第482話 続・ボウリング3
現在名古屋行きの準急で移動中の俺達5人です。はい。電車は順調に――各駅に止まり名古屋へと向かっています。
すると――。
「あれ?そういえば楓くん」
俺の正面に居た斎宮さんが声をかけてきた。
「うん?何?斎宮さん」
「いや。さっきからこの電車各駅に止まってるけど――準急って。普通だった?」
「—―うん?」
何か難しいことを斎宮さんが聞いてきた――?という感じの場面だったが。うん。そこまで難しいものではないので――。
「いや、準急は蟹江駅までが各駅停車でその後は名古屋まで止まらない。ってやつだから。しばらくは普通と同じかと。あっ、でも次の急行よりは早く名古屋には着くと思うから――乗り換えとかはしなくていいです。はい」
「おお、さすが楓くん」
俺と斎宮さんが話していると。
「—―加茂先輩。ホントに詳しいですね」
ちょっと視線の高い……七菜もこちらの会話に入ってきた――って、ちょっと待とうか。なんで七菜の視線が高い?確か座席に座っているので急に成長とか――と俺は思いつつ。
「……七菜。なんで海織の膝の上に居るの?」
「—―触れないでください。何故か捕まりました。私は抗議しました」
「抱き心地良いからねー」
海織がそんなことを言いながら――うん。七菜を抱いていた。まあ違和感はないのだが――ってないのは何か失礼な気がするが……まあいいか。
とりあえず今海織が膝の上に七菜を乗せていたのだった。
「七菜ちゃん私の上も良いよ?」
「いや、斎宮先輩も。私は降りたいんです。はい。降ろしてください。私重いですから……」
「七菜ちゃん軽いよ?」
「いやいや――」
「海織。あまり車内で騒がないように」
「騒いでるのは七菜ちゃんだと思うけどねー」
「……加茂先輩。何とかしてくださいよ。恥ずかしいです」
「俺の手には負えません」
うん。まあそんなやりとりをしている間も電車は順調に名古屋方面へと走っている。
って――会った時に眠いと言っていたからか。柊はいつの間にか夢の中――だった。うん。だから海織に七菜が捕まっているという光景でも――静かのである。起きていたら――騒いでいそうだが。まあちょっと残念な柊である。
そんなこんなで七菜は結局捕まったまま――名古屋近くまでやって来た。
まああれだ、話していたら移動時間もあっという間だった。というやつである。
そりゃ急行よりは時間はかかるが――約1時間弱で電車は近鉄名古屋駅に到着したのだった。
――11時20分。
俺の隣では寝起きの方が背伸びをしつつ――移動中である。
ちなみにいつの間にか準急もそこそこ人が乗っていたので、今名古屋駅のホームは結構人が居ます――ってこれはいつものことな気がするかな。
とりあえず人が多いと。話ながら移動というのも難しいので――ってこの後どこに行くんですかね?俺は全くそういうことを聞かされていないので――とりあえず先頭を行く女の子3人に付いて改札を抜けたのだった。
近鉄名古屋駅の改札をのけた後は――買い物だった。うん。まあ買い物したいと行ってきたのでね。買い物になるのは自然な流れだった。
現在は雑貨店を女の子3人が楽しそうに見ている。うんうん平和な光景です……えっ?男性陣は何しているかって?
こちらです。
「楓」
「うん?」
「俺達必要だった?」
「まあ―—そのうち荷物持ちになるんじゃない?」
「その未来予想図は嫌だな」
「まあね。でも――楽しそうにしているからいいんじゃない?」
「確かに。俺には七菜ちゃんあんな笑顔見せてくれないぞ?後沙夜も。うん」
「斎宮さんはあるんじゃない?」
「ないな。最近は人使いが激しすぎるから大変なんだよ」
「……そちらもいろいろ大変で」
「だから七菜ちゃんと仲良くなって癒しを求めたのだが――」
「……それは――今のところ難しそうで」
「楓はいいよな。宮町さん居るのに七菜ちゃんも居て」
「海織もね。最近はいろいろやらかすというか――うん。大変ですがね」
「そうは見えないんだがなー。家事してくれていつも隣に居てくれるっていいじゃん。うん」
「……まあそんな海織?うん。ですが――しっかりと柊に高級ランチ奢ってもらうために練りまくっている最近ですね」
「……楓悪い。訂正だ。最近宮町さんも大変だな」
「ははは――」
「っかマジで高級ランチ――って今日マジでそうならないよな?1人でも死ぬのに全員とか無理だからな?」
「まあ、どうなるでしょうね」
「もしこの後行くとかなったら――そうだ。楓。斎宮さんと七菜を連れてそっちはそっちでランチ頼む。うん。とりあえず宮町さんだけは借りがあるから――何とかするが――全員来たら死ぬ」
うん。男子はお店の外で先ほど近くのお店で仕入れてきた飲み物を飲みつつ。女の子3人のお買い物が終了するのを待っています。はい。
小さい飲み物にしたんだけど――中くらいでもよかったかな?って感じですね。
まあいつも来る。来れるところではないから――3人ともゆっくり楽しんでいます。
それから俺と柊が動いたのは――数十分してからだった。
その後同じように何カ所かお店を見た後は――お昼ごはんとなった。
まあ買い物をしていて、お昼の時間を少しは避けたとはいえ、なかなか混雑していたため――お昼にたどり着くまでに時間がかかった。
が。
時間がかかったからか。この後の予定はこの時に決まったのだった。
俺は――大変逃げたいというか。出来れば場所を変えてほしいと思ったのだが――うん。その願いは通じることはなかった。
ちなみに言いだしたのは――。
「昼食ったらー。ちょっと動くのもありだよなー」
柊である。うん。そしてそれから少しして俺はこの時の柊に「何でそんなこと言いだしちゃったかなー」と、言いたくなっていたのだった。
ってこの時は俺はまだ何も思っていなかったので、柊のつぶやきに反応したのは斎宮さんだった。
「そうだ。久しぶりにボウリングしたい!うん。柊に勝つ」
みたいなことを斎宮さんが言いまして――はい。そんなことが決まっていったんですよ。
そして、俺が少し前の柊に「何で――」という思いが出て来たのです。はい。なんかこの後の予定が決まりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます