第435話 紛失?喪失?7
現在何故か斎宮さんと海織の家に侵入中……いや不法侵入はしていませんので。はい。本人に許可というか。本人が行ってきてとか言っていたので。はい。決して怪しいことをしているわっではありません。はい。
ここはしっかり言っておかないとね。誰に通報されるか分かりませんから。
とりあえず目的の柊の過去の資料というか。ゼミの時にみんなにも見てもらおう的なことで不定期だが。全員分の印刷をして配った物を海織がたまたまというか。残していると言っていたので探しに来たのだが……見つからない。
ということで現在斎宮さんが海織に電話をかけたところである。
ってか。卒論のデータ消えた。とか言っている本人も動いていない謎というね。うん。とか俺が思っていると。海織の声が斎宮さんのスマホから聞こえてきた。
どうやらスピーカー?というか。こちらにも聞こえるようにしてくれたらしい。静かな部屋に海織の声が響いた。ってホント何で本人さんが不在かってことですよね。うん。おかしい。とか俺が思っていると……。
「……もしもーし。沙夜ちゃん?あった?」
「あっ。海織ちゃんまだ見つからないんだよ」
「あれ?無かった?」
「うん。ケースはすぐに見つかったんだけど。そこにないよ?」
「あれ?うーん。実は楓君が沙夜ちゃんと長く居たいから隠した?」
「ちょっと海織。勝手なことを言わない」
「あっ、楓君にも聞こえてたかー」
うん。ホント何を買ってな事を言っているのかと思ったら……ってすると……。
「楓ー。別に沙夜貸し出すぞ?蹴とばされるかもしれないが。くたくたにして返してくれたらいいから」
なんか柊の声も聞こえてきた。どうやら向こうも同じ状態で電話をしているらしい……と思っていたら。
「加茂先輩。早く帰ってきてくださーい。私ずっと抱かれているんですけどー」
七菜の声も聞こえてきた……って向こうは向こうで大変そうだな……と思っていると。
「楓くん。まさかの私とそんなに居たかったの?なら言ってくれたらいいのにー」
バシバシ。
「……痛いから」
うん。なんか横では楽しそうにしている斎宮さんがいらっしゃいました。って最近コンビがよく変わるよね?と俺が思っていると。
「あー、そうだそうだ。ゼミの資料は寝室かも。寝室の机で卒論はやっているから」
と、斎宮さんのスマホから海織のそんな声が聞こえた来たので……。
「なら、見てきます」
俺はそういい立ちあがった。
それから俺は海織の寝室へと入る。
なお斎宮さんもスマホ片手に付いてきているのだが……余計な事しか話していない。
「今ねー、楓くんが海織ちゃんの寝室に不法侵入してる。ってか入ったー。うんうん」
「斎宮さん?」
「にひひー」
「はぁ……、って、あるし。うん。発見しましたよ。普通にあるじゃん」
と。寝室に入って10秒もしなかったと思う。
海織の寝室綺麗だな……とか何か感想を思うより早く。机の上にプリントがまとめて置かれていたので、それを見たら……ゼミのだったので。はい。解決というか。すぐに見つかりました。
っか海織本当に全員の卒論の印刷物を残してあった。参考にしているのだろうか?と俺が思っていると後ろでは……。
「今ね。楓くんが押し入れあさろうとしてるよ?」
「斎宮さん?勝手な事ばかり言わないでいただけますかね?」
「未来予想?」
「しないですから。ってか見つかったし帰ろう」
「だって海織ちゃん。楓くんは海織ちゃんじゃもう興奮しないんだってー。贅沢だねー」
「斎宮さん!?」
「にひひー」
とまあこの後なんか嫌な予感がするのだが……とりあえずここで海織と斎宮さんの電話は終了した。
「これが柊のだね」
「海織ちゃんすごいね。ホントみんなの取ってあったんだ。私のもある」
「さすがというか。すごいよ。うん」
「ってことでこの柊のは私が持ってくねー。これで柊に何を買わせるか……にひひー」
「……」
うん。俺が少し前に予想した通りにここはなっていますね。
斎宮さんはそう言いながら、海織がまとめていたところから。作りかけの卒業論文。柊バージョンを抜いていった。この後どうなったかは……俺知らない。でいいかな?うん。
「……とりあえず斎宮さん帰ろうか?」
柊の資料をゲットした斎宮さんに声をかけると……。
「楓くん本当にいいの?ベッドにダイブとかしなくて?」
「しませんから」
「じゃあ私がしておくから。楓くんがしたことにしとく?」
「やめなさい」
とまあ海織の部屋を出るまでにまたなんやかんやとありましたが……。とりあえず斎宮さんが物をあさったり。ダイブしたりということはありませんでした。というか止めました。はい。俺頑張った。
その後戸締り確認をして、俺と斎宮さんは海織の家を出たのだった。
その後はいつも通り。
楠駅へと歩いて……17時24分発の近鉄四日市行きの普通電車に乗りまして……近鉄四日市駅には17時35分着。湯の山線ホームへと乗り換えて……17時44分の湯の山温泉行きに乗り……17時54分伊勢川島駅到着。そして家へと歩く。うん。いつもの流れでした。
ちなみに移動中……斎宮さんはずっと話していましたね。はい。
大変でしたよ。俺。うん。勝手にいろいろな事言って笑ってましたからね。早く柊にお返ししないとですよ。
とか思っていたら。やっと自分の家が見えてきたのだった。
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