第600話 同級生と妹ちゃんとの休日2
「それはビックリさせたいからでしょ!」
はい。確か今は――菰野駅を電車が発車したところだったはずなのだが――なんで斎宮さんの声が俺には聞こえてくるんでしょうかね。まあ多分反応的に七菜にも聞こえているとは思うが――。
答え――隣の車両から斎宮さんがキャリーケースを引っ張りながら移動してきて――俺たちの横に今座ったからです。はい。
「あれ?楓くんに七菜ちゃんがフリーズした?あっ。もしかして。浮気中の現場見られて混乱中?わぁお。写真写真」
「……いや、違いますね」
「違いますよ」
呆れつつ答える俺と七菜って――なんでしょうね。この状況。
「違うの?」
「何を言っているのか。って。斎宮さん何してるの?」
「えっ?用事終わって、暇だったし。柊遊びに行ってていないし。あっ。そうだ。明日3人で海織ちゃんところに朝から行くんだから七菜ちゃんところ遊びに行こう。そしたら晩ご飯を楓くんが作ってくれるかも!ってことで荷物まとめて、出てきたら――わぁお。浮気現場発見!ってね。ナイスタイミングだよ」
「……ちなみに斎宮さん何か海織から聞いてます?」
「うん。楓くんと七菜ちゃんが多分大学に居て――夜は一緒にご飯食べるんじゃない?って」
裏で何かをしている。していたのは海織で決定のようです。
「加茂先輩。なんか私たちの情報漏れてません?」
「七菜。海織相手だとこういうことはよくあるから。お気をつけて」
「マジですかー」
「マジです。まあつまり斎宮さんは――海織に聞いてやって来たと」
「そうそう。そしたらさ、ちょうど駅に来た電車に2人乗ってるじゃん!ってね。で、楓くん。本日の晩ご飯は?」
「未定ですね」
「えー」
「いや、何もなく手ですね」
「あっ。ちなみに私のところもないもありません」
「必要ない情報だと思うけど私のところも何もなーし。出かける前だからね。無駄なもの買ってなかったし。最悪柊のところ行けばいいし」
はい。冷蔵庫空っぽ3人組が集合しました。って――これはこの後買い物になるのかな?なるよね?
「まあ先輩。とりあえず。スーパー寄って帰りましょう。何かあるかもです」
「総菜があると楽だなー」
「あー、ですね。即食べれますしね」
「夜は長いからね。お菓子も必要だよ。うんうん」
「斎宮さんは修学旅行?」
「遠足ですかね?」
「遠足って泊まりだった?」
「ありませんでしたっけ?」
「社会見学的な?」
「そうですそうです」
「ちょっとちょっとなんか私がお泊り楽しみにしてるガキみたいなんですけど」
「「——」」
「二人がそうでしょ?って顔で見てきたー」
はい。車内でちょっと斎宮さんが騒いでますが――はい。静かにさせないとですかね。って――この後超大変そうです。俺が少し頭を抱えていると――隣では七菜が何か思い出したようです。
「あっ!そういえば斎宮先輩は私の部屋止まるんでしたっけ?」
「うん。泊まる泊まるー」
「——片付けないと」
「大丈夫大丈夫。七菜ちゃんが散らかしてても楓くんに言うくらいだからさ」
「加茂先輩。私家に帰ったら部屋の片付けをパパっとするので、斎宮先輩捕まえておいてください」
「難しい注文だな」
「七菜ちゃん私手伝うよ?うん。泊めさせてもらうからねー」
「大丈夫です」
うん。この後――どうなるんですかね。はい。そんな話をしていたら電車は16時56分伊勢川島駅へと到着したのだった。
ちなみに――伊勢川島駅へと到着する直前に海織からメッセージが再度あったので――一応報告しておこうか。
『夜にまた連絡するねー』
らしいです。はい。なんか嫌な予感しか感じないメッセージが届いたのだった。うん。電車から降りたら気持ちいい風が吹いていたのに――どうしても嫌な未来しか予想できない俺だった。まあとりあえず――お買い物みたいなので、俺達3人はその後スーパーへと向かったのだった。
――――。
スーパーへと到着後は、俺がカゴを持ってその前を斎宮さん七菜が歩きまして、店内で2人が商品のチェックを開始したのだった。うん。今はお肉売り場ですね。総菜コーナーへ行くと言っていた気がするのですが――肉食べたいのかな?この2人即肉売り場に足が向いていたのだった。
「あっ、そういえば宮町先輩がバーベキューする?みたいなこと言ってましたよね」
「うん?あー、そういえば言ってたかも。まあ海織のところならできるからね」
海織のところ庭が広かったからね。などと俺が思っていると。隣から声が聞こえてきた。
「あっ。楓くん楓くん。七菜ちゃんも。手羽元めっちゃ入ってるパックが安くなってる」
斎宮さんがお肉コーナーの隅っこで値引きになっている商品を見つつ俺達を呼んでいた。
「斎宮さんはそれで何を作れとご命令でしょうか?って――総菜コーナーにたどり着かないんですが――」
「何ができるかな?七菜ちゃん何かある?」
「えっ?手羽元――加茂先輩?」
「早いな回って来るまで」
「あっ。楓くん」
「うん?」
「CMとかで言ってるあれ作って」
「あれ?」
「ほらほら、酢?かなんかのCMでさ、さっぱり煮?とか柔らかそうなの作ってるじゃん。あれ食べたいなー」
はい注文入りまーす。じゃないんだから。と俺は思いつつも。斎宮さんが言っている料理が頭の中には浮かんでいたので――。
「——あー、はいはい。わかりました――って今から?」
うん。さらっとOKを出してしまう俺だった――何をしているのか俺。と、言ってから思っても遅い事か。
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