第5話 脱出ゲーム④
校舎の三階には他に誰もいなかった為、渡り廊下で体育館へ。ここの体育館は1、2階が講堂、3階が道場になっているようです。
正面玄関から遠い場所なので鍵がある可能性は高めですね。
鬼にも鍵の場所は教えられていません。視聴者にとってはギャンブルでもあるので鬼が有利過ぎると賭ける人が減少しますから。
道場の入口前まで来るとまた中から物音が…、“パンっパンっ”と連続で叩くような音…ひょっとして、
戸を少しだけ開け中を覗く。
「いやっ!やめてっ!!」
「抵抗すんな、おらっ!」
「どうして…、こんな…」
「どうせ、ここで死ぬんだ。ヤれるうちにヤらないと、な!」
予想通り畳の上で男女が性行に勤しんでます、会話を聞くに強姦のようですが、
男性はNo.15『七三眼鏡』、女性はNo.9『メスパンダ』。
恐怖で錯乱した七三眼鏡さんがメスパンダさんを襲ったというところでしょう。
皆さんの想像以上に、デスゲーム中の性行は多いです。
未遂も含めるとかなりの割合、強姦だけでなく和姦もあります。死の危険を感じると生物の子孫を残そうとする本能により性欲が高まるとか。吊り橋効果の上位互換ですね、私は効果感じませんが。
さて、どうしましょうか…、これはこれで撮れ高になるのですよね。私自身はエロNGですが、他がヤる分には止めません。ですが長々ヤられても困りますし……、後背位で勢いよくパンパン!ヤってますのでフィニッシュは近いでしょう…多分。
私はゆっくり戸を開き、気配を消して近づく。
「イくっ!」
「っ!?やっ、いやっ!!」
フィニッシュのようですね。私自身経験ないので当てずっぽうで言いましたが絶好の…いえ、絶頂のタイミングで殺れそうです。
「うっ……はぁ、はぁ」
「イきましたか?では次は私が入れてあげますよ」
「へ…?」
ズボンがずり落ち丸出しになっているお尻の肛門を狙ってナイフをぶっ刺す。
「い:@pごuqp!??」
「声にならない程気持ち良いですか?」
さらにナイフをグリグリしながら上下に出し入れ……止めましょう、私のような乙女には下品過ぎます。
ナイフを抜くとバタリと倒れ、肛門を抑えながら痙攣する七三眼鏡さん。このままでも出血多量で死ぬと思いますが少し時間かかるでしょう、まぁ楽しんだ分苦しめばいいですね。
メスパンダさんに視線を向けると、何が起こったか理解できてないご様子。
どうしましょうかね…。女性の虐殺はさっきやりましたし…、でもただ殺すのも撮れ高的に微妙。この状況を活かすには……。ここは助けたふりをして一度安心させ、クリアを手伝うようなことを言って希望を持たせてから、サクっと殺すのが栄えそうですね。
「酷い目に合いましたね、大丈…ん」
気配を感じ振り向くと拳銃を持つ体育教師が立っていました。
「どけ」
銃口を向けてきたので、指示に従い射線場から外れる。引き金がひかれ弾丸がメスパンダさんの額を撃ち抜き、悲鳴をあげる間もなく絶命。
体育教師はさらに未だピクピク痙攣している七三眼鏡さんの頭にも一発。
私の獲物なのに…、
「横取りするなんて先生ひど~い」
「誰が先生だ、殺すぞ」
ノリの悪い人ですねぇ。
「唯撃ち殺すだけではサポチャや撮れ高ボーナスを貰えませんよ」
「それ以上に殺るから問題ねぇよ」
鬼役は仕事なので当然賃金が発生します。
日給で少し貰えますが、主は殺した人数での歩合制です。それにプラス、名指サポチャの8割。撮れ高が一番多い者には特別報酬があります。
単発で見れば唯殺しまくる方が稼げますが、運営が重宝するのは撮れ高を作れる人材、長期的に見れば殺し方を拘る方が稼げると私は考えます。まぁ、命の危険がありますのでどちらが正解とは言えませんがね。
「何人
「ここ以外で5人だ」
「私は他で3人」
「用務員が1人は殺ってるから、残りは多くて5人か」
開始からまだ30分ほどしか経っていない。ちょっと殺るペースが早いですね。
「どこで5人を?」
「校舎一階だ。用務員に襲われて考え無しに正面玄関に来た連中をな」
「ハメ戦法クサいですね」
「ずっと待ち構えてるわけじゃないんだ、問題ねぇだろ」
「初期配置はどこだったんですか?私は校舎屋上でした」
「俺は講堂だ」
鬼の初期配置は校舎屋上、校舎二階、体育館一階。そうなると鍵は……、
鍵の配置場所を推測していると“ピンポンパンポーン!”と校内放送が流れる。
『只今ロックが一つ解除された。繰り返す、ロックが一つ解除された。尚現在生き残っている参加者は4人』
「一つ開けられましたね」
「ああ、だが4人ということは用務員がもう一人殺ったか」
殺しのペースは早いですが、ここで一つ解除されたなら展開的には悪くありません。
参加者のクリアが絶望的ではギャンブルとしては面白く有りませんから。理想は二つ開いてクリア寸前で生き残りを全滅させる展開です、もちろんヤラせ無しで。
「俺はもう一度正面玄関へ行く」
「分かりました。ですがその前に一つ、どこかで鍵を見ましたか?」
「いや、見てねぇ。だが講堂内はゴチャゴチャしてたから探したらあるのかもな」
「ゴチャゴチャとは?」
「鉄棒やら平均台やら大量においてあったんだ」
障害物が多いということは参加者が鬼から逃げる為のサービスゾーンでしょう。
「そうですか…。ひとまず私は体育館の屋上に行ってみます。鍵か有る可能性が高いと思うので」
「……あぁ、正面玄関から一番遠いからか」
この廃校は結構広いので、鍵の隠し方は複雑ではないはず。配置された部屋に入れば直ぐ分かるようになっているでしょう。
ですので有るとしたら参加者が行きたくない場所か意表を突く場所。
私の予想では、体育館屋上と参加者が最初にいた校舎二階が可能性高いかな。
「俺はもう行くぞ」
「先生気を付けてね~」
「…はぁ、ほんとイカれたJKだな」
心配してあげてるのに失礼な人ですね。
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