神の国を侵略した龍 19

 ヘロン号が旋回。コックピットの橋本隊員が横目で怪獣を追いながら、

「くっそーっ! ガトリング砲も効かないのかよ?」

 そのヘロン号を怪獣が眼で追ってます。

「よーく狙って撃てば、絶対当たるはず!」

 怪獣がまたもや火焔を吐きました。それをきりもみ回転で避けるヘロン号。その瞬間橋本隊員が得意顔を見せました。

「おっとーっ! その程度の火焔じゃ、絶対当たらないぜーっ!」

「そこだ!」

 怪獣は火焔を吐いたまま、首を少し振りました。ヘロン号の目の前に火焔が。橋本隊員も倉見隊員も、顔が恐怖でひきつりました。

「うわっ!」

 ヘロン号が空中で大爆発。その直後、2つの落下傘が降りてきました。橋本隊員と倉見隊員です。橋本隊員は悔しがってます。

「くそ・・・」

 怪獣は振り向き、ストーク号をにらみました。それを見て寒川隊員と上溝隊員はびびりました。

「ええ~!」

 怪獣はニヤっとしました。

「次はお前だ」

「に、認識ステルス機能発動!」

 寒川隊員は叫びました。と言っても、かなりうわずった叫びですが。次の瞬間ストーク号は消滅しました。

 怪獣は口に炎を溜めながら、

「ふっ、またへんちくりんな魔法を使いやがって! これでどうだ!」

 怪獣は空中で火焔を吐きながら、巨大な身体を360度回転させました。途中火焔が何かにヒットし、爆発。そこからストーク号が現れ、火を噴きながら墜落していきます。コックピットでは寒川隊員も上溝隊員も気を失ってます。

 この光景を橋本隊員が見ています。その橋本隊員ですが、針葉樹のかなり高いところに落下傘が引っかかってしまい、宙づりになってました。

「ああ、やばい・・・」

 が、ここで1つの巨大な人影が現れました。その人影が燃え盛るストーク号を上下から両手で挟み込むようにキャッチ。その人影は巨大化した女神隊員でした。橋本隊員は喜びました。

「おお、あいつ、来たか!」

 女神隊員はそのまま湖まで走り、ストーク号を湖面につけ、ストーク号を消火。女神隊員がここでつぶやきました。

「ふーっ、間に合った・・・」

 女神隊員がストーク号を湖畔に置くと、横からの視線を感じました。女神隊員が振り向くと、怪獣が自分をにらんでました。

「ふふ、ついに来たか。

 女神よ、私はお前を殺す。神に殺された仲間の恨みを晴らしてやる!」

 女神隊員も怪獣をにらみ、心の中でつぶやきました。

「あいつには光線技は一切効かない。となると、残る手は・・・」

 怪獣が軽く火焔を吐きました。女神隊員はそれを軽く交わしました。怪獣は再び火焔を吐き、女神隊員は再び交わしました。怪獣は思いました。

「ふふ、ここじゃ、ブレスは有効打にはならないか・・・ ま、自分で選んだ場所だ。できる範囲でお前をぶっ倒してやる!」

 怪獣は翼をはためかせました。そして浮上し、女神隊員に突っ込んでいきます。女神隊員はぶつかる寸前、さっと横に避けました。通り過ぎた怪獣は、直後口の中で炎を溜めます。

「ここで決める!」

 怪獣は振り向きざま火焔を吐きました。

「死ねーっ!」

 が、そこには女神隊員はいません。怪獣は焦りました。

「ええ?・・・」

 女神隊員は怪獣の上で大きくジャンプしてました。その手には剣が握られています。女神隊員は剣を下にして墜ちてきました。

「てやーっ!」

 そして・・・

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