第415話 柊と七菜

数日前に海織が言っていたことは……ちゃんと決行されていた。

うん。決行しなくてもいいのに……と俺は思っていたのだが……部屋の持ち主の意見など関係なく。集合がかけられていた。


現在。俺の部屋は……微妙な雰囲気。空気というのだろうか。とりあえず怪しい感じの雰囲気がある2人と……それを見て楽しんでいる女の子も2人。

なお俺はどちらにも入っておらず。


何してるんだよ。と思っている1人である。


うん。何が行われているんだろうか。であるが……とりあえずこれからの事を話しておくと。数日後には、俺達4年生の多分最後のなるであろう在学生オリエンテーションがある。まあ説明会。というか。今後の学校生活のお話。4年生バージョンというやつですね。多分というのは留年するとまた来年。となるんでね。


が、まだ今は春休みである。

そして入学式まで1週間ほどとなっている七菜は……。

もう数週間こっちで生活をしているため。かなり生活に慣れていた。

そうそう、七菜の料理もかなり安全なものに最近はなってきている。うんうん。良いことだ。爆発とかも起こらなかったからな。

教えている側として一安心していたところだったのだが……そのようなことはとりあえず置いておいて……。


「なんだよ。これ」


と、俺は次はちゃんと口に出した。


いやだってさ。

なんか俺の部屋で……。


「七菜ちゃん。遊びに行こう。いろいろ案内するし。変な誤解も無くなるからさ」

「加茂先輩。危険な先輩が近づいてきています。何とかしてください」

「楓くん大変だねー。海織ちゃん?いいの?」

「いいのいいの。楽しそうだしね。それに私は今白塚君の敵になっちゃうと高級ランチ連れて行ってもらえなくなるし」

「あー、そういえば言っていたね。バンバン柊に奢らせちゃって」

「かなりいい値段するからね。楽しみ」

「あっ、でさ、こっちはこっちで楓くん借りるね?」

「どうぞどうぞ」


俺の部屋でなんか2対2というのか……2カ所でいろいろな話が飛んでいる。


なお俺は。後ろに七菜。前に柊。と1つのペア?の方に挟まれている。

ちなみに海織と斎宮さんは、斎宮さんがここに来る際に買ってきたお土産。まあコンビニスイーツですね。それを食べつつ。こちらを見て……なんかいろいろ勝手なことを言っている気がするのだが……俺の前は前で。なんか柊と七菜が……という状況のため。女の子2人の方には突っ込む余裕がなく。


ってか。何度でも言うが――。

なんだよ。これ。である。


まあ説明をすると……七菜と仲良くなりたい柊が斎宮さんとともにまた俺の部屋に遊びに来て……2人が来ると海織が七菜を隣の部屋に捕まえに言って……連れてきたらまあ柊が話す。

が、七菜は……拒絶?うん。まあそのやり取りを見ている女の子2人はコンビニスイーツを食べつつ。楽しみつつ。こちらを見て勝手になんかいろいろ話している。である。


とか俺が思っていると……。


「加茂先輩?聞いてます?危険な人が迫ってきています。何とかしてください」

「楓。とりあえず七菜ちゃん説得を!」

「……海織?斎宮さん?」


俺が一応ヘルプ要請をすると……ってこの集まりを企画というか。実行したのは海織、斎宮さんなんでね。とりあえずヘルプ要請をしたのだが……。


「楓君。頑張って」


海織は楽しんでいるから無理……。


「楓くんモテモテー」


斎宮さんも同じく。うん。これは……


「……ダメだこりゃ」


うん。なんか修羅場ではないが……面倒な状態だった。


せっかくの休みが……何か謎なことにどんどん削られているという状況だった。


っかなんでこの2人は出会ってすぐというか。うん。すぐにこんな変な関係というか。微妙な関係になってしまったのか。


まあ柊がNGワードを言ったから……。


「とりあえず柊が悪い」


俺がつぶやくと……。


「なんで!?」

「さすが加茂先輩です。わかってますね」


柊と七菜が反応して……。


「おお。楓君は七菜ちゃんの見方をしましたねー。海織ちゃん」

「だね。なんやかんやでお世話大好きな楓君だねー」

「うんうん。それが楓くんのいいところだけどね」

「か。難波先輩の存在が七菜ちゃんの味方に付いた理由かも?」

「あー、そういうのもあるのかな?」


うん。なんかもう1つのペアはペアでホント好き勝手話していた。まるで実況中継でもしているみたいにね。


ホント何を言っても面倒というか。疲れるな……と俺が思っていると。


「わかった。七菜ちゃん。ちょっと出かけてこよう」


柊が再度七菜を誘ったが……。


「お断りします」


即答の七菜。


「あはははー。最高!」


そして即断られた柊を見て大爆笑の斎宮さん。


「いやいや何も知らないまま嫌われるのもだからね。という事で七菜ちゃん行こう」

「……」


七菜は無言で俺や海織、斎宮さんを見て……なんか言ってくださいよ的な雰囲気なのだが……。


うん。現状は、海織、斎宮さんは多分どうなってもおもしろそう。と思っているらしく。ニコニコと何も言わずにこちらを見ていたので……って斎宮さんは笑いをこらえているだけか。

まあとりあえず俺が答えておいた。


「まあ七菜。柊の事をちゃんと知るためにちょっと2人で出かけてきたら?」

「……」


俺が言うと七菜は少し考えていて……。


「そうだよ。さすが楓。ってことで七菜ちゃん出かけてみたら俺の良さがわかるからさ」


柊が再度七菜へと言う。すると……。


「柊の良さって。ふふふ……」

「沙夜。笑いすぎだろ?」

「いやだって。うんうん。無理だと思う。私くらいだって、柊のお相手してあげてるの」


と。柊と斎宮さんが話していると。


「……わかりました。加茂先輩も言ってますし。ちょっと白塚先輩と出かけてみます」

「キター。ってことでじゃどこ行く?どこでもいいならおすすめのところ連れてくけど?」

「わからないのでおまかせします」

「よし。じゃ、沙夜。行ってくるわ」

「ご自由にー。私はここでくつろいでいるから」

「斎宮さんももしものために付いて行った方がいいのでは?」


俺が声をかけてみたが……斎宮さんは全く動く気配がなく……。


「えー。私ここに居る方が落ち着くから」

「はぁ……」

「あっ、沙夜ちゃん。飲み物淹れようか?」

「うん!お願い」

「……俺の家なんだけど……」


うん。とりあえずそれから柊と七菜が出かけました。


残った3人は……まあのんびりというか。

海織と斎宮さんが楽しそうに過ごしていましたとさ。


ホントなんだこれ。である。

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