第434話 紛失?喪失?6

「そして、何故こうなったか……」


俺は隣に立っている柊の彼女様に聞いた。


「まあまあ私たちは信頼されているんだよ。海織ちゃんの部屋に入れてもらえるんだから」

「家に残してきた3人の方が危険なんですが……」


俺は今俺の部屋に居る3人の事を思い浮かべた。


「いいんじゃない?海織ちゃんは一緒に住んでいるみたいなもので。七菜ちゃんは子供なんでしょ?」

「どういう話でそうなったの!?」

「えっ?海織ちゃんずっと言ってたよ?七菜ちゃんは子供にするって」

「……はぁ……」

「でも七菜ちゃんホントかわいいからね。私も欲しいよ。うん、楓くんそのうち七菜ちゃん借りに行くからその時はよろしく」

「本人に言ってください」

「だってー、絶対七菜ちゃん嫌がりそうだもん」

「ですよねー。うん。予想できた」

「だからそこは楓くんからお願いをしてもらう」

「なんで俺だと許可されると?」

「えっ?だって七菜ちゃん楓くんの事はお兄ちゃん的感じで見てる気がしたから」

「謎」

「にひひー。ってかまた沙夜ちゃん先輩で呼んでもらおうかなー。今日は斎宮先輩に戻ってたし」

「まあまだ七菜は慣れてないから。七菜が言いやすい方で良いのでは?」

「まあそのうち沙夜ちゃん先輩って呼んでもらおっと」

「ははは……七菜も大変」


はい。現在俺は斎宮さんとともに近鉄四日市駅のホームに居る。

何故斎宮さんと2人なのかというと……それはお昼ご飯の後。


「じゃ楓君私の部屋から白塚君の資料探してきてあげてよ」

「えっ?なんで?」


片付けをしていたら俺にそんな海織の声がかかった。


「私は今から七菜ちゃんもふもふタイムだからねー」

「ちょちょ何ですか。宮町先輩……きゃっ」


ちなみに七菜が海織に確保されました。そして……。


「楓。俺のために即探してきてくれ。俺は後輩ちゃん。七菜ちゃんと仲良くなるために話し合う。って俺宮町さん本人が行かないと部屋に入れてもらえない気がする」

「まあ……うん。とりあえず謎。なんで自分のやつなのに自分が動かないか」

「ホント謎だねー、ってことで私は動きたいから。楓くんに付いて行こうかなー」

「その選択肢になる斎宮さんも謎かと」


俺は隣に来た斎宮さんに言った。


「あっ。じゃ沙夜ちゃん。楓くんが変なところあさらないように見てて」

「了解!」

「いやいや……斎宮さんの方があさりそうですが……」


うん。俺がそんなことをつぶやいたが……俺の言葉はどこかに消えていきまして……。


本当に俺が海織の部屋に柊の過去の資料探しに行くこととなりました。何故か斎宮さんとともに……本当は柊を連れて行こうとしたが……斎宮さんがね「柊が来ると部屋あさられるよ?と海織に斎宮さんが言いましてね……まあうん。柊は七菜と仲良くなるタイム。みたいなことになっています。ホント謎。うん。謎は謎。


まあ斎宮さんが付いてきたというか。柊が来ないようにしたのは……俺の勝手な予想では……海織の資料を見つけたら……斎宮さんが握り。それで柊を……という未来が見えたのだが……どうなるか。


とまあそれから俺と斎宮さんは俺の部屋を出て。伊勢川島駅15時16分の近鉄四日市行きの普通電車に乗りまして……。近鉄四日市には15時25分に到着。


そして伊勢志摩、大阪方面のホームへと移動すると……次の普通電車が15時41分発の伊勢中川行きでしてね。ちょっと待ち時間があったため。ホームで話していたところ。これが今である。


余談だが。1つ前の電車は15時21分に近鉄四日市駅を発車していた。

あとちょっとだったんだがね。乗れなかったというか。まあ4分も前に出てるから絶対乗れなかったか。

とりあえず電車待ち中です。とか思っていたら15時41分発の電車が駅に入ってきたため俺と斎宮さんは車内へと移動した。


俺と斎宮さんが座席に座り発車を待っていると。

日中のパターンダイヤというのか。

通過電車が通過していき……その後15時35分発の松阪行きの急行が隣のホームに入って来て……発車のち。15時39分発の賢島行き特急が入って来て……ってそうか。この時間は伊勢志摩ライナーだったか。とか俺が思っていると特急も発車していき……やっと普通電車の発車時間となった。うん。急行、特急からの普通。よく経験する流れな気がする。まあわかりやすいからいいか。うん。


とりあえず15時41分に近鉄四日市駅を発車した普通電車は15時52分に楠駅へと定刻通り到着した。


それから俺と斎宮さんで……何故か本人は今居ないが……海織の家へとやって来たのだった。


「お邪魔しまーす」


先陣を切ったのは海織から鍵を預かっていたというか……「私が持ってく!」と斎宮さんが受け取っていたのでね。まあなので鍵を持っていた斎宮さんが部屋へと入っていき。俺もそれに付いて行く。ってホント何してるんだろうね……と思っていると。


「さあ楓くんなにあさりたい?私は優しいから黙っててあげるよ?」

「なにもあさりませんからね?」

「えー。寝室とか気にならない?」

「いや」

「なんでー。じゃ私があさってくる」

「やめないさい」


俺は斎宮さんを捕まえて……はないが。このまま居ると嫌な予感というか。斎宮さんが何かをあさりそうなのでね。俺は斎宮さんの前に立って道を塞いで止めてから……早くミッションを終わらすことにしたのだが……。


それから20分。


「どこだ?無いぞ?」

「本当に無いね」


家を出る際に海織に資料はとりあえずまとめてプラスチックのケースに入っていると言われたので俺と斎宮さんで全てを見ていたのだが……出て来たのは講義でもらった資料ばかり。ってか海織はちゃんと科目別に分けてケースに入れていたので……うん。他のはすぐに見つかったのだが……何故かゼミだけ見つからなかった。


はじめた時はこれならすぐに見つかると思ったんだが……ね。なかなか予定通りにはいかなかった。


「海織ちゃんに一度聞こうか?」

「ですね」


斎宮さんがスマホを操作しだして……少しすると。

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