宇宙人受難之碑 15
月明かりがまぶしい夜です。ここは山間部にある小さな駅。どうやら無人駅のようです。現在列車が停車してます。今列車が発車しました。ほぼ同じタイミングで駅舎から3人の男と1人の女が出てきました。それを2人の男と1人の女が出迎えました。
「みなさん、どうも」
「初めまして。どうもどうも」
7人がそれぞれあいさつしました。その中の1人、列車組の男の1人が発言しました。
「しかし、すんごいところにありますなあ、ここ。電車が2時間に1本しかないなんて」
それを出迎え組のリーダー格の男が、
「いや~ ここは電車じゃないですよ。まだ電化されてませんから」
なんかかみ合ってない会話をしています。と、出迎え組の女の子の1人が、列車組の男の1人が持ってきたプラスチック製の四角いケースに注目しました。
「それは?」
「ふふ、これは・・・」
男はそのケースを開けました。それは充電式インパクトドライバーでした。
「ジャーン! インパクトドライバーですよ。これで石碑をぶっ壊すんです!」
それを見て出迎え組の別の男が、
「ダメダメダメっ! そんなものじゃ、石碑は壊れないって! こっちに来て!」
男は道端に駐めてあるクルマの後部に行きました。1.5ボックスタイプのクルマです。どうやら彼の愛車のようです。男はハッチバックを開けました。そこには巨大なハンマーや巨大なバールがあります。それを見て一同が感嘆な声をあげました。
「おお~っ!」
その中でも特にすごいのは、巨大なハンドブレーカー。男はそのハンドブレーカーを抱え上げました。
「これくらいないと石碑は壊せませんよ!」
列車組の最初に口を開いた男が、そのハンドブレーカーに撫でるように触れ、
「こりゃあすごいですねぇ。あなた、解体屋?」
「いや~ 親父が解体工なんですよ。今日は借りてきました!」
「こいつぁ頼もしいですなあ! じゃ、行きますか!」
7人が2台のクルマに分乗して出発しました。1台はこの1.5ボックスのクルマ。もう1台は白い軽自動車です。
2台のクルマが山道を走ってます。2車線ですが、かなりきれいに整備された道です。
そしてここは先頭を走る軽自動車の車内。助手席には列車組で最初に口を開いた男が、運転席には待ち受け組で最初に口を開いた男が座ってます。助手席の男が発言しました。
「ずいぶんと立派な道ですねぇ」
運転している男の返答です。
「これ、石碑を設置するためだけに作った道なんですよ。あんなキモいエイリアンのために税金をジャブジャブ使うなんて、最低ですよ」
「ダメだなあ、日本政府は・・・ こんなものを作る金があるんなら、戦闘機やミサイルをもっともっと作ればいいのに」
「石碑は絶対破壊しないといけないですねぇ」
「ところで今日、50人来るって話だったけど?」
「まあ、この手のオフ会の参加人数は、だいたいこんなものですよ」
ここで後部座席に座ってた女の子が口を挟みました。
「それなんですが、噂では例の写真をネットに上げた人が、今朝死んだみたいなんです。それにびびって、たくさんの人が回避したみたいなんです」
運転席と助手席の男2人は、それを聞いてびっくり。
「ええ~?」
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