第416話 柊と七菜2

柊と七菜が俺の部屋から出て行ってから数時間。


「ねえねえ、海織ちゃん見て見てこれかわいいよ?」

「あっ、ホントだ」

「……」


俺の部屋は……まあ平和と言えば平和だった。


柊と七菜が出かけてから海織と斎宮さんは……ネットショッピング?かな?うん。2人でずっとスマホとにらめっこしている。

そうそうその前には、1時間2時間ゲームをしていたんだけどね。今は終了しています。はい。


ちなみに俺はというと……特に今はすることが無かったので俺もスマホを見たり。ちょっと洗濯やらを片付けたり。とまあ女の子2人がくつろいでいるのはあまり気にせず過ごしていた。


って触れないようにしていたら……。


「楓君楓君。これ私の誕生日にプレゼントして!」

「いきなり来たね」


うん。いきなり捕まった俺だった。


「可愛いんだよ。見てよこれ。めっちゃかわいいよ」

「あっ。そっか私も柊に……って誕生日終わったばっかりだー!」


いきなり海織が俺のところへとやって来て……財布の画像を見せてきた。

そしてそんな海織の横では斎宮さんがなんか悲鳴をというか……うん。何か言っていた。まあそのうち柊が財布が軽くなった!とか叫びそうだな……と俺は思いつつも。

海織が画面を見せてきていたので……これは6月に買えと言っているのかと。ちょっと真面目にチェック。いや。プレゼントって悩むんでね。

むしろ言ってきてくれたら……ってちょっと待とうか。


「海織さん。0が多くない?」

「だから楓君にプレゼント希望!」

「……ははは……マジか」


俺がお値段にびっくりしていると……。


ピンポンピンポン。


「「「うん?」」」


俺の部屋のインターホンが何回か鳴った。


「……嫌な予感」


と。俺がつぶやくと……。


「はいはーい」


うん。海織が普通に玄関へと向かって行った。


それを見ていた斎宮さんが……。


「馴染んでるねー。ホント。違和感なし。楓くん早く1つ屋根の下に住むことをお勧めするよ。海織ちゃんと2人ってめっちゃ楽しそうじゃん。そしたら私が定期的に遊びに行くから」

「……それ斎宮さんのたまり場になるのでは?」

「まあまあ、だって楓くんと海織ちゃんと居ると落ち着くんだよ。ここ居心地良いし。うん。飲み物もおやつも食事も出てきそうだし」


うん。斎宮さんとそんなことを話していると。玄関の方からは……。


「あっ。おかえり。七菜ちゃん早かったね」

「宮町先輩。ただいまです」

「あれ?白塚君は?」

「捨ててきました」

「「ぷっ」」


海織と七菜の声が玄関から聞こえてきて……。

今の七菜の声で俺と斎宮さんは同時に噴き出したのだった。


うん。なんでそうなった?捨てられる?うん。まさかの答えだった。


すると海織と七菜がこちらへとやって来た。っか何気にちゃんとおでかけモードで出かけていたらしい七菜は服装が先ほどと変わっていた。


ちなみに海織も笑いながら七菜を後ろから抱くようにやって来た。

っか海織は海織でホント七菜の事好きだな……と俺は思いつつ。


「えっと……七菜?何があった?」


俺が聞くと――。


「柊捨てられてやんのー、って七菜ちゃん柊なんかやらかした?」


斎宮さんも七菜に聞いた。


すると七菜と海織セットというのか……まあ2人はなんかくっついているのでね。


七菜が俺と斎宮さんの前に座ると。自然と海織も七菜の後ろに座った。


「あの。宮町先輩。これなんですか?」

「抱き心地いいよ?」

「あの……」

「七菜。海織はそのままの方がいいと思うよ?拗ねると厄介そうだから」

「そうだよ?四六時中七菜ちゃんにくっついているかもよ?」

「それは困りますね。って。聞いてくださいよ」

「うん」


と。七菜に言われたので俺が頷くと……って多分七菜はここに居る3人に言ったんだろうな。うん。俺がそんなことを思っていると。


「白塚先輩。私にいろいろ案内するとか言いつつ。大学の前で同級生?まあ何人かのお友達?かはわかりませんが。とりあえず男女グループと私たちは会いまして……」

「って七菜ちゃん。大学行ってたんだ。って柊なんで大学なんて選んだんだろう?四日市とかあっち行けばよかったのに。大学なんてこれから毎日行くからその時でいいのにね。ふふっ」


斎宮さんが俺の隣でつぶやきつつ。まだ笑っていた。


「はい。白塚先輩が多分入っても問題ないとかで。でも入り口でほぼ終わりました」

「えっ?」


なんで?という感じで海織が聞くと……。


「白塚先輩は多分そのグループ?の人達に私を紹介しようとしてくれたのか。なんか。お兄ちゃんを知っている人たちと言ってましたが……」


七菜の話を聞きながら。ってことは……七夕祭とか。まあイベントで居た人か。と俺が思っていると……。


「で、そこからお店に移動になったんです。って私初めてなのにいきなり全く知らない。でもお兄ちゃんの事は知っている人ばかりのところにほりこまれまして……白塚先輩は他の人と話してますし。ちなみに女の人と話してました。で、私がワタワタしていたら……まあ1度白塚先輩が来てくれましたが……そこで「七菜ちゃんかわいいでしょ?難波先輩の妹ってホント信じられないでしょ?小さくてかわいいし……」とかをまた言ったんですよ!私の事チビ!って一緒に居た人に紹介しちゃうから……その後ずっとかわいいかわいいみたいな感じで見られまして……解散と同時に逃走してきました」

「……柊。なんで同じ繰り返しを……」

「楓くん。あれだよ。柊の中で七菜ちゃんのイメージがそれなんだよ」

「はぁ……仲良くなるのはまだ先か」


と、俺と斎宮さんが話していると。


「加茂先輩。私は男の人に助けを求める場合が来たら加茂先輩を頼りにします」

「いやいや、他にもたくさんいい人居るから。それに今からたくさん同級生も会えるだろうから」

「大丈夫です!加茂先輩が居れば大体の事はクリアできそうですから」

「楓君。ホント懐かれたねー」


海織が七菜を撫でながら……って七菜よ、なんか海織にめっちゃ撫でられているが……それはいいのね。と思っている俺だった。


ちなみに柊が俺の部屋に戻って来たのは30分くらい後だった。

まあ後の電車に乗って来たんだな。と思っている俺だった。

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