第634話 久しぶりにやって来た2

柊や斎宮さんが俺の家へと来て少し。室内から着信音が聞こえてたため俺が一度室内へと戻り電話に出てみると――相手は海織でした。はい。俺正解。

内容は――「楓君。ごめん昨日の夜メッセージ送ったつもりだったんだけど。送れてなかった。昨日ママから『お菓子もらったからー』って、私のところに荷物来たんだけど。量があるからみんなで食べようと思ってね。深夜だったから楓君以外には朝連絡してたんだけど。そういえば楓君から返事ないな?と思ってみたら送れてなかった。ってことで、楓君も今日は暇だよね?」とか言う内容でした。うん。俺の予定は何故に把握されているのか謎ですね。あと、俺には24時間いつでも連絡していいとこのお方思ってますね。まあ――いいけど。でもへんじが遅くなるので文句は言わないでほしいですね。夜は寝たいし。うん。


ってことで、海織からの連絡を受けた俺は今、柊や斎宮さんが来たこと。七菜もなんか部屋から出て来て、斎宮さんに抱きつかれていることを伝えると――「あれ?沙夜ちゃんに私の家って――言ったと思ったんだけど――言い忘れたかな?あれ?楓君ところって言っちゃったかな?」と海織がぶつぶつ言っていたが――俺的には多分勘違いというか――みんな勝手に海織は俺の家に居ると思っている。ということを伝えると。


「もう。楓君そんなに私に一緒に居てほしいの?ニヤニヤ」


という謎なことを言われまして……うん。俺的には。海織が俺の部屋で日々生活しているから。みんなの認識がおかしくなっているということを言いたかったのだが……ちょっとおかしな方向になってしまいました。通じませんでしたね。海織を朝からニヤニヤさせただけでした。

ということがあってから「これ――どうするの?」と、俺が確認すると、どうやら結構な量のお菓子ということで、運ぶのは大変と海織が言っていたため、俺達の方がこの後の電車で海織のところへと行くことになったのだった。


ちなみに、俺が電話中柊はいつの間にか俺の部屋で座り寛いでおり――斎宮さんは七菜とともに七菜の部屋の前でスキンシップをしていましたとさ。うん。みんな自由な行動をしていました。って柊、人の家の冷蔵庫から勝手に飲み物を出して飲まないこと。


それから柊と斎宮さんが海織の言う「私の家」を何故か俺の部屋と思いやって来てから数十分後。俺と柊、斎宮さん。七菜の4人は伊勢川島駅に居た。

ちなみにあの後一番大変だったのは七菜だと思う。うん。めっちゃ部屋着。出かける準備なんてなかったのに出かけることになりまして――。


「七菜ちゃん、着替え手伝ってあげようか?」

「いりませんよ!?」

「見ていていい?」

「嫌ですよ!?」


なんか謎なやりとりを斎宮さんとしている声が――と思ったら。


「七菜ちゃん俺なんか手伝うことある?」

「「おまわりさーん」」

「2人でハモるなよ」

「いや、ガチでおまわりさんです」

「冗談だって。七菜ちゃんの声が怖い」

「七菜ちゃん。ちょっと柊の教育してくるから」


うん。斎宮さんと七菜がなんか言い合いをしていると思ったら――何故かそこに柊が入り――うん。何で入っちゃったかな?揉めるの必須だよね?七菜が許可するとでも柊は思ったのだろうか――まあその後の事を簡単に言っておくと、柊が斎宮さんに絞められていましたとさ。そして七菜は部屋へと戻りバタバタ準備――って、俺もバタバタしていたんだがね。出かけるとか俺も予定になかったんで。ワタワタ準備ですよ。


そんなことがあり駅へとやって来た俺達。すると駅に到着して少しして、伊勢川島駅09時21分発の近鉄四日市行き普通電車が見えてきたのだった。その後駅へとやって電車に俺達は乗りこみ。その車内でだ。あれから海織とどうやらメッセージのやり取りをしていた斎宮さんと七菜。そんな2人から聞こえてきていた会話——「まだ時間が早いからどこか出かけてもいいよね」「でも今日は休日ですよ?混んでませんか?」「うーん、海織ちゃんどこかいいところ知ってないかな?」などと言う感じで話が進んでおり。どうなるんだろうか――と柊とともに会話には入らず様子を見ていると――「いいね。そこなら空いてるだろうし。今日は天気も良いし。七菜ちゃん見たことないなら見ておいた方がいいよ。間近だとすごいから」「そうなんですか?」何か話が決まったらしい――と思っていたら、すぐに斎宮さんがぼーっと車窓や2人の様子を見ていた俺と柊に向かって話しかけてきた。


「今から楠駅で海織ちゃんと合流して、そのまま大楠見に行こうだって」

「「……」」


そんなことを言ってきたのだった。うん。まあショッピングセンターとかだと休日なので混んでいるだろうが――そこは混んでないな。だったが。まさかの候補がそこか。という気持ちがあった俺だった。まあ久しぶりだからちょっとした散歩には良いかだったのだがね。


「あっ。楓くん楓くん」

「はい?」


すると斎宮さんが再度俺に声をかけて来た。


「海織ちゃんが四日市出る時に連絡頂戴って」

「了解です。多分この電車だと――41分の電車になると思うけど」

「おお。さすが楓君。即答」


まあそんなこんなで移動中の車内で決まった本日の予定。それからの事を言うと、俺達は定刻通り近鉄四日市駅に09時30分に着きまして、乗り換えの時間が10分ほどあったため。構内のコンビニを見たりして時間つぶし……からの近鉄四日市駅09時41分発の津新町行きの普通電車に乗ったのだった。

ちなみに斎宮さんに先ほど言われた通り。俺は電車に乗ってすぐ海織に今から四日市を出たことを連絡したのだった。まあ海織からの返事は「もう駅に居るから大丈夫。何両目に乗った?」だったんだがね。早いよ。うん。行動が早い海織さんでした。

なので俺は1両目に乗ったことを再度連絡していると――電車は伊勢志摩方面特急が発車したすぐ後に定刻通り近鉄四日市駅を発車したのだった。

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