第587話 お寝惚け電車3

はい。この後お出かけが決まった俺の部屋です。

現在はまだ海織とお話し中ですね。晩ご飯には――たどり着いてないです。


「なんというか――うん。面白そうと言えば面白そうなことですが。そんなにずっと電車乗っているほど終夜運転と言えど電車走ってるのかな?」

「まあまあちょっと普段は感じれない雰囲気を楽しみに行こうよ」

「まあ――はい。予定もないのでお供しますよ」

「よし。決まり。じゃ、準備と――晩ご飯だね」

「ちなみに晩ご飯俺は何も考えてないのですが――と何があるのかの把握も――という状況です」

「えー、私が来たのにないの?」


いやいや海織よ。いきなり何で!?という感じでびっくりされてもですね。まあ演技しているというのはすぐにわかりましたが……。


「……突然来て晩ご飯が作ってあると思っていたの?」

「楓君だからね。そろそろ私が来るとか察知してくれると思っていたんだけど――まだまだ楓君のレベルは低かったみたいだね。レベルアップが必要だね」

「レベルアップって――育成でもされるのだろうか」

「あっ、それ面白そうだね。楓君育成計画」

「やめましょう」

「えー。楓君が言い出したんだよ?」

「忘れてください。それに察知能力を得れる。使えるのは海織だけかと」

「楓君もできると思うけどなー。まあじゃあ、とりあえずある物で私が何か作ってあげよう!楓君の家の物なら把握してるからね。そしてその後は、ぶらぶら電車乗りまくりの年末年始にしよう!」

「——俺の家の物を把握している海織。という時点でやっぱりおかしいような――」

「ほらほら、楓君は準備準備私は食べたらすぐ出れるよ?」

「……了解です」


それから俺はお出かけの準備です。海織は晩ご飯作りへと入りました「何があるかなー」そんな声が後ろから聞こえてきている。って、まあ準備というのは、ちょっとカバンに荷物を入れてですね。ってか。寒さ対策は必要だよな。この家に来た海織もコートやマフラー付けていたし。などと、この家に来た時の海織の様子などを思い出しつつ俺が準備をしていると――いい香りがしてきたのだった。


「楓君もうすぐできるよ」

「こっちも準備できたから大丈夫」


俺が洗面所に居ると海織の声がしたためリビングへと戻ると――。


「あー、そういえば伊勢うどんは買ってあったわ。なんかお正月だから食べたくなるかな?って買ったんだった」


テーブルの上を見て俺は冷蔵庫の中身をちょっとだけ思い出したのだった。


「冷蔵庫見てみたら、伊勢うどんあるじゃんってことで、シンプルに伊勢うどんにしたよ」

「問題なしです。ありがとうございます」

「本当は鰹節とか欲しいけど――」

「あー、それはないかも。七味唐辛子はあると思うけど――」

「まあシンプルに食べようか」

「ですね」


それから俺と海織はテレビを見つつ――この時間になればテレビは年末の雰囲気がプンプンしていた。うん。テレビはいつもお通りの年末という感じだった。

俺の部屋はというと――お出かけの雰囲気ですからね。まあ今までも無くはなかったが――遠出はなかったと思うのでね。ちょっと今までにはなかった雰囲気です。


伊勢うどん完食後。俺が片付けをしていると。海織が出発準備をしていた。そしてこちらの片付け終了後。俺もコートなどを準備して――。


「そうそう海織。とりあえずどちらに向かうの?」

「とりあえず伊勢方面に行きやすそうだったから。伊勢方面にまず向かって――」

「お参りはしないと」

「そうそう。今日は電車乗りがメインだからね。でねー、伊勢に向かってから――大阪か京都に向かえないかなー。って、深夜の長距離移動楽しそうじゃない?」

「なんかすごいルートが出てきたな。それはちょっと予想してなかった」

「ってことで、楓君調べて調べて」

「——今から調べて乗るのね」


晩ご飯後。出発かと思っていたら。違いました。

って、それもそうか。今の時間に出発してもまだ普通のダイヤ。普段と変わりませんからね。海織は終夜運転の電車に乗りに行くと言っていたので、出発はもう少し先か。などと俺が思っていると――。


「まだ時間は大丈夫だよ。だから楓君調べる調べる」

「了解です。確かに今動いても終夜運転ではないからね」

「そういう事」


それから俺は終夜運転について調べることに、海織は隣で楽しそうにこちらを見ています。ちなみに終夜運転に関しては、持っている時刻表ではわからないためネットで知らべることに、スマホを操作して――終夜運転のダイヤを出してくる。


「えっと……あったあった。ちなみに湯の山線は終夜運転ないみたいだから。いつも通りの最終が出るまでに四日市までは出ないとかな」

「あっ。なら楓君楓君」

「はい?」

「せっかくなら名古屋まで出て伊勢方面の電車乗ろうよ。確か00時ちょうど発とかあったよね?」

「……今日の海織はテンション高め――いや、思い切ったことをポンポン出してくるか」

「終夜運転は今日だけだからね。せっかくなら。だよ」

「まあ――新年の時に走っている電車はね。この1日だけだけど――なんか長距離移動過ぎて、寝て移動になりそうな気がするけど」

「まあまあそれもありだよ」

「ありなのだろうか――って。えっとそれだと時間はね。名古屋に向かうとなると――」


俺は一度スマホを置いて、近鉄名古屋駅から逆に時刻を見てくる。近鉄名古屋駅に日付が変わる前。最終付近の電車は――ということで、出てきた電車は。


「伊勢川島駅22時54分発がいいかな?これに乗って行けば四日市で名古屋行きの急行に乗れて23時40分くらいに名古屋に居るけど――?」

「いいねいいね、多分特急は乗れるよね?」

「どうだろう?乗ったことないからね。でも満席とか――あるのかな?」

「まあその時はその時でまた考えようか。とりあえず――もうしばらく家でのんびりだね」

「なんか遅くなればなるほど海織のテンションが上がりそう」

「そうそう私夜行性だから」

「——初耳のような……」


楽しそうな海織を見つつ俺は出発までまだ時間があったので、再度時刻表で時刻の確認などをしていたのだった。


まもなく出発です。

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