橋本隊員奪還作戦 5
トイレから出てきた橋本さんは、パチンコ屋の中央の通路を駆け抜けていきます。
「ちっ、こんなところで襲ってくんのかよ?」
橋本さんは出入り口に辿り着きました。橋本さんは走ってきた勢いのまま扉を押し開けようとしました。が、開きません。
「な、なんだ? 開かないぞ?」
橋本さんはふと振り返りました。そして気づいてしまいました。パチンコを打ってる客が1人もいないのです。パチンコ屋独特のチンジャラという音も聞こえてこないし、有線も聴こえてきません。ともかくシーンとしてるのです。月曜日の午前中とはいえ、これはいくらなんでも不自然です。
「客がいない? いったいどーなってんだ!?」
突然四方八方から白い煙が上がりました。橋本さんは鼻を押さえ、身を低くしました。
「くそーっ・・・」
どうやら催眠ガスのようです。橋本さんはそのまま倒れ込んでしまいました。
ここは中学校の教室。今は授業中です。授業を受けている生徒の中に海老名隊員の姿があります。いつもはテレストリアルガード作戦部門の隊員の海老名隊員も、教室の中では1人の女子中学生です。まともに授業を受けてます。
が、海老名隊員はふと強烈な何かを感じました。すぐに、すぐに香川隊長に連絡しないと・・・ で、突然手を挙げました。
「先生、すみません!」
男子教師が海老名隊員に振り向き、
「ん、どうした? また貧血か?」
「はい」
いや、どう見ても顔の血色はいいのですが。
「しょうがないなあ・・・ 保健室に行ってこい」
教師のその発言を聞くと、海老名隊員は、
「すみません」
と言って立ち上がり、ドアに向かって歩き始めました。
「えびちゃん、大丈夫?」
女子生徒の1人が海老名隊員に話しかけました。えびちゃんとは海老名隊員の愛称です。海老名隊員は微笑みながら、その女子生徒を見て、
「あは、大丈夫、大丈夫」
と、明るい笑顔を見せました。これで仮病とバレないんだから、不思議ですよねぇ・・・
海老名隊員はドアの外に出ていきました。ちなみに、先生は海老名隊員がテレストリアルガードの隊員だと知ってます。一方、生徒は誰1人知らないようです。
廊下に出た海老名隊員はとっとっとっと走り、あるドアを開けました。保健室のドアです。保健室の中では30代前半の女性の養護教諭(保健室の先生)が机に座ってBL系の雑誌を読んでました。が、突然海老名隊員が入ってきたものでびっくり。
「ええっ?
だめでしょ、いきなりドア開けちゃ!」
「す、すみません。ちょっと連絡させてください!」
海老名隊員はベッドに腰掛ました。
「しょうがないわねぇ・・・」
保健室の先生はベッドの周りのカーテンをビシッと閉めました。実はこの先生も海老名隊員の正体を知ってました。
ここはテレストリアルガード基地サブオペレーションルーム。女神隊員が仕出し弁当を食べています。右手で箸を持ってるんですが、その手の右横にもう1つ箸を持った右手があります。その手は上溝隊員のものです。上溝隊員は女神隊員の真後ろから手を伸ばして箸の使い方を教えてるのです。
「そうそう、こうして・・・」
「あは、難しいですねぇ・・・」
実は女神隊員は今、箸の使い方以上に気になってるものがあります。それは上溝隊員の胸。上溝隊員の胸が背内にビタッと張り付いてるのです。ともかく上溝隊員の胸は巨大です。これじゃ女性である女神隊員も気になって気になって仕方がありません。女神隊員は心の中で苦笑いをしてました。
「あはは・・・」
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