第365話 1名接近中2

――ピンポン。


七菜とともに飲み物を飲んでいると。俺の部屋のインターホンが鳴った。


「あっ、先輩私が出てきていいですか?」


すると音にすぐ反応したのが七菜だったため……。


「……ご自由に。海織も居るのはわかっていると思うから」


まあ俺は海織が来たのだろうと思っているので七菜に玄関へと行ってもらう事にした。いや、違う人かも……というのはあったが。でもまあ海織だろうと思っていたのでね。

それに出たがっている人というか。見てきてくれる人が居るというか。七菜も出たがって居るというか。そんな雰囲気だったのでね。

うん。それになんとなくだが……海織も七菜に出迎えてほしいのではないだろうか……とかちょっと俺は思ったり思っていなかったり…。


いや決してだ。

なんか今日は疲れたから出たくないとかではなくてですね。はい。いやまあ実際……この後の事が心配というか。いろいろありそうですでに疲れそうな未来予想図があるので……体力温存と言いますかね……。

とか俺がいろいろと思っていると……。


「見てきますね」


七菜はすぐに立ち上がり玄関の方へと小走りで向かって行った。うん。俺動かない子であった。ってうん。ちょっと楽とか思ったりしていた。すると。玄関の方では――。


「宮町先輩ですよね?」

「あっ、七菜ちゃん。やっほー」


とか言う声とともにドアが開く音がして……。


「……ずぶ濡れではないですね?」

「えっ?」


うん。なんか玄関の方からそんな声が聞こえてきた。

って七菜よ。ずぶ濡れは今の天気からはないだろ。うん。今は晴れているというか。雨の気配0だろ。って。あっ、そうか。俺がさっき言ったからか。とか思っていると……。


「楓君はもう七菜ちゃんを手下のように動かしている。と。良いご身分だね」


海織が部屋に入って来るなりそんなことを俺に言ったのだった。


「いやいや、手下って。今は七菜が出てくれるって言ったからであって。って海織は何故七菜をここに来るようにしたのかな?わざわざ七菜は帰ってから、またこっちに来るってことになっていたんだけど」

「加茂先輩。いいじゃないですか。私は結構楽しい時間になっていますからとっても満足してますよ?」

「ならいいが……って海織もう1つ。風呂の準備しておけ。というのは何?」

「あっ。2人とも満腹で晩ご飯はいらないみたいだったから……晩ご飯の後は……普通ならお風呂かなー。って。だから七菜ちゃん。一緒に入ろ?」

「……ふにゃ!?」


そんなことを言いながら海織は七菜の肩を掴んで……確保していた。

いやー……この予想は当たりましたね。うん。ごめん七菜。当てた。当たらなくていい事は当てる俺だった。


「ちょ、マジですか宮町先輩!?」

「うん。せっかくだから一緒に入ろうよ」

「えっ!?ちょ。ええっ!?加茂先輩の予想通り!?」


そう言いながら七菜がこちらを見ると、海織もこちらを見て。


「あっ。楓君予想してたの?」

「いや……まあ海織が変な事考えてないといいな……と思ったというか」

「まあまあ。次は楓君と入ってあげるから」

「—―ご遠慮します」

「えー、入ろうよ。身体洗ってあげるよ?」

「ご遠慮します。お風呂はゆっくりが良いですからね」

「あの……本当に入るんですか?ってここ加茂先輩のお部屋……」

「大丈夫大丈夫。ここのお風呂に私の使ってるのも普通に置いてあるから」

「いや……そういう事じゃなくてですね」


俺と海織の会話なんて関係なく。この後のことを心配しているであろう七菜は……まあうん。嘘ですよね?みたいな感じでまだ海織に聞いているが……七菜よ。諦めも肝心だぞ。と俺は心の中で思いつつ。ここに、この場に俺は必要ないよな……ということで。


「俺……どこか出かけてようかな?コンビニ……スーパーくらい行ってきた方が時間的にはいいかなー」


とつぶやきつつ。2人からそっと離れる準備をしている俺だった。

って……ここ俺の部屋。家なんですがね。何してるんでしょうね。ホント。まあとりあえず2人がなんか……。


「いやいや宮町先輩。さすがに2人は狭くないですかね?って恥ずかしいと言いますかね」

「大丈夫大丈夫」

「いやいや、って宮町先輩。目が怖いです。笑顔過ぎて怖いですよー」

「だって七菜ちゃんかわいいから」

「いやいや答えがー」

「とりあえず入ろう」

「私がおかしいの!?あれ?」


うん。めっちゃ話しているというか。主に七菜が必死に逃走計画中?とか言うのだろうか。うん。とにかく何かを言って。この場を逃れようと頑張っていますね。はい。

まあそこに俺が助け舟なんか出せるわけもなく……。

海織の暴走を止めるのは……ですからね。うん。


なので俺は目立たないように2人視界からかなり離れたところを通り……もちろん静かにね。静かに静かに。そっと逃走だよ。とりあえず貴重品だけ持ったらOKだろうってことで……。


ってホントなんで俺は自分の家から逃走しないといけないというか……避難しないといけないのだろうか。


……。

……。

……。


えっ?次に行く前にもう予想は出来ている?

逃げれるわけないだろ?って?


まあ、うん。


皆さんの予想通りだと思いますよ。うん。これ以上は語らないがね。

そのうち海織から……。


「楓君がなんかおかしなことつぶやいている」


とか言われそうなのでね。うん。


まあ逃げれませんね。はい。次回逃げれなかった楓です。


……。

……。

……。

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