第3話
高校二年の修学旅行で同室の女子たちと深夜まで恋話をしていたら、茶髪のクラスメートが彼氏とのエッチをやたら自慢するので私はレベルの低さに飽きていた。たかだか3回の愛撫も少なそうなエッチを自慢されても、ちゃんちゃら可笑しい。だから問う。
「良すぎてアハンって言ったことある?」
「きゃははは♪ アハンなんて実際には言わないよ。奥田さん、処女でしょ?」
「ううん、経験あるよ、いっぱい」
「彼氏いたんだ?」
「まあね」
「ホントに? エア彼じゃなく?」
失礼にも疑ってくる。でも、中学が同じ真衣ちゃんが証言してくれる。
「美香ちゃんには彼氏いるよ。ってか、中学でもよくキスしてて先生に怒られてた。放課後に速攻で帰るのもエッチのためらしいし」
「へぇぇ……意外、奥田さんって地味というか…えっと、目立たない方なのに」
私は茶髪にもしないしスカート丈も改造しないから、そういう印象を持たれるのはわかる。でも、地味は言い過ぎ。ちょっとイメチェンしてやろう。
「私はイカせてもらうと、アハンって自然に喘ぐよ」
「ふーーん……演技で?」
「自然にだよ、感じてくると最初はンッンッくらいになるよね?」
「そりゃね」
「より感じるとアンッアンッってなっちゃう。私の場合、正常位でじっくり動かれて同時に腋を舐められるとイキまくってアンアン言う」
「へぇ………」
「美香ちゃんのエロ話は濃すぎてついていけないよ。足の指、彼氏に吸われて喘ぐらしいし」
「足の指は、又になってるところをペロペロされるとパンツ濡れてビショビショになるし。でも最高の最高に感じるのはバック。四つん這いになってパンパンされるの。彼に腰を掴んでもらって突かれると喘ぎすぎて声が枯れてくる。枕でも噛めば喘ぎ声は我慢できるけど、我慢しないでアンアン言う方が私も気持ちいいし、彼も喜ぶし。お姉ちゃんが隣の部屋にいるときも前半は静かにやるけど、つい後半は喘ぐよ。だって四つん這いから崩れて寝バックになるとイク波が、周期のある波から、津波になるもん」
「津波……?」
「快感の水位そのものがあがってイキっぱなしになる。寝バックの状態になる前にお腹の下に枕とクッションを重ねて置くと、私の腰から力が抜けてもお尻だけはあげてられるよね。その状態で突かれるとね、クッションの反発力で私の腰も上がり下がりしてアハンアハンどころか、アッハーぁっ~ァーーンぅぅぅぅ! ってなるの。大袈裟な演技じゃなくてお腹の底から声が突き上げてきて、大きな口あけるし、舌とか突き出してる。この一声の間に5回はイッてる上、波じゃなくて津波。で、快感すぎて、その後は呼吸が何十秒も止まるし、止まってる間もイキ続けるしハァハァ息して背中は汗でびっしょり、その背筋を下から上に舐められると全身の細胞がイクよ。さらに耳の穴に舌を入れられると脳全体がヌチュヌチュされてるみたいになって、うつ伏せ寝の腋に背後から舌を這わされると、またアッハーぁっ~ァーーンぅぅぅぅ♪ 快感の無限ループ。終わったら私のヨダレと汗、潮でシミできてる。これくらいのシミが複数」
と私は直径45センチくらいの円を手でつくって見せた。
「ふーん………ずいぶんヤリまくりなんだね。中出しも余裕?」
「ううん、それは1回もない」
「ふふん♪ 私、3回のうち2回は中出しされたよ」
「えぇぇ……それ自慢するとこ? あ、でも私も……ちょっと前にあったかな」
「中出しだったの?」
「寝バックで50分くらい奥の奥まで突かれてたらコンドームが途中で破れてたみたいで、とうとう本当のセックスになっちゃったね、って。あのとき気持ちよすぎて、この世に生まれてきて良かったぁ、って心底想った。きゃはっ♪」
「…あはは…奥田さんの印象かわったよ……その領域には私はちょっと無理かな」
「田中さんも100回くらいエッチすればわかるよ」
「それもう修業ね。帰宅部というかエロ部の部活」
「うん」
ずっと顔を赤くして聴いていた真衣ちゃんが心配そうに言ってくる。
「美香ちゃんと田中さん、大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、1回くらい」
「うん、2回くらい大丈夫なはず」
私と田中さんの甘い認識と希望的観測は二人ともが旅館の朝食に出たアジフライを吐いたことで、重い認識と現実的課題に激変した。
つわり………
妊娠してた。
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