここに駆け付けたのです。
雪女はゲオルギウスを指さし、
「ジェニーは私たちの恩人だ!」
今度は幼い狼男の発言。
「ジェニーお姉ちゃんがいなかったら、ボクたちは消滅していた。今こそ恩返しを!」
後退りするゲオルギウス。
「く、くそーっ・・・」
八千代刑事がガソリンスタンドの店員らしき人物に肩を借りて、みんなの前に出ました。
「お前、まだわからんのか? ジェニーは悪い魔女じゃない。みんなの友達の魔女だ! じゃなきゃ、こんなに友達が集まらんだろ!」
ゲオルギウスも反論します。
「何が友達だ! 魔女は魔女だ! WBG《ウィッチバスターグループ》のリストに載った魔女は、どんな妨害があろうと、全部潰す!」
と、ここでゲオルギウスの胸の中のスマホが鳴りました。はっとするゲオルギウス。
「な、なんだ、こんなときに?・・・
ま、待てよ。この呼び出し音はEU法王庁の・・・」
ゲオルギウスは慌ててスマホに出ました。
「もしもし・・・」
「ゲオルギウスよ、私だ」
ゲオルギウスは唖然。
「こ、この声は、法王様?・・・」
ここはEU法王庁の建物内。法王様が固定電話に出ています。その背後には少女の姿があります。金髪の少女。年齢はジェニーとほぼ同じでしょうか。
法王様は受話器に向かって、
「ジェニーの名はWBG《ウィッチバスターグループ》のリストから削除した。すぐ帰国するんだ」
スマホを握るゲオルギウス。その顔は苦虫をかみつぶしたような顔です。
「く・・・」
ゲオルギウスはそのままグーンと飛びあがりました。ゲオルギウスの姿はあっという間に青い空に消えました。それを見てみんな大喜び。大歓声が起きました。
「やったーっ!」
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