第510話 休日の後輩2

現在海織がこのあとお出かけをする。ということで俺の家の洗面所に籠っている。


俺はというと。海織のご指令通り。机の上に時刻表を出して――電車の時間を見ている。って――どこ行くのか聞いてないんですが……と俺が思っていると。


「—―あっ。楓君。平田町までねー」


ナイスタイミングというか。洗面所の方から海織の声が聞こえてきた。


「……ショッピングセンターですか」

「そういうことー。沙夜ちゃんがね。他の子たちと行くからって誘ってくれたんだ。買い物行こうって」

「なるほど、だから、斎宮さんとね」


先ほどの海織の言葉に納得しつつ時刻表を見る俺だった。いや、達って言うのがね。ちょっと引っかかっていたというか。そりゃ海織は俺以上というか。俺なんて足下に及ばないほどのご友人を持っているので――まあ、よく出かけているのは知っていたが。話しているところ。というか。まあ決めているところはあまり見たことが無かったのでね。斎宮さん達。ということをちょっと新鮮な感じで思っていた俺だった。


そうそうちなみに現在の時間は10時17分って――時刻表を見ると、ちょうど今伊勢川島駅を電車が出たところだった。ってまあ30分くらい後と海織は言っていたから……と俺は次の電車を見る。次の電車は、伊勢川島駅10時51分だ。ってか、斎宮さんの方は――と思っていると。


♪♪


次は俺のスマホが鳴った。画面を確認してみると――。


「おはよー、楓くん。今日海織ちゃん借りるねー。あっ、もしかして今生着替え中?きゃーきゃー。あっ、楓くん。海織ちゃんが乗りそうな電車私に教えてー。私はもう準備出来てるからー。今出ろ!ってのでも。大丈夫だから」

「……テンション高いというか。何を言っているのだが――」


メッセージは斎宮さんからだった。

ってか。ホント思うが――このお2人。話合わせてませんかね。タイミングが良すぎるというか。俺がタイミングよく思うのか――うん。聞くという前に向こうから言ってくるいう。などと俺は思いつつ――。


「川島駅51分の電車。菰野駅40分の電車はどうでしょうか?ちなみに海織は普通に洗面所に籠り。30分で準備すると今頑張っています」


そんな返事をすると――。


♪♪


「楓くん楓くん。そこは覗いて海織ちゃんを乱さないと」

「……」


また謎な返事が来たのだった。うん。何で遅刻させようとしているのだろうか――と俺が思っていると。もしかしたらスマホの音が海織にも届いたみたいで……。


「楓君?沙夜ちゃんと話してる?」

「—―勘がよろしいことで」


洗面所の方から早々と準備が出来たのか。海織が――ってそもそも海織。普段から綺麗ですからね。うん。そんな大掛かりなことは何も――ってか。ホント何度でも言うが――タイミングがいいというか。何でわかるのかな?と俺が思いつつつぶやくと――。


「で、沙夜ちゃんは何分の電車乗るって?」

「向こうは準備出来ているから、海織が乗る電車を――って言ってるけど。まあ向こうの方が早く電車が来るから――伝えるなら早めにの方がいいかと」

「了解了解。もう準備出来るから。楓君次の電車は何分?」

「川島51分。菰野は40分ですね。ちなみに今は33分」

「じゃ沙夜ちゃんに40分!って送っておいてー」


海織がバタバタしつつそんなことを言った。そして着替えを開始って――

準備が早いのはいい事だと思うが。出来ればですね――いきなり着替えだすのはやめてほしいですが――ってなんかこんなことを俺少し前に思わなかったか?うん?まあいいか。とりあえず、俺が反対を見ればいいだけですね。はい。ということで反対を見てから。俺は斎宮さんにメッセージを送っておいた。


♪♪


斎宮さんからの返事はすぐに来て――。


「了解!海織ちゃん準備早いねー。って私の方がギリギリじゃん。じゃ、出ます!」


そんなメッセージが斎宮さんから届いた。まあそうなりますよね。時間的には斎宮さんもう出てないと――という時間なので。ちょっと大変だったかな?と俺は思いつつ。


「お気をつけて」


斎宮さんに再度返事をすると――この時で時間は35分。うん。やっぱり斎宮さんの方が大変だな。と思っていると。


「じゃ、行ってきまーす」

「……びっくりするくらい。早い」


うん。気が付いたら海織玄関に居ました。

おでかけ準備完璧。という感じで――はい。出発見たいです。俺は――一応お見送りということで玄関へと移動して。


「勝手な噂は流さないように」

「楓君。それは流して来いって言うフラグ?ニヤニヤ」

「……乗り遅れますね」

「大丈夫大丈夫。51分だよね」

「……まあ、うん。斎宮さんが間に合ったか。だけどね」

「まあ乗ってなかったら、四日市で待ってるよ」

「忙しいおでかけなことで」

「急だったからね。じゃ、行ってきまーす」


海織はそう言うとドアを開けて外へ。すると――。


「あっ、宮町先輩」


外から姿はわからないが。声でわかった。うん。七菜の声が聞こえてきた。たまたま外に居たのか。と俺が思っていると。


「おはよう。七菜ちゃん。あっ。七菜ちゃん。私今から沙夜ちゃんと出かけるから。楓君自由に使っていいよ?」

「—―はい?」

「いやいや、海織!?」


うん。何を言っているのかな?と思いつつ俺はとりあえず室内から反論しつつ、外を見ると――。


「あっ、加茂先輩もおはようございます」

「あ、うん。おはよう」

「ってことで、楓君。七菜ちゃん行ってくるねー」

「「……行ってらっしゃい?」」


うーん。これもハモったというのだろうか。何が起こった?という感じの2人。

はてなマークを浮かべつつの海織のお見送りとなったのだった。


とりあえず海織の姿が見えなくなるまで見送っていると――ってか単にいろいろ適当なことを言って出て行くな。と思っていたら、動けなかったというね。すると――。


「先輩。今のは何ですか?」

「さあ――?」


七菜が不思議そうに聞いてきたので俺はとりあえずそう答えておいた。


はい。海織は無事に出発しました。残された2人は――どうなるのか。

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