魔法少女にはまだ早い 10

 ついにジェニーと八千代刑事は敵アジトを発見。乗り込みます。が、2代目妖魔組合ギルドの首領は今までの妖魔とは比べ物にならないほどの強さ。いつものように仮面の少女も応援に駆け付けますが、彼女も苦戦します。

 首領が放った強烈な魔法が炸裂。少女の仮面が割れます。謎の少女の正体は見附可織でした。さらに、

「この身体じゃ、勝負にならないのよね」

 と言うと、身体全体が光り、身長170cmの長身に。なんと彼女の正体は、死んだはずの毒島カレンだったのです。毒島カレンはリリス。リリスの魔法の前に敵首領はあっけなく倒れてしまいました。

「毒島さん、生きてたんですか?」

「ふふ、ごめんね。EU教皇庁にある妖魔サーチャーを避けるために子どもになって、魔力を小さくさせていたの」

「魔法課に戻ってきてください。お願いします!」

「残念だけど、妖魔サーチャーはまた私の存在をキャッチしたはず。私がここにいるとあなたたちにまた迷惑がかかると思う」

 と言うと、毒島カレンは消滅。どうやらどこかにテレポーテーションしたようです。


 これを見てた病室の少女は大変感激しました。しかしです。いつものようにエンディング曲が終わると、この回だけはCパートと呼ばれる10秒ほどの映像がありました。

 ここは空港。日本に降り立ったヨーロッパ系の屈強の男。どうやら宗教家のようです。

 ここで既放送分が終了。なんとも意味深な終わり方です。少女は次の回は何がなんでもリアルタイムで見ると固く決意しました。

 なお、香川さんも一緒にジェニーを見てました。香川さんは一度見たにもかかわらず、熱中して見ていました。


 いよいよ少女に両手両脚が取り付けられる日がやって来ました。ここは少女の病室。ベッドの上、少女はタンクトップにきわめて短い短パン姿。両手両脚の欠損部分にはマウントと呼ばれる金属プレートが取り付けられてました。

 メガネの男性が義足を持ちました。

「じゃ、行くよ」

 この男性はテレストリアルガードヒューマノイド開発部門主幹、大神恭介。年齢は50代前半て感じでしょうか。研究者らしく、白衣を着てます。

 大神さんはまずは左脚を取りつけ、続けて右脚、左腕、右腕を取り付けました。取り付け方は簡単。義手・義足の接合面をマウントに押し当て、約45度廻すだけ。カチッと音がしたら取り付け完了。2分もしないうちに両手、両足がついてしまいました。

「はい終了」

「あは、案外簡単に付くんですね」

 少女は義手の指を見ました。指の関節がすべて剥き出しで、骨のようにも見えます。見る人が見たら不気味。けど、少女は気に入ったようです。

「あは、かっこいい!」

 ちなみに、手首、ひじ、ひざ、足首、足の指など間接部分も、すべて剥き出しになってました。

 香川さんがテレビのリモコンを持って、少女に向けました。

「テレビはつけられるかな?」

 少女はそのリモコンを受け取りました。

「やってみます」

 まずは電源スイッチ。香川さんはわざと上下逆さまにリモコンを渡してました。少女はなんら躊躇することなくリモコンの上下を逆にして電源スイッチを入れました。するとテレビがつきました。少女は歓喜の顔を見せました。

「あは、ついた! テレビがついた!」

 少女はおもしろがって、次々とチャンネルを変えました。大神さんはそれを見て、

「どうやら手の方は大丈夫そうだな。じゃ次は脚を試してみようか」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る