第466話 続・愚痴
「話疲れましたー」
俺の前に居た七菜がそんなことを言いながら――後ろにもたれた。
俺の部屋は今まで何が起こっていたのだろうか――である。
ってか……うん。まずはどっちから確認するべきか――と俺は思いつつ。
ちょっと考える……そして――うん、海織だな。ということで――。
七菜が話し出してすぐくらいからスマホをいじっていた海織の方を見て……。
「海織。途中で飲み物の準備してくれたのはありがたかったのだけど――七菜の……クレームというか。話は聞いてた?」
「—―えっ?」
「いや、一応七菜話し出す前に――「—―聞いてくださいよ、先輩方—―」って言ってたから――うん。俺だけではなく海織も聞いていた方がよかったというか――俺一人では大変と言いますかね」
「うん。大丈夫、聞いてたよ?」
「そのわりに――スマホいじってませんでした?」
俺が七菜が話している時の海織の様子を思い出しつつ一応本人に確認すると――。
「あー、これね」
そう言いながら海織は自分のスマホをこちらに見せてきた。って――なんか画面に表示されているなー。と俺が思いつつ見ていると――。
「面白そうだったからね。途中から録音してた」
「「録音!?」」
何をしているのでしょうかね。このお方は。ですよ。
さすがに俺だけではなく。
ちょっと背伸びをしていた七菜もびっくり!?とでも言うのか。驚いた感じ?でこちらを見たのだった。そして七菜もこちらへと顔を覗かせてきたのだった。
――にしても――海織さんは何を録音してるんだよ……と俺が思っていると――近寄ってきた七菜が――。
「宮町先輩。あの。さすがに私いろいろ言っちゃった気がしますので――それは削除でお願いします。はい」
「えっ、でも七菜ちゃん沙夜ちゃんに伝えてって」
「いやー、それは――はい。口頭でささっとという感じ。大雑把な感じで私がクレームをですね。言っていたと言いますか。はい。簡単にで大丈夫ですので――なんか斎宮先輩と白塚先輩を喧嘩させようと思われているとかいう誤解――はい。何言ったかあまり覚えてないのですが――いろいろ言っちゃった気がするので――」
「まあ送信っと」
「ちょ――!?」
――ポチ。
うん。そんな効果音は実際にはなかったのだが――俺の頭の中では聞こえた気がした。今海織はなんか笑顔でスマホをタップしたのだった。
うん。あれは――。斎宮さんに送ったな。と俺が思っていると――。
「ちょちょ、宮町先輩。何送ったんですか!?」
「七菜ちゃんの訴え?録音の全て?」
「ダメですよー。ホントに結構いろいろ言っちゃってますからー。私はお2人にとりあえず話そうとー」
「まま七菜ちゃんはかわいいから大丈夫だよ。沙夜ちゃんも気にしないだろうし」
そう言いながら海夜はちょっと慌てている七菜を引き寄せて――。
「—―ふぎゃ」
「七菜ちゃん捕まえた」
うん。俺の前で七菜が海織に掴まった。
四つん這いで七菜のところに移動した海織が――七菜をもふもふしだしたのだった。うん。まあ微笑ましいと言えば微笑ましい状況なのだが――。
うん。海織が送ったのか――というのは俺も少し気になっていたので……うん。
まあまさか七菜が話していたことを全部録音は――いや海織ならしているかもしれないか。やってそう……直感で途中からと言いつつ――結構はじめから録音していた。うん。ありそう。
そして斎宮さんがスマホを握っている時だったと考えると――今頃確認。内容を聞いていて――。
そのうち返事が来るんだろうな――と俺は目の前でなんか……七菜をもふもふしている海織と海織にもふもふれて――くすぐったいのか。なんかちょっと悲鳴?をあげている七菜を見ていると――予想よりも早く海織のスマホが鳴ったのだった。
♪♪
「あっ。沙夜ちゃんかなー」
「—―ひっ!?」
海織の声に――抱かれていた七菜が反応していた。
まあ七菜よ。別に怖がらなくても――斎宮さんなら大丈夫だよ。個人的には――「ネタありがとう!絞めてくる!」見たいな展開になるんじゃないかなー。と思っています。はい。斎宮さんはそういうお方のはずです。はい。
俺がそんなことを思っていると――スマホを確認して海織が……。
「七菜ちゃん。沙夜ちゃんからはねー。ありがとう。今踏みつけてる。だって」
「……えっ?」
「既に斎宮さん。柊のところに居たか。柊。ご愁傷様」
「みたいだね」
それからすぐに――斎宮さんから海織のスマホにお電話がありました。
はい。とってもすっきりというか――一仕事終えてきた。みたいな感じで斎宮さんは話してまして――。スピーカーホンにしていたので俺も七菜も会話に少し参加しました。
まあ七菜ははじめいろいろなんか言っちゃいました。的な事で謝っていたが――まあここは俺の予想通りか。
「いいよいいよ。そんな気にしなくて。それよりまた七菜ちゃん抱かせて―—」
と。斎宮さんは言っていました。
はい。ここの女の子2人は――七菜を抱きしめるの好きですね。と俺が話を聞きながら思っていると――まあ前で海織と七菜がなんか言っていたり。七菜が斎宮さんと話したり――と。俺の部屋だが――特に俺が出来事にかかわることなく。時間は過ぎていき――。
多分話疲れたのか……すっきりしたのか。
斎宮さんとの電話が終わると七菜は自分の家。お隣の部屋へと帰って行った。
俺の部屋をほぼ勝手に利用して――いろいろしていた――というのは、終了したみたいです。
まあ今回は――俺は平和な方だったからいいか……と思っていたのですが――これを嵐の前の静けさ。とか言うのだろうか――うん。
この平和な感じで終わらなかった――本日でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます