魔法少女にはまだ早い 18

 香川さんと出縄さんが並んで歩き始めました。香川さんが話しかけました。

「ふふ、よく来てくれたな」

「本当はもっと早く来たかったんだが、何分たった今披露したマジックは、夜だと目立って目立ってしょうがないもんでね」

「ふ、それで早朝に来たってわけか」


 少女の病室です。少女は目覚めてるようです。ちなみに、このとき少女の義手義足はついてました。服装はタンクトップに短パンです。

 ドアが開き、香川さんが入ってきました。少女はガバッと半身起き、

「か、香川さん、どこに行ってたんですか?」

 と、少女は香川さんの背後にいる出縄さんに気づきました。

「え、その人は?」

 香川さんが応えました。

「ごめん。今はちょっと言えないんだ」

 出縄さんは少女を見て驚きました。

「お、おい、こんな幼い女の子がメガヒューマノイド1号なのか?」

「ほかに被験者がいなかったんだよ」

 出縄さんは少女の無骨な腕、とくに指を見て、

「そ、そうなのか・・・

 じゃ、さっそく始めるか」

 出縄さんは長細い金属の棒を取り出しました。センサー棒です。出縄さんは少女に近づき、

「横になってごらん」

「はい」

 少女はベッドに仰向けになりました。出縄さんは香川さんを見て、

「ちょっと見ててくれないか」

「ああ」

 出縄さんは少女のアゴの上、数センチ離れたところにセンサー棒をセット。そのまま腹の方にセンサー棒をゆっくりとスライドさせていきます。

「こうやってこのセンサー棒をゆっくりとスライドさせて欲しいんだ」

 香川さんは応えます。

「OK!」

 出縄さんはイスに座りました。先ほどのアタッシュケースの中身はノートパソコンでした。出縄さんはそのモニターを見ながら、

「じゃ、始めてくれ」

「了解」

 香川さんは先ほど出縄さんがやった通り、センサー棒を少女の身体の上でゆっくりとスライドさせました。出縄さんはノートパソコンのモニターを凝視して、

「う~ん・・・」

 香川さんが質問。

「どうなんだ?」

「あんたの言う通りだ。爆弾が仕掛けられているな、胸に・・・」

 それを聞いて少女は驚きました。

「ええ・・・」

 出縄さんは少女を見て、

「今すぐこの爆弾を除去しないと、いつ爆発するのかわからんぞ!」

 香川さんが口を挟みます。

「いや、手術はできないな、今は。大神あいつに気づかれないように爆弾を解除しないと・・・ 他に何かいい方法はないのか?」

「う~ん、爆弾を解除するコードがあるはずなんだが・・・ そいつは8ケタの英数字なんだ。何か解読するいいヒントがあればいいんだが・・・」

 そのとき少女の脳裏にある英数字が浮かび、それをそのまんま口にしました。

「A390261Z」

 それを聞いて出縄さんはびっくり。

「ええ?」

 香川さんはすぐに少女が超能力を発動したとわかりました。けど、少女の超能力は第3者に知られたくない事柄。香川さんは慌てて、

「大神が何度かその英数字をつぶやいてたらしいぞ。あまりにもつぶやくもんだから、そのが覚えてしまったようだ」

「ええ、ホントか? もしそれが本当だったら、その大神てやつ、そうとうマヌケだぞ。

 う~ん、ちょっと試してみるか・・・

 香川、さっきの棒を胸の上にセットしてくれないか」

「わかった」

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