宇宙人受難之碑 14

 ブサメンは大声で、

「おい、誰だよ? 誰がいるんだよ? 出て来いよ!」

 すると突然テレビがパッとつきました。

「うわっ!」

 ブサメンは大急ぎで座布団をかぶって丸くなりました。

「じょ、冗談じゃねーよ! なんなんだよ、これ?」

 ふつーの人間だったら一目散に部屋の外に逃げるてパターンですが、このブサメンはほぼ引き籠り状態。外に逃げるという選択肢がないようです。

 ブサメンは頭に載せた座布団をそうとどかしました。そしてあたりを見回しましたが、特に異常は起きてないようです。

「ど、どうしよう・・・

 そうだ!」

 ブサメンはパソコンであの巨大掲示板に入りました。

「オカルト板、オカルト板・・・」

 ブサメンはキーボードに文字を打ちました。

「誰か助けてください。今オレの部屋の中に誰かいるみたいなんです。死神かもしれません・・・

 誰か、何かいい方法を教えてくれよ・・・」

 けど、返ってくるレスは、

「メンヘラ発見wwwww」

「はいはい かまってちゃん かまってちゃん」

そんな文字ばかり。ブサメンはそれを見て、

「おーい、誰か真面目に応えてくれよ! 頼むからさ~・・・」

 と、焦るばかり。

 次の瞬間、ブサメンは気づいてしまいました。ブサメンの顔のすぐ横に何か得体の知れないものが浮いてるのです。

「えっ?・・・」

 ブサメンは恐る恐るその方向に顔を向けました。そこには黒いフードを目深に被った男の頭部がありました。

「うぎゃーっ!」

 ブサメンはザリガニのように高速で後ずさりしました。

「な、なんなんだよ、こいつは!」

 黒装束の男が自分のフードに手を掛けました。そしてフードを取ると・・・ なんとその顔は一つ眼のドクロだったのです。

「うぎゃ~!」

 ついにブサメンは部屋を飛び出しました。


「助けてくれーっ!」

 ブサメンは超特急でアパートの外階段を降ります。と、階段の裏から突如鎌が現れました。その鎌がブサメンの足を引っかけます。

「う?」

 ブサメンの身体は思いっきり宙を舞いました。

「うわーっ!」

 落下するブサメン。その目にものすごいスピードで地面(コンクリート)が近づいてきます。

「や、やめろーっ!」

 ふつーの人間だったら本能的に手で顔を防ぐのですが、ほぼ引き籠り状態のブサメンにそんな反射神経は持ち合わせてません。

 ブサメンの身体はまるでシャチホコのようになり、顔面からコンクリートに叩きつけられました。その瞬間スイカが潰れるようなグシャッという音が。ワンテンポ置いて、宙に浮いてたブサメンの脚がゆっくりと地面に落ちました。

 この凄惨な光景を誰かが見てたようです。けたたましい悲鳴と、

「おい、救急車だ! 救急車!」

 の声が。ブサメンの顔から血が噴き出してるようで、彼の頭部はあっという間に血の海に沈んで行きました。

 ここはテレストリアルガード基地サブオペレーションルーム。今引き分けの自動ドアが開き、海老名隊員が入ってきました。

「ただいま~」

 隊長はテーブルに座って、ノートパソコンでインターネットをやってました。隊長は顔を上げ、

「おかえり~」

「あ、隊長、それ、私のパソコン!」

「いいだろ、たまには。

 どうやら今夜決行するようだな。一応50人くらい来ると言ってるが、まぁやつらのことだ。来たとしてもせいぜい10人くらいだろうな・・・」

「私も行きたいなあ」

「だめ」

「ええ~ どうして?」

「お前、まだJCだろ」

「え~」

「今回は人の生き死に係わるミッションだ。JCが参加しちゃいけない作戦なんだ。18歳未満は参加禁止だ」

「え~ また18ですかぁ?・・・」

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