第511話 休日の後輩3

海織が斎宮さんたちと――多分女子会。うん。女子会――だよね?まあどんなグループかは、そこまで気にしないというか。うん、自由ですからね。とりあえず、海織は出かけました。


そして今は……玄関のところに俺と七菜が――まあ残されてという感じですね。海織が出発間際になんか言っていったのでね。

さて、この後どうなるか。と俺が思っていると――。


「ってか、宮町先輩。元気ですね。昨日も動きまわっていたのに今日もおでかけですか」

「……まあ七菜も元気そうに見えるけどね」

「そうですか?」

「うん。今日もいつも通りに見えるから。疲れを全く見せないというか。一人暮らし初めての割には――って」


ホント。こちらもなのだが。ぱっと見というか――今の七菜の様子を見ると――ってか。七菜は出かけた帰りなのか――多分コンビニ?だろうか。うん。袋を片手に持っているのでね。どこかへ行った帰りらしい。そして――まあ今の話に戻るが。七菜もお疲れの色というのは全くない。むしろ俺の方が――の可能性はある。

いやだってですね。何度も言うが――今週いろいろ動いてますから。平日も休日も。でも海織もだが。七菜も――まあいつも通りというか。体力切れという雰囲気は一切なかった。などと俺が七菜の事を見ていると――。


「先輩?」

「あっ、いや、何も」


不思議そうに七菜がこちらを見てきてから――。


「ってか。先輩は留守番なんですか?」

「留守番ですね。ってか留守番か……うん。俺的には普通に自分の部屋に居るだけなんだが――」

「まあそれもそうですね。宮町先輩が居たから――何かおかしかっただけですよね」

「ってことです」

「そういえば、先輩」

「うん?」

「お暇という事ですよね?」

「……はい?」


何だろう。一瞬だが嫌な予感がしたな。と俺は思いつつ七菜を見ると――。


「宮町先輩の許可はあるようなものですから――お昼ご飯久しぶりに作ってください。なんか急にだらけたくなりました」

「……謎なことを後輩も言いだしたか」

「いやー、なんか先輩を使っていいと聞きましたら――うん。休みくらいのんびりしたいなー。と」

「それに何故俺は巻き込まれたか……」

「まあ、それに関しては宮町先輩にクレームをですよ」

「……」

「ってことで、先輩。30分くらいしたら来てください。パパっと部屋だけ片付けたいですから」

「……本当になのか」

「お昼ご飯楽しみです。最近私1人で頑張りましたからね」

「1人の方が楽じゃないかな?」

「いやいや、1人だとご飯が出てこないじゃないですか」

「—―使われる俺だった」

「ってことで、脱ぎ散らかしてあるので、しばらくお待ちくださいです」

「—―なんやかんやで七菜もだらけようとはしていたか」

「そりゃ休みですから。昨日もバタバタしましたしね。でわ。またあとでです」


そう言うと七菜は自分の部屋へと入って行った。


うん。俺の本日の予定が入りましたね。

七菜のところでお昼ご飯作り。何故にこうなるか――のんびりした休日どこへ――だった。


それから俺は一度自分の部屋へと戻ると――そのタイミングでスマホが鳴った。


♪♪


確認をしてみると――先ほどお出かけたお方からだった。


「楓君ー、平田町までの最短ルート!あっ。湯の山線は余裕だったよ」


という――指令が来ていたため。俺は室内へと入り。開きっぱなしだった時刻表を再度眺めて……。


えっと、海織が乗ったのは、伊勢川島駅10時51分だったから――と思いつつ時刻表をめくる。そして名古屋からの電車。まあ伊勢若松の駅に止まるのは急行と普通だけなので――急行と普通の欄だけ見て……。

伊勢川島駅51分に出た電車は59分には近鉄四日市に着くので――と思いつつ。ぱっと目についた時刻をメッセージ画面にメモをしていく。


「四日市に59分に着いて、11時01分の津新町行きの普通に乗れたら――若松ではほとんど待ち時間なしで平田町行きの普通に乗れると思うけど。01分の電車に乗れなかった場合は――次の急行14分発の五十鈴川行きの急行になると思うけど。その場合。若松で25分くらい待ち時間が出来るから。さらに次の急行。近鉄四日市駅11時35分発の松阪行き急行に乗った方がいいかと」


長々と文章を作り海織に送ったのだった。

ってこれだとわかりにくいというか。

俺的には――まあそのまま書いただけなのだが。海織からクレームが来る前に……うん。今の時間ならまだ海織は伊勢川島駅を出たばかりなのでね。大丈夫だろうと、そんなことを俺は思いつつ。長文の後に――。


「四日市で11時01分の津新町行き普通に乗れなかったら、四日市11時35分の松阪行き急行が良いかと」


もう1つメッセージを送っておいたのだった。うん。伝え方が下手でごめんと思いつつね。でもこれなら――わかってくれるはず。と思いつつ。わかってくれるはず。うん。本当は電話の方が楽なのだが――海織は車内なのでね。うん。これで勘弁してもらおう。いやだってね。難しんだよ。メッセージだけで伝えるって――である。


って――俺は何をしているのだろうか。でも――海織からの指令はこなしたから……いいよね?うん。

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