第635話 久しぶりにやって来た3

現在の俺達は、まずは海織との合流のため電車移動中である。車内は空いている方だ。湯の山線の方が人が乗っていたかもしれない。俺達はロングシートの車内で1人が広く席を取る感じで座っている。うん。車内が空いているのでね。ゆとりある移動です。

それから少しして俺達を乗せた近鉄四日市駅09時41分発の津新町行きの普通電車は定刻通り走りまして、楠駅で海織と合流したのだった。うん、ちゃんと海織さんぴったりの乗車位置。俺達4人が居る所の一番近いドアのところに立っていたのだった。ホントこの海織の勘というか――うん。ドンピシャのすごさよ。うん。


その後海織と無事に合流した後はそのまま同じ電車で1駅移動しまして――09時54分長太ノ浦駅へと俺達は到着し。到着後は歩いて長太の大楠へと向かったのだった。うん、長太ノ浦駅でも次の箕田駅でも駅から歩くのは同じなので――どちらでも良かったのだが。まあ今日は長太ノ浦駅が採用されました。


――――。


そして今。長太の大楠へと到着して――柊と斎宮さんが追いかけっこしている現在である。


「うわっ!?危ないだろうが」

「落とす。変な事言ったから落とす」

「ちょちょちょちょ。楓!」

「何でこっちに助けを求めるのか――」


少し前に無事に長太の大楠に到着した俺達。うん。天気が良かったのでちょっと暑いくらいだったが――まあいい運動をしてきました。まあ話していればあっという間だったしね。ってか、いつの間にか柊と斎宮さんの背中が小さくなっている。うん。元気な2人は農道?かな?そこで追いかけっこをまだしていたのだった。どこまで行くんだろうね?うん。そのまま家まで帰るのだろうか……まあそれはないだろうが。かなり距離ありますからね。

すると、先ほどまで大楠の根元。案内板?紹介板?説明?うーん。とりあえず看板と大楠を見ていた海織と七菜が俺のところへと移動してきた。


「ここ気持ちいですね。周りに家とか建物がなくて一面畑ですから風が気持ちいです」


両手を伸ばしつつ七菜が言う。うん、確かに立っていると風があって気持ちいんだよな、走ると暑いだろうが……。


「それは良かった――って、海織。ホントギリギリってか。俺だけ用意が出来てない状況になりかけたんですが……?」

「あの――私もギリギリです」

「ごめんって言ったじゃん。楓君。昨日の深夜に楓君にはメッセージを送ったつもりだったんだけど。何故か遅れてなくて。ふと朝みんなにも連絡していたら再送信してくださいだったからね。うん。まさかだったよ」

「まあそういうことはあるかと思うけど――って、柊たちが海織なら俺の家に居ると思って来たのがすごいわ。2人がこっち来なかったら――俺は七菜が来るまで気が付かなかったか」

「あっ。そうなるんですかね?でもそうですね。私も宮町先輩からメッセージ来ているのを知って――どうしよう?って思っていたら、斎宮先輩と白塚先輩の声が聞こえて――外を覗いたら捕まりましたから」

「まあ結果として、沙夜ちゃんと白塚君のファインプレーだね」

「——ファインプレーうん。勘違いが普通に起こっているのを何とかした方がいい気もしなくはないが……まあ無理か」

「無理だね」

「加茂先輩も、もう宮町先輩と住んでいるの認めているようなもんですね。って、知り合ってすぐくらいから私も宮町先輩は常に加茂先輩の部屋に居ると思ってましたけどね。朝ご飯とかに普通に宮町先輩居ましたし。まあそれもあって、私の一人暮らし何とか始まったんですけどねー」


そういえばそうだな。七菜が隣に来て――料理がー!とか騒いでいる時既に海織は俺のところに居るのが当たり前だったから――うん。かなり前からいろいろな勘違いというか。うん。今思うといろいろ起こっていたらしい。


「つまり。私が楓君ところに居る事はみんなにとっても良いってことだね」

「——えっ?そうまとまるの?」

「まあ、まとまるというか。宮町先輩と加茂先輩が夫婦ですからねー」

「後輩にいじられている気がしますが……海織のご意見は?」

「うん?良いんじゃない?」

「——いいのか」

「ちょっと七菜ちゃんがいじってきたら――妹みたいにかわいがるから」

「——あれ?私身の危険!?」

「七菜ちゃんまた泊りに行くねー」

「——加茂先輩!?」


うん。このやり取りも――もうよくあることですね。海織も七菜好きだからね。うんうん。


「まあ七菜のところに海織が出かけている時は俺平和と」

「あっ、加茂先輩が逃げた」

「七菜ちゃんと楓君も仲良しだよねー」


そういえば俺達3人大楠の近くでなんか話しながらのんびりしているが――何していたんだっけ?と俺がふと思うと――同じく七菜も思ったらしく。


「ってか。斎宮先輩はなんで白塚先輩を追いかけてるんでしたっけ?」

「あっ。七菜ちゃん聞きたい?」


七菜がそんなことをふと言うと――何故か待っていました!という感じで海織が反応したのだった。うん。何で海織が知っているんでしょうね。不思議―。

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