魔法少女にはまだ早い 27
香川さんはあらためて発言しました。
「君は小学生だ。小学生なら小学生らしく、学業に専念しないと」
「私は空を飛びたいんですよ。空を飛ぶためにたくさんの苦しい手術を受けてきたんです。なんで今更・・・
じゃ、いつになったら飛んでいいんですか?」
「18歳」
「ええ~ また18? 私、18歳になったら香川さんと結婚して、香川さんの赤ちゃんを産むんですよ。そのうえで空を飛ぶんですか?」
「ふふ、ステキな18歳じゃないか」
「私、嫌です。もっと早く飛びたい!」
「じゃ、テレストリアルガードに入って、思いっきり点数を稼ぐことだな。テレストリアルガードの隊長に認められたら、案外早く空を飛べるかも」
「あは、そうですか。私、がんばります!」
少女は明るい顔で即答しました。それを聞いて香川さんはちょっと笑いました。
いよいよパトロール魔女ジェニーが始まりました。前回の話をちょっとリフレイン。
「死ねーっ!」
前回はここで終了してます。いつものOP曲が始まりました。少女も香川さんも言葉がありません。液晶画面に釘付けです。
OP曲が終わり本編に戻ると、いきなり叫ぶ声が。
「やめろーっ!」
それはジェニーの相棒の八千代刑事でした。
「あんたの国じゃ、死刑は廃止になってんだろ! なんだよ、これは? 相手は小学生だろ!」
「ふふ、何を言うかと思えば・・・ 人権は人に与えられるもの。魔女に人権はない! 魔女は発見次第処刑する。それが我々WBG《ウィッチバスターグループ》だ!」
「ちっ!」
八千代刑事は拳銃を抜きました。本気で撃つ気です。
実は魔法課で使用してる拳銃は対妖魔拳銃。銃口を向けた者が人間か動物だったら銃身に埋め込まれたコインが赤に、妖魔や妖怪、妖獣だった場合は青になります。前者だった場合は
今コインは青になってました。八千代刑事はそれを見て、
「なんだ、こいつ? 妖魔じゃないか!」
八千代刑事は
バキューン! 銃弾がゲオルギウスの顔面を狙います。
「ふん!」
ゲオルギウスが十字架を横に振ると、銃弾は地面に落ちてしまいました。驚く八千代刑事。
「ええ?」
ゲオルギウスは今度は八千代刑事に向かって十字架を振り下ろしました。
「えいっ!」
すると上空から
「うぐぁっ!」
「ふ、たわいない」
と言うと、ゲオルギウスは振り返りました。けど、そこにあるはずのジェニーの身体がありません。かわりに地面に2本の線がレールのように刻まれてました。
「うう?」
ゲオルギウスが顔をあげ2本の線を眼で追うと、なんと1人の少女がジェニーの背後から両脇に手を入れ、ジェニーの身体をゲオルギウスとは正反対の方向に引きずってました。2本の線はジェニーのかかとが付けたものでした。
ちなみに、この少女、ジェニーに命を救われたというのに、ジェニーをクラスから孤立させてしまった張本人宮松優姫です。いまだにジェニーと和解してません。
ゲオルギウスは怒り心頭です。
「おのれーっ! お前も魔女か?」
ゲオルギウスは十字架を振り上げました。
「お前にも
「きゃーっ!」
雷鳴。それを聞いただけで宮松優姫は恐怖のあまり、へたり込んでしまいました。
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