第481話 続・ボウリング2

俺達5人を乗せた近鉄四日市行きの普通電車は定刻通り。伊勢川島駅を10時17分に発車した後。近鉄四日市へも定刻通り10時26分に到着した。 


ここで俺たちは――バタバタと乗り換えた。


俺達が乗っていた電車が近鉄四日市駅のホームに付いてドアが開いたくらいに――お隣のホーム。名古屋方面のホームでは名古屋行き急行のアナウンスが始まっていたのでね。はい。今聞こえてきているアナウンスの電車に乗ろうという計画を海織さんたちはしていました。なので――。


「ほらほら行くよ!」


はい。斎宮さんが小走りで移動を開始すると同時に――ついて行く事となりました。


「はあ。何かバタバタだな」

「まあ……何というか。この乗り換えはいつもきついというか。出来ないこともあるからね」


俺と柊が話しながら前を行く3人について行く。


「ちょ、ちょっとタイムです」


海織とともに移動中の七菜からなんかヘルプ要請が――多分階段だからゆっくり行って欲しいと、言う感じか。と俺が思っていたら……。


「七菜ちゃん運ぼうか?」


柊がささっと七菜の隣へと移動していたのだが……。


「キモい」

「さすがにキモいです」


柊がそんなことを言ったので――斎宮さんが即反応して、すぐに七菜までも――似たような反応をしていた。うん。やはり2人は何か揉めるである。俺の予想早くも当たる。であった。


「なんで沙夜の方が反応早いというか――なかなか俺の扱いがひどくなってない?七菜ちゃん」


ちなみに柊が変なことを言ったからか――って階段を移動中に運ぼうか?はどうかと――と俺が思いつつ前の3人に――あれ?海織は?と思っていると――はい、いつの間にか柊と場所が変わり俺の横で楽しそうに前を見ていました。はい。

そうそう、七菜は――なんか柊の相手をしながらは早く移動というか。適度な距離を保てるらしく――斎宮さんとともに名古屋方面のホームへと向かってます。


「楽しいね」

「ははは……」


うん。俺と海織もそんな感じで少し話しながら――名古屋方面のホームへと向かうと――ちょうど10時28分発の名古屋行きの急行がホームへと入って来たのだった――だったのが――。


「うわー。激混み」


それは斎宮さんの声だった。

普通この時間10時台になれば――混んでいると言っても少し立ち席に。朝のようにギュウギュウで乗るところありません。みたいな事にはならないと俺も思っていたのだが――。

海織とともに前の3人に追いつくと――うん、斎宮さんの言う通りギュウギュウだった。

俺達5人は最後尾の方の車両に乗ろうとして後ろの階段を上がってきたのだが――後ろの車両が混んでいた。めっちゃ。

理由は――多分学生。小学生か。中学生?の団体様が――ぎっしり。そして四日市で降りるわけではなかったらしく――。俺達とともに階段を上がってきた人も前の方の車両へと足早に移動していた。


さて俺たちはどうするか。すると海織が―—。


「ねえねえ。隣の準急でもいいんじゃない?別に急いではないから」


今目の前にやっていた急行とは違い。隣のホームに既に止まっていて、そこそこ空きのある準急を指差した。するとそれと同時くらいに急行の発車ベルが鳴る。


「だねー。別に時間が何か決まってるわけじゃないから――そっちでいいか」


海織の提案に斎宮さんも向きを変えて準急の止まっている方へ。うん。どうやら激混みの電車は嫌だったようです。


そんなこんなで俺達5人は急行から――その後に発車する近鉄四日市駅10時29分発の近鉄名古屋行きの準急へと乗り込んだのだった。


ちなみに、この会話に柊と七菜は入ってこなかった。というか――まあ振り回されているというか――ここの人たち急に物事決めたり変えたりしますからね。はい、振り回されています。


「—―あれ?乗らないの?」


って感じで柊は、急行の前の車両へと行きかけて戻ってきていました。


はい、そんなこんなで準急の車内です。

はじめに乗ろうとしていた急行は既に駅を動き出しています。


ロングシートの座席は――全て1人2人と座っていたが。

連結部分近くの3人くらい座れるところが前後というか。両側?うん。座席が空いていたので俺たちはそこに別れて座った。


俺が座ると隣に――海織。そして斎宮さんが座ったため――3人埋まった。ってことは――うん、。俺たち3人の前が柊と七菜になったのだが――。


「……」

「七菜ちゃんどうぞどうぞ」


七菜がなんか――座らずに――俺と海織の前へと移動してきた。


「なんか、身の危険を感じました」


七菜がそんなことを言ったので斎宮さんが楽しそうに笑う――って斎宮さんここ車内。と俺が思った時。準急の発車時間となり。

10時29分俺達を乗せた電車は近鉄四日市を発車したのだった――って、何か七菜を1人立たせておくのは――だったので。


「七菜。良ければ」

「あっ。すみません」


俺は七菜へと席を譲った。

するとそれを見ていた海織が――。


「楓君そこは膝の上に座らせてあげないと」


と……かなんか意味の分からないことを言っていたので――まあ俺が何か言うより先に。


「ちょ、宮町先輩。何言うんですか。私子供じゃないですから」


うん。七菜本人がクレームを言っていたが――まあ海織、斎宮さんは楽しそうにしていました。はい、七菜いじられています。


ってまあその後俺は柊のところに座ったんだがね。うん。隣では――。


「俺なんであんなに嫌われてるんだ?まだ小さいって言ったの根にもたれてるの?」


柊がそんなことを言っていたのだが――うん。また今の声が七菜に聞こえたらしく――この後も……柊は七菜に相手をしてもらえませんでした。はい。それはもう話しておこう。まあいろいろと大変な2人だよ。である。うん。

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