第2話

 初めて彼の手でパンツを脱がされた日のことはいい想い出。

 高校一年の夏はエッチしてばかりだった。

 でも冬になると、だんだん欲求不満になってる。

 ママも彼のお母さんも年末調整とやらでパートが少なくて、いつも家にいるからエッチできない。さすがにママやお母さんがおられる家の二階で私がアハンアハン言うわけにいかないし。

「寒いな」

「うん、でも、こうしてると暖かい♪」

 公園の遊具の中で彼と抱き合う。外は寒いけどコンクリート製の遊具の中は風を遮ってくれるし、トンネルみたいな構造だから他人からの視線も誤魔化せる。

 キスしてるうちに盛り上がって。

 私は制服スカートは穿いたまま、パンツを脱いだ。

「こういうときスカートって便利だね」

「あ、やばい。ゴムが無いかも。補給するの忘れた」

「………」

 私はそんなこともあろうかと、念のために持ってる。でも、女の子から用意周到に出すのは、ちょっと恥ずかしい。私がポケットからコンドームを出すべきか迷ってると彼が残念そうに言う。

「ごめん、美香、ゴムを忘れたから今は無理だよ」

「……。え~……私、もう、こんなに濡れてるのに?」

 つい拗ねた演技をしてみたくなる。

「私、イきたいよぉ」

「だから、ごめん。指を入れて腋舐めでイく?」

「この寒い中で腋を出すのは、ちょっと」

 結局、おっぱいより腋の方が感じる女になっております。しかも自分で寒いと言いつつ舐められたくなって、ボタンを外して右腋を露出するように胸元を開いた。そこに彼の顔が入ってくる。

「きゃん♪」

 彼の頬は冷たいのに、舌は熱いくらい温かい。そのギャップも感じる。

「んっ……んっ……あんっ………あはんっ…腋だけでイっちゃうかも」

「ハァ…ハァ…」

「息苦しくない?」

「ちょっとな」

 彼は私の制服の中へ顔を入れてるから息苦しそう。そして私も腋の手前だけじゃなくて奥まで、全体を舐められたくて、袖から腕を抜いた。寒いけど、もうドキドキして寒くない。片方脱ぎになった私は大きく腕をあげる。腋を丸見せ、でもブラジャーは外してないからギリギリセーフなはず。しかも遊具には手頃な手すりがあって握ると腕をあげたままでいるのも楽。半固定されるから余計感じるし。イかせてもらって、それからコンドームを出して、また遊具の手すりが役に立った。ここでエッチするのいいかも。

 と新発見をして彼に家まで送ってもらい、ママとお姉ちゃんに迎えられた。

 とても冷たい顔で。

 ママが言う。

「美香、あなた、公園で藤村くんと変なことしてない?」

「……してないよ」

 とぼけたのにお姉ちゃんが証拠写真をつきつけてくる。遊具の中でイチャイチャしてる写真だった。大学を出て信用金庫に勤めてるお姉ちゃんが言う。

「盛りのついた猫みたいに。やめてよね、ご近所での顔もあるのよ」

「……ごめん……なるべく見られないよう公園に人がいないときにしてるよ」

 近所の公園は小さいので一目で全体が見える。トイレもない小さな小さな公園。ママが言う。

「すでに、ご近所から苦情がきてるわ。子供が遊べなくて困ってるって」

「うぅ……」

 人がいないのは私と彼がいるから避けてくれてたんだ。

「痛いっ?!」

 お姉ちゃんが両手で私のコメカミをグリグリする。

「痛い、痛い! わかったよ、わかったから!」

「「まったく…」」

「……」

 仕方ない、ママが一階にいても、これからは部屋でエッチしよ。

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