05 続く逃走劇



 続く逃走劇。

 しかし、魔物の方が足が早かった。


 もう、追いつかれる。

 そう思ったとき。


 幼馴染(馬鹿)が足をとめて、百狼を迎え撃つ。


「こうなったら、イチかバチかだ。うりゃあああっ!」


 正面衝突で幼馴染(馬鹿)は哀れ木っ端みじんになるかと思いきや、ギリギリでそれを回避して、白狼の鼻に剣を突き立てた。


 弱点に攻撃された白狼が動きをとめる。


 なるほど、鼻をつぶして、匂いで追跡されないようにしたのか。


 痛みに悶えている白狼の視界から外れるようにして、身を低くし、僕達は遠くへ移動する。


 幼馴染(馬鹿)は馬鹿なのに、一応考えているようだ。


 勉強はからっきしだけど、こういう悪知恵がよく働くんだよな。


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