04 なんだかんだで



 当然出てきた特異型の魔物。

 こういった存在は、プロの退治屋や騎士などでも手を焼くような存在だ。


 自己流で鍛えただけの調子こいてるガキが敵うわけがない。


 追いすがってくる特異型の白狼が、こちらにめがけて突進。


 逃げる僕達は間一髪よける。


 白狼がぶつかった木が、バリバリ音をたてて倒れていった。


「うわぁ」


 あんなのに吹き飛ばされたら、全身もれなくミンチだ。


 絶対に出会ってはいけない魔物と遭遇してしまっているようだ。


「ヨルン、私達を置いて逃げて。私達の責任だわ!」

「俺達が戦って時間を稼いでるうちに誰かを呼んできてくれ!」


 はぁ、それが出来たら最初からやってるよ。


 迷惑かけられてばっかだけど、なんだかんだいってこいつらの面倒を見てくるのは嫌な事ばっかりじゃなかったからな。


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