橋本隊員奪還作戦 6
ちなみに、今の女神隊員の様子ですが、首から下はテレストリアルガードの隊員服ですが、頭にはヘルメットや帽子はありません。前髪のウィッグだけが特徴的な単眼を隠してました。
なお、この部屋にいる香川隊長も上溝隊員も寒川隊員も隊員服を着ています。倉見隊員はこの部屋にはいないようです。
香川隊長は備え付けのモニターでアニメを見てましたが、ちょっと気になり、女神隊員と上溝隊員を見ました。
「おいおい、フォークとナイフでいいんじゃないのか?」
女神隊員は笑顔で反論しました。
「あは、少しでもこの国の文化に触れたいんですよ」
「ふっ、そっか。あんたも大変だなあ・・・」
と、隊長の左手のバンテージ型の無線機が振動し始めました。隊長はその無線機を見ました。
「ん?」
隊長は手元の固定電話の受話器を取り、電話のボタンを1つ押しました。
「はい」
電話の向こうは中学校の保健室の海老名隊員です。
「隊長、海老名です! 大変です! たった今橋本さんが拉致られました!」
隊長は何か応えようとしましたが、なかなかいい返答が思い浮かびません。取りあえず、
「そっか」
とそっけなく言って、電話を切りました。で、おもむろに座ってるイスを回転させ、振り返りました。
「あ~ みんな、聞いてくれ」
その声に女神隊員も上溝隊員も寒川隊員も隊長を見て緊張しました。
「実は今連絡があってな。橋本が拉致られたそうだ」
「ええ!」
その発言を聞いて上溝隊員と寒川隊員がびっくり。が、女神隊員は特に反応してないようです。
「みんなの意見を聞きたいなあ。どうする?」
隊長は寒川隊員を見て、
「お前は?」
「橋本さんは辞めてるとはいえ、もともとうちにいた隊員です。それにいろいろと機密事項を知ってます。犯人はきっとあの国です。捨て置けません!」
隊長は次に上溝隊員を見て、
「お前は?」
「私も同じ意見です」
隊長は今度は女神隊員を見ました。
「あんたは?」
女神隊員は一瞬答えに窮しました。橋本、今女神隊員が地球上でもっとも逢いたくない人物です。助けに行く気なんてさらさらありません。女神隊員は「嫌です」と言いたくって言いたくってしょうがないのです。
けど、「嫌です」と応えたらテレストリアルガードの職を失う可能性があります。そうなると警察に連行され、何をされるのかわかりません。ここはみんなと意見を合わせないといけないのです。
女神隊員はきっぱりと応えました。
「私も同じ意見です」
「そっか」
隊長は女神隊員の気持ちを察しました。が、隊長も救出に気が向いたようです。隊長はさっと立ち上がり、
「よし、行くか!」
外は抜けるような青空です。今カマボコ型の格納庫の1つからストーク号が出てきました。
そのストーク号のコックピット。前章と同じように隊長と寒川隊員が並んで座ってます。その背後には前回にはなかった補助席があります。今そのイスには女神隊員が座ってます。今の女神隊員はフルフェイスのヘルメットをかぶってます。巷で噂されてるヘルメットレディの姿になってるのです。
フルフェイスのヘルメットで顔色は見えないのですが、女神隊員は何か複雑なことを考えてるようです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます