第467話 甘えよう

七菜が大学帰りに――まあいろいろあってクレームを俺の家へと言いに来てから――しばらく時間が経過した。


俺は先ほどの女の子3人のやり取りにはほとんど参加することなく。途中で少し話したくらいだったかな。うん。

なので――まあ平和な感じに過ごしていた。

ちょっとだけ――柊がボロボロになってるかなー。とか心配はしたが――うん。変に関わるとなのでね。俺は大人しくしていました。余計なことも言っていません。


そうそう、海織は――普通に俺の部屋に居ます。

今は俺と交代でお風呂。シャワーをいつものように浴びているはずです。はい。はずというのは――もちろん現場を見ていないから……今海織が何をしているかわからないからです。


ってか海織がここに居るのが普通過ぎて――うん。前ならもっといろいろ考えていたかもいれないが――ホント。よくあることなのでね。

海織が居ない時の方が少なくなっていますからね。とか俺が思っていると。風呂場の方でドアの開く音がした。そして少しすると――。


「ふー、さっぱりー」


そう言いながらいつもの感じ。風呂上がりの海織がこちらへとやって来た。よく見る光景です。はい。


「おかえり」

「ただいまー。あっ楓君」

「うん?ボディーソープの詰め替えあったっけ?」

「あー、そういえば軽くなっていたね。確か予備は――なかったと思うから買いに行かないと」

「じゃ、買い物リストにメモしておかないとね」

「はい。しておきます」


海織に言われて、俺は買い物の時にちょっとでも楽になるように――というのか。まあ結構これは前からしていたことだが――まあ海織がしていたから俺も自然にというか――うん。俺の生活内に海織のやり方がどんどん侵入していますからね。

まああれですよ。無くなりそうなものをメモにちゃんと書いておく。ただそれだけなのだが――うん。俺は海織に言われた通り――ささっとメモをしておいた。


ってか、俺の部屋の風呂内部の事もちゃんと確認している海織ですよ。はい。普通は――うん。気が付かないというか。気にしないであろうことだが――海織ですからね。うん。自分も使う頻度が多いからか。ちゃんと確認をしてくれているみたいです。助かっているが――うん。いいのかな?これですよ。うん。とか俺が思いつつ。


「—―食品の買い物も――そろそろか」


俺はボディーソープと書きながら――既に買い物メモに書かれているものを見ていると――。


「—―何見てるの?」

「うわっ!?」


急に後ろから衝撃が――って海織がくっついてきた。

まだ風呂上がりの海織。暖かい。いや――そろそろちょっと暑いになってくる―—って俺もまだ風呂上りみたいな感じだからか。って……。


「……どうしたの?」

「うん?何が?」

「いやいや……その。なんで急にくっついてきたのかと」

「あー、たまには甘えないとねー」

「—―たまに?」


うん。いやー、あまりこういうのをバンバン言うのは――なのだが……。

基本海織って――2人の時はよく隣に来たり。とくっついてくる事多いんですよ。はい。あー、でも今みたいに後ろから抱きついてくるというのは――少ないって。なんでこんなことに?と俺は思いつつ。


「あの――動けないのですが」

「私そんなに重い?」

「いやいや軽いですけどー」

「なら運んでー」


そう言いながら再度しっかりと海織がしがみついてきた。


「なんで急に――」

「まあまあ、七菜ちゃんのクレーム聞きで疲れてね」

「—―海織って――疲れるくらい真面目に聞いていたっけ?」

「聞いてたよ?かわいいかわいい。妹ちゃんの相談だからね」

「—―いつの間に七菜が海織の妹になっていた」

「あっ。違った。楓君との――子?」

「いやいやいやいや。それは大変お話がおかしくなります。はい」

「にひひー。嘘嘘―」

「—―ご機嫌ですね……」


俺はそんなことを言いながらこのまま立っているのも――だったので。

何か後ろにくっついた海織を引きずるように――というのか。まあ俺が歩いたら海織もそのまま付いてきたので先ほどまで俺が座っていたところまで移動した。


すると――また海織が何か思いついたのか――いや、言うつもりで考えていたのか――うん。考えていたな。


「じゃあ楓君。今日はいろいろな女の子と仲良くしたみたいだからー。私とも仲良くしてね?」


海織が俺の肩に顔を置きながら言ったのだった――ってなんか耳元で言ったのだった。ちょっと生暖かい感じがあって――くすぐったかったです。はい。


「—―何をいきなり言い出すのか」

「えへへー。だって今日は楓君。沙夜ちゃんとイチャイチャ講義受けたんでしょ?」

「全くの嘘情報ですね」

「えー、2人っきりだよね?」

「いやいや、そこそこの生徒いましたよ?って普通に1限だけ講義が同じだったんですが……」

「でもその後――移動する時とかもーってそもそも大学行く時も一緒だったんじゃなかったかな?」

「海織は何を言いたいのでしょうか――」


ちなみに言っておくと、海織からお怒りの雰囲気は一切ありません。むしろ――めっちゃ楽しんでいる雰囲気しかありません。はい。


「それに―、七菜ちゃんに頼られていたよねー」

「……頼られていいたのか――ただ愚痴を聞いただけのような……」

「でも楓君に聞いて欲しかったんだよね。わざわざ七菜ちゃん来たし」

「そういえば――海織は七菜が来るの事前に知っているみたいな感じじゃ……なかったっけ?」

「えー、何の事かなー?わかんないなー」

「……」


うん。俺の真横で――やっぱり今の状況をめっちゃ楽しそうにしているお方が居ます。はい。あと――熱を感じます。近いからね。


……これ何が起こるのでしょうか――。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る